やがて君になる

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2018やがて君になる

やがて君になる

★ 3.9 / 5.0ドラマラブコメ日常系
放送年2018年
フォーマットTVアニメ
話数13話
原作漫画
制作TROYCA

由紀は恋愛に憧れを持っていたが、男友達からの告白に何も感じず困惑する。新しい高校で学生会長の七海燈子が同じように告白を断る場面を目撃し、燈子に助言を受ける。友達を優しく断った後、燈子は由紀に自分も恋愛に興味がないことを打ち明け、二人は互いに理解し合える関係へと進んでいく。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

恋愛小説が好きで、胸をときめかせる恋に憧れを抱いていた少女・小糸侑。ある日、男友達から告白を受けるが、不思議なほど何も感じられず戸惑ってしまう。新しく入学した高校で、生徒会長の七海燈子が颯爽と告白を断る場面を目撃した侑は、燈子に相談を持ちかける。やがて燈子は侑に「あなただけが好きになれる気がする」と打ち明け、二人の間に特別な関係が芽生え始める——。自分の気持ちに戸惑いながらも、少しずつ向き合っていく青春を描いた作品。

みどころ・魅力

① 「恋愛感情が分からない」というリアルな戸惑いの描写

ファンタジーでも極端でもなく、「誰かを好きになる感覚」が分からないという侑の内面が丁寧に描かれる。共感する視聴者も多く、恋愛モノにありがちな高揚感より先に「自分の気持ちを知る」過程が物語の軸になっている点が新鮮。

② 完璧に見える燈子が抱える孤独と葛藤

生徒会長として誰からも慕われる七海燈子だが、その内側には亡き姉への複雑な感情と、「本当の自分」への深い迷いが隠されている。外見の完璧さと内面の脆さのギャップが、キャラクターに強いリアリティと奥行きを与えている。

③ 丁寧な間と美しい映像で紡ぐ静かな感情表現

台詞より「沈黙」や「視線」で感情を語る演出が特徴的。花や光の使い方、BGMの抑制など、アニメーションとしての完成度が高く、2人の距離感の変化が映像の質感そのもので伝わってくる。

キャスト・声優一覧

七海燈子
七海燈子
メイン
›
寿美菜子
小糸侑
小糸侑
メイン
›
高田憂希
堂島卓
堂島卓
サブ
›
野上翔
市ヶ谷知雪
市ヶ谷知雪
サブ
›
興津和幸
児玉都
児玉都
サブ
›
森なな子
叶こよみ
叶こよみ
サブ
›
小原好美
佐伯沙弥香
佐伯沙弥香
サブ
›
茅野愛衣
槙聖司
槙聖司
サブ
›
市川太一
日向朱里
日向朱里
サブ
›
寺崎裕香
箱崎理子
箱崎理子
サブ
›
中原麻衣
小糸怜
小糸怜
サブ
›
小松未可子
燈子の母
燈子の母
›
神田みか

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スタッフ

監督加藤誠
シリーズ構成花田十輝
キャラクターデザイン合田浩章
音楽大島ミチル
美術監督永吉幸樹
音響監督明田川仁
OP安月名莉子「君にふれて」
ED寿美菜子「hectopascal」
ED高田憂希「好き, 以外の言葉で」

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

OP・ED

OP

ED

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

百合アニメの話になると、かならずこのタイトルが出てくる。「やがて君になる」。そうじゃないかと思ってたら案の定そうだった。配信サービスのウォッチリストに入れて、気づいたら2年が経っていた。

見始めたのは深夜、特に何も考えずに再生したとき。最初の10分で「あ、これは思ってたのと違う」と気づく。恋愛描写がない。あるんだけど、ない。燈子が由紀に告白に近いことを告げるシーンがあるのに、そこに熱量がない——というより、「熱量をあえて排除している」ような感触だった。

2周目で気づいたのは、その静けさが作品全体のトーンそのものだということ。恋愛感情が「わからない」キャラクターたちの話を、感情的に煽らずに描いている。冷たすぎると感じた1周目の演出が、2周目には意図的な選択に見えてくる。最初に見たときと、見終わって見返したときで、同じシーンの見え方がここまで変わった作品は久しぶりだった。

「好きになれない自分」を生きること——アイデンティティの穴を誰かで埋めようとする話

この作品を百合ラブコメとして見ると、たぶん半分しか観ていないことになる。

燈子は「誰かを好きになれない自分」を抱えている。そこに由紀が現れる。由紀もまた、告白されても何も感じない。二人は似た穴を持っているように見えて、実は全然違う。燈子の「好きになれなさ」は、亡き姉へのコンプレックスと深く絡んでいる。自分が誰でもないから、誰かに好かれてもピンとこない——そういう歪んだ自己像が根っこにある。対して由紀は、単純に恋愛感情の「スイッチ」がまだ入っていないだけだ。少なくとも序盤はそう見える。

だから燈子が由紀に惹かれるのは、「この子は自分を特別扱いしない」という安心感があるからで、それは恋とも友情とも少しずれた、どこか歪んだ依存の形だ。燈子は由紀の「無反応」を、自分が「空っぽでいられる場所」として使っている。そのことに自覚がない分、始末が悪い。

茅野愛衣が演じる佐伯沙弥香というキャラクターが、この構図をさらに複雑にする。沙弥香は燈子に明確な恋愛感情を持っているが、それを表に出せない。沙弥香の目線から見た燈子と由紀の関係は、単なる百合カップルの話ではなく、感情の行き先がすれ違い続ける人間関係のスケッチになっている。茅野の演技は抑制が効いていて、感情を押し込んでいる声が、かえってキャラクターの輪郭を際立たせる。沙弥香が出てくるシーンだけ、空気の質が少し変わる感じがあった。

「好きになること」を主題にした作品は山ほどある。「好きになれないこと」と正面から向き合い、それを説教にも悲劇にもせず、ただそこにある問題として描いた作品はそう多くない。この淡さは狙ったものだし、その狙いが成功していると思っている。見終わったあとに何かが解決した感じが一切しないのに、どういうわけか次の話が見たくなる。それ自体がこの作品の技だと気づいたのは、3話を過ぎたあたりだった。

特に刺さったシーン

序盤、燈子が初めて由紀に「あなたのことが好きになりそう」と打ち明けるシーン。寿美菜子の声がここで初めて温度を持つ。それまでの生徒会長としての燈子——落ち着いていて、どこか距離のある話し方——から、わずかに揺れる瞬間が入る。

「なりそう」という言い方が絶妙で、「好き」ではなく「好きになりそう」。まだ確定していない、でも確かに何かが動いている、その微妙なラインを寿美菜子が声だけで出してくる。このシーンで初めて、燈子というキャラクターが「作り物のアイデンティティ」を生きていることに気づいた——正確には、2周目に気づいて、1周目の見え方が全部変わった。

中原麻衣が演じる箱崎理子は出番が多くないが、由紀の文脈を補完する役割がある。生徒会の顧問として登場するシーンは地味だが、「普通の大人」としての中原の演技が、作品全体のトーンに静かに馴染んでいる。派手な演技をしない場所での仕事の丁寧さ——207本のキャリアがある声優の、力を抜いた仕事というのは、こういうものだと思う。

読んで見たくなったら——『やがて君になる』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 恋愛感情の「わからなさ」に覚えがある人
  • 感情を大げさに描かないアニメが好きな人
  • 関係性の変化をゆっくり追うのが苦じゃない人
  • 茅野愛衣の抑えた演技が好きな人

合わない人

  • 恋愛展開にカタルシスを求めている人(基本的に何も解決しない)
  • 百合というジャンルに感情的な盛り上がりを期待している人は肩透かしになる
  • テンポの遅さが苦手な人(全13話、どの回も似たようなペースで進む)
  • 3話で切る習慣がある人は向いていない。この作品、3話では何も始まっていない

次に見るなら

青い花は同じく「恋愛感情を持て余す女の子たち」を描いた作品で、2009年と古いが雰囲気が近い。感情を煽らない静けさがあって、「やがて君になる」の空気感が合った人には刺さる可能性が高い。アニメ版は原作の途中で終わっているが、その余韻の残し方も含めて作品として成立している。

響け!ユーフォニアムは百合ではないが、女子高生の関係性を丁寧に掘り下げる点で共通している。こちらは音楽・部活動という外の軸があるぶん、展開のテンポはずっと速い。感情の描き方が好きなら続けて見られる。

citrusは同時期の百合アニメとしてよく比較される。こちらは感情表現が激しく展開も早い。「やがて君になる」とは正反対の作りなので、どちらが合うか確認する意味で見比べてみると、自分の好みの輪郭がはっきりする。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ×¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+
『やがて君になる』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluで視聴可能です。主要な配信サービスで広くラインナップされているため、すでに利用しているサービスからすぐに視聴を始められます。見逃していた方はこの機会にぜひ。

よくある質問

Q. やがて君になるはどこで見られますか?
A. dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluで配信中です。各サービスの無料トライアル期間を利用すれば、実質無料で全話視聴できる場合があります。
Q. 原作マンガと内容は同じですか?
A. アニメは原作マンガ(仲谷鳰/電撃コミックスNEXT)を忠実に映像化しています。ただしアニメは原作の途中までの収録となるため、続きが気になる方は原作マンガもあわせて楽しむのがおすすめです。
Q. 全何話ですか?見るのにどのくらいかかりますか?
A. 全13話構成です。1話あたり約24分なので、全話通しても約5時間程度。週末に一気見するのにちょうどよいボリュームです。
Q. 百合アニメが初めてでも楽しめますか?
A. はい、問題なく楽しめます。恋愛感情の有無や自分らしさへの問いかけを丁寧に描いた作品で、ジャンルより「青春ドラマ」として入りやすい構成になっています。

まとめ

『やがて君になる』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluで視聴可能です。主要な配信サービスで広くラインナップされているため、すでに利用しているサービスからすぐに視聴を始められます。見逃していた方はこの機会にぜひ。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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