※本ページはアフィリエイト広告を含みます。

海がきこえる
| 放送年 | 1993年 |
|---|---|
| フォーマット | スペシャル |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | その他 |
| 制作 | Studio Ghibli |
高知を舞台にした高校生の恋愛物語。親友の森崎拓と松野豊の学校に、東京から転校生・武藤莉花子がやってくる。集団活動を避ける彼女は高慢だと思われていた。松野は莉花子に片思いしており、森崎と莉花子が親密になっていくことに嫉妬し始める。
作品概要・あらすじ
あらすじ
高知の海辺の街を舞台にした、高校生たちのほろ苦い青春物語。親友同士の杜崎拓と松野豊が通う高校に、東京から武藤里伽子が転校してくる。成績優秀で美人ながら周囲となじもうとしない彼女は、高慢だと誤解されていた。修学旅行先でのある出来事をきっかけに、拓は里伽子と関わるようになり、いつしか二人の距離は縮まっていく。里伽子に片思いをしていた松野は、親友と彼女が親密になっていく様子に戸惑い、揺れる想いを抱え始める。言葉にできないすれ違いと不器用な感情が交錯する、誰もが胸の奥に覚えのある淡い恋の記憶を描いた一編。みどころ・魅力
① スタジオジブリが手がけた異色のTVスペシャル
本作は若手スタッフを中心にスタジオジブリが制作したテレビスペシャルで、宮崎駿・高畑勲とは異なる繊細でみずみずしい演出が光ります。等身大の高校生の心情を丁寧にすくい上げた作劇は、ジブリ作品の中でも独特の存在感を放つ一作です。② 90年代の空気感と高知の情景美
携帯電話もない時代、手紙や公衆電話でつながる距離感がリアルに描かれます。高知の海や街並み、東京との対比が美しい背景美術で表現され、どこか懐かしくノスタルジックな空気が物語全体を優しく包み込みます。③ 不器用な三角関係とすれ違いの妙
里伽子の本心が見えないもどかしさ、親友への遠慮、言葉にできない想い——。誰もが一度は経験した青春のすれ違いが、説明を尽くしすぎない余白のある演出で描かれ、観る人それぞれの記憶を静かに呼び覚まします。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 望月智充 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 近藤勝也 |
| 音楽 | 永田茂 |
| 美術監督 | 田中直哉 |
| 音響監督 | 浦上靖夫 |
| ED | 坂本ようこ「海になれたら; If I can be an Ocean」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
ジブリの棚で、長いこと素通りしてきた一本だった。テレビスペシャルという出自、派手な飛行船も魔法も出てこない地味なジャケット。「まあ、合間に観るくらいの軽いやつだろう」と思って再生したら、高知の白い光と、ゆるい土佐弁の心地よさに、気づけば終わっていた。竜やお化けが出ない代わりに、出てくるのは修学旅行の積立金とか、東京での気まずい再会とか、そういう恥ずかしいほど地に足のついた話だ。最初は「思い出を淡々となぞるだけの作品」に見える。でも2回目に観たとき、引っかかったのは杜崎拓の語りの距離感だった。これは過去を懐かしむ話じゃなくて、もう取り返せないと知っている人間が、それでも記憶を編集し直している話なんだと、そこでようやく腑に落ちた。
好きだったと気づくのに、何年もかかる話
この作品は、転校生をめぐる三角関係の青春ドラマ——という説明で片付けると、たぶん大事なところを全部こぼす。物語は冒頭、大人になった拓が駅のホームで誰かに似た人影を見るところから始まって、あとはほとんど高校時代の回想で進んでいく。つまり最初から、これは「終わったこと」として語られている。その枠組みが効いてくる。
武藤里伽子という子は、東京から来て、集団に馴染まず、高慢だと噂される。実際、観ているこちらも前半はずっと「面倒な子だな」と思わされる。彼女は嘘をつくし、人を振り回すし、拓を平気で都合よく使う。けれど話が進むにつれて、その態度の裏にある家庭の事情や、土地に根を下ろせない居心地の悪さが、説明されすぎない程度に滲んでくる。ここがうまい。誰も彼女を「実はいい子だった」とは弁護してくれない。観る側が勝手に、後から事情を拾い直していくしかない。
そして拓自身が、自分の感情の正体に最後まで気づかない。彼は里伽子に振り回されながら、それを面倒だ、迷惑だと処理し続ける。当時の彼にとってそれは恋ではなかった。恋だと認識する語彙を、まだ持っていなかった。大人になった拓がようやくそれに名前をつけられたとき、相手はもう目の前にいない。単なる片思いの成就/不成就ではなく、感情に追いつくのに何年もかかってしまう人間の鈍さそのものを、この映画は描いている。あの頃なにを感じていたのか、本人にすら分からなかった——その不器用さに、年を取るほど刺さってくる。
特に刺さったシーン
東京での再会のくだりが、何度観てもきつい。高知ののどかな空気から急に都会の雑踏に放り込まれて、二人の温度差がそのまま映像の質感になっている。飛田展男の拓は、声を張らない芝居が本当にいい。怒鳴るでも泣くでもなく、言葉を飲み込む間の取り方で「言えなかった」を全部やってしまう。あの抑えた語りがなければ、この映画はただの薄味な思い出話に転んでいたと思う。
あと地味に好きなのが松野豊の存在だ。関俊彦が演じる松野は、里伽子に片思いしていて、親友の拓と彼女が近づくのに勝手に傷ついていく。あの、自分から動けないくせに勝手に拗ねる感じ——関俊彦の少し湿った声がはまりすぎていて、観ていて気の毒なのに笑ってしまう。緑川光の山尾や天野由梨の清水明子みたいな脇のクラスメイトが、ほんの数カットで「この教室、実在するな」と思わせてくるのも効いている。派手な見せ場はないのに、終盤のあの一瞬で胸を掴まれる。
読んで見たくなったら——『海がきこえる』はNetflixで視聴できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 派手な事件より、人の感情のすれ違いをじっと観たい人
- 高校時代に「あれは何だったんだ」と引きずっている関係がある人
- 方言や地方都市の空気感、生活のディテールにグッとくる人
- ジブリの王道ファンタジーとは別の引き出しを覗いてみたい人
合わない人
- 分かりやすいカタルシスや、きっちりした結末がほしい人
- 共感しにくい主人公やヒロインに最後まで付き合えない人
- 90分の中で何か大きな出来事が起きることを期待する人
次に見るなら
地方を舞台にした、思い出を反芻する話が刺さったならおもひでぽろぽろ。あちらも過去と現在を行き来しながら、大人になった主人公が子ども時代の自分とそっと折り合いをつけていく。同じ「淡い余韻」の系譜にいる一本だ。
10代特有の、まだ名前のつかない感情のもどかしさが好きなら耳をすませば。あの背伸びと焦りと自意識の塊みたいな空気を、海がきこえるとは違う角度から真正面に描いている。
「届かなかった距離」のほうに心が持っていかれたなら秒速5センチメートル。ジブリではないが、好きだったと気づいた頃にはもう遠い——あの感覚を、もっと容赦なく突きつけてくる作品だ。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ | |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
「海がきこえる」は、現在Netflixにて配信されており、会員であれば追加料金なしで視聴できます。スタジオジブリ作品をまとめて楽しめる環境が整っているため、この機会にあわせてチェックするのがおすすめです。スマホからテレビまで好きなデバイスで繰り返し味わえるので、青春の余韻にゆっくり浸りたい方にぴったりの一作です。
