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MEMORIES
| 放送年 | 1995年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 3話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Studio 4°C |
「メモリーズ」は異なるジャンルの3つの短編映画で構成されている。「磁気薔薇」は愛と喪失、そして忘れられない想いを描いたSF作品。「スティンク・ボム」は風邪を治そうとする化学研究者が、なぜか周囲の人々を死に至らしめる風刺的なストーリー。「砲弾の餌食」は内省的な作品である。
作品概要・あらすじ
あらすじ
「MEMORIES」は大友克洋が総監督を務めた、3つの短編からなるオムニバスSFアニメーション映画です。「彼女の想いで」は、宇宙の漂流物を回収する作業員たちが、亡きオペラ歌手の記憶に満ちた廃墟の宇宙船へ迷い込むSFミステリー。「最臭兵器」は、風邪薬と間違えて開発中の薬を飲んだ研究員が、自覚のないまま強烈な“悪臭”をまき散らし周囲を死に至らしめてしまう風刺コメディ。「大砲の街」は、砲撃に明け暮れる奇妙な街の何気ない一日を描く実験的な一編です。趣の異なる3つの物語が、それぞれ独自の映像表現で展開されます。みどころ・魅力
① 一本で三度楽しめるオムニバス構成
ミステリー、コメディ、実験作と、まったく毛色の異なる3つの短編が一本に収められています。それぞれが独立した世界観と結末を持つため、短い尺ながら飽きることなく多彩な物語を味わえるのが大きな魅力です。② 名匠たちが結集した制作陣
「彼女の想いで」は森本晃司が監督、今敏が脚本、菅野よう子が音楽を担当。「最臭兵器」は岡村天斎、「大砲の街」は大友克洋自身が手がけるなど、各編で才能ある作り手が個性を発揮した贅沢な一作となっています。③ ジャンルを横断する圧倒的な振り幅
切なく美しいSF、ブラックユーモアあふれる風刺劇、そして街全体を一続きのカットのように見せる映像実験。同じ作品とは思えないほどのトーンの違いが、観る者の予想を心地よく裏切ってくれます。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 音響監督 | 藤野貞義 |
|---|---|
| ED | 石野卓球「In Yer Memory」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
大友克洋の名前につられて手に取った、というのが正直なところだ。AKIRAの人が作ったオムニバスらしい、くらいの軽い気持ちで再生ボタンを押した。ところが一本目の「磁気薔薇」で、最初の予想を完全に外された。SFの皮をかぶった幽霊屋敷というか、宇宙空間で他人の記憶に飲み込まれていく話で、序盤の救難信号を追うあたりからもう背筋が冷えていた。残りの二本がまた毛色が違う。毒ガスを巡るドタバタと、砲弾を撃ち続けるだけの街の一日。一本のフィルムの中でここまで温度差のあるものを見せられるとは思っていなかった。最初は磁気薔薇の余韻が強すぎて後の二本が霞んで見えたが、時間を置いて見返すと、三本とも「目に見えないものに振り回される人間」の話だと気づく。そこに気づいた瞬間、このオムニバスの背骨がやっと見えた。
記憶は、いちばん居心地のいい牢獄になる
このオムニバスの核に置きたいのは、やはり「磁気薔薇」だ。打ち捨てられた宇宙船から流れ続けるオペラ。そこに住み着いているのは、かつての歌姫が遺した記憶そのものだった。彼女は失った愛と栄光を、屋敷の形をした幻として宇宙に固定してしまった。やってきた回収屋のミゲルは、その幻に少しずつ取り込まれていく。ここで描かれているのは「過去は危険だ」という単純な話ではない。過去が危険なのは、それが醜いからではなく、あまりに美しいからだ、という話だ。歌姫の記憶は彼女にとって最も幸福だった瞬間で出来ている。だからこそ抜け出せない。現実の冷たい船内より、作り物の薔薇に満ちた広間のほうが居心地がいい。その誘惑に理屈で抵抗するのは、たぶん無理なのだと思う。
面白いのは、この「目に見えない何かに支配される」という構造が、残りの二本にも通底していることだ。「スティンク・ボム」では本人だけが気づかない毒ガスが、「砲弾の餌食」では誰も姿を見たことのない敵が、人間を動かし続ける。記憶、匂い、見えない敵——形は違っても、どれも実体のないものが現実を侵食していく。三本まとめて見たあとに残るのは、私たちが信じている「いま目の前にあるもの」が、案外もろい土台の上に立っているという感覚だ。磁気薔薇が突出して語られがちな作品だけれど、この一本だけで完結させず、三本の並べ方そのものに意味を読んでみると、ぐっと面白くなる。
特に刺さったシーン
磁気薔薇の終盤、現実と幻の境目が完全に溶けていくあたりが忘れられない。ミゲルが幻に手を伸ばしてしまう瞬間、彼の声に迷いと陶酔が混ざっていて、その演技が山寺宏一なのだと後で知って膝を打った。あの人は何でも演じられるけれど、ここでのミゲルは器用さを表に出さず、ただ静かに溺れていく男として声を置いている。流れ続けるオペラと相まって、見ているこちらまで意識が引きずられそうになった。劇場の大きなスクリーンと音響で浴びたら、たぶん抵抗できなかったと思う。あの空間ごと幻に取り込まれる感覚は、映画館で味わうべきやつだ。一方で後半の風刺パートに移ると、緒方賢一が演じる大前田の存在が画面を一気に地に足の着いたものにしてくれる。あの低く乾いた声があるおかげで、馬鹿馬鹿しい状況がただのギャグに流れず、不気味な現実味を保っている。緩急のつけ方が見事で、二度目に見たときはこの声の配置にいちいち唸った。
読んで見たくなったら——『MEMORIES』はABEMAで視聴できる(無料プランあり)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 一本の中で異なる作風・温度を渡り歩くオムニバスが好きな人
- 大友克洋の世界観や、記憶・現実が溶けていく感覚を描いた作品に弱い人
- 派手な展開より、映像と音と空気で語る短編に浸りたい人
- 声優の演技や音楽の使い方を細かく味わいたいタイプのオタク
合わない人
- 一本の長い物語にじっくり感情移入したい人
- 三本ごとの温度差・後味のばらつきがストレスになる人
- すっきり答えの出る、わかりやすい結末を求めている人
次に見るなら
磁気薔薇の、記憶と現実が見分けられなくなっていく感覚が好きならパーフェクトブルー。この短編の脚本を手がけた今敏の長編デビュー作で、現実が崩れていく手つきが地続きに楽しめる。
大友克洋の世界そのものを浴びたいなら、やはりAKIRA。あの過剰なほどの描き込みと崩壊の美学を、長編で正面から味わえる。
磁気薔薇の音楽——あの宇宙にオペラが満ちる感覚にやられたならカウボーイビバップ。音が空間そのものを作る感覚と、乾いた宇宙の空気が近い手触りで楽しめる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ | |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
「MEMORIES」は、ABEMA、dアニメストア、U-NEXT、DMM TV、Huluで配信されており、複数の主要サービスで視聴できます。アニメ作品に強いサービスがそろっているため、ふだんお使いの環境で気軽に楽しめます。各サービスの無料お試し期間やポイント特典をうまく活用すれば、お得に視聴できます。
