ザスピリットオブワンダー : 少年科學倶楽部

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2001ザスピリットオブワンダー : 少年科學倶楽部

ザスピリットオブワンダー : 少年科學倶楽部

★ 3.0 / 5.0コメディドラマファンタジーSF
放送年2001年
フォーマットOVA
話数2話
原作漫画
制作Ajiado

50歳になった科学少年クラブは、会員の妻の論文「宇宙はエーテルエネルギーで満ちている」に基づき、このエーテル流を利用して火星へ航海する船を建造する。火星のチャネルが火星人によって建設されたという古い理論を証明するため火星に向かうが、生命は存在しない。数年後、両方の理論が考慮される時、…

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

創立50周年を迎えた少年科學倶楽部は、会員の妻が発表した論文「宇宙はエーテルエネルギーで満ちている」に着目。このエーテル流を動力源とした宇宙船を自力で建造し、火星へと旅立つ。目的は、火星の運河が火星人によって築かれたという古い仮説を自らの目で検証すること。しかし彼らが辿り着いた赤い星に、生命の痕跡はなかった。数年の時を経て、ふたつの理論が改めて問い直されるとき、真実の輪郭が静かに浮かび上がる。

みどころ・魅力

① 明治ロマンとSFが交差する独特の世界観

鈴木志保の原作コミックが持つ「レトロフューチャー」の空気をOVAが忠実に再現。ガス灯と宇宙船が共存する時代錯誤の美学が、本作の最大の個性です。精緻な背景美術と落ち着いたトーンの色彩設計が、夢と科学が地続きだった時代の郷愁をじっくりと描き出します。

② 「科学への純粋な情熱」を笑いと共に描く温かさ

中年男性たちが少年のような目で宇宙を夢見る姿は、コメディとして可笑しくも、同時にどこか胸を打ちます。荒唐無稽な計画を大真面目に実行するキャラクターたちのやり取りが、SF設定の重さを和らげ、幅広い視聴者が楽しめる作品に仕上げています。

③ 問いを投げかけ続ける静かなラスト

「火星人は存在するか」という古典的なテーマを単純に解決せず、数年後の再検証という構造で余韻を持たせるエンディングが印象的です。答えを押しつけない語り口が、SF短編としての品格を高めており、見終わった後にじわじわと考えさせられる作品です。

キャスト・声優一覧

ジャック・ウェイクマン
ジャック・ウェイクマン
メイン
鈴村健一
ウィンディ・リンドベバーグ・ウェイクマン
ウィンディ・リンドベバーグ・ウェイクマン
メイン
柚木涼香
ジム・フロイド
ジム・フロイド
メイン
柴本浩行
ブレッケンリッジ
ブレッケンリッジ
サブ
羽佐間道夫
チャイナ
チャイナ
サブ
日高のり子
クーパー
クーパー
サブ
広瀬正志
シェパード
シェパード
サブ
岡和男
ゴードン
ゴードン
サブ
土師孝也

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スタッフ

監督安濃高志
キャラクターデザイン柳田義明
音楽松尾早人
美術監督吉原俊一郎
音響監督三間雅文
EDサイエンティフィック・ボーイズ・クラブ「Born to Dream」
ED日高 のり子「桃花望郷; Peach Blossoms」

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

タイトルに「科學」という字が入っているのが気になった。旧字体。今どきのアニメタイトルでこれをやるのは確信犯で、見る前から「ああ、この人たちは時代の空気ごと再現しようとしているんだな」とわかる。そういう律儀さは好きなほうだ。

これは1992年のOVA『チャイナさんの憂鬱』と同じ世界を舞台にした、実質的な続編にあたる作品。前作ではチャイナという中国人女性の視点から描かれた19世紀末ヨーロッパの科学者たちの日常が、今回は「少年科學倶楽部」のメンバーたちを主役に据えて、彼らがついに火星を目指すという話になる。前作を見ていなくても大筋は追えるが、見ていると細かい人間関係の重みが変わってくる。日高のり子が演じるチャイナが画面に映るたびに、1992年のあの雰囲気がよみがえって、少しだけ胸が痛くなる。

最初に見たときは「古い作画だな」という感覚が先に来た。それが2回目になると、むしろこの線の細さと色の落ち着きが19世紀の絵葉書みたいで正解だと気づく。最初の印象が邪魔をすることがある作品だ。

「正しくない夢」に一生をかけた人たちの、奇妙な誠実さ

この作品の核心は、間違った科学理論を信じて火星まで飛んでいく50歳の男たちの話だ——と書くと滑稽に聞こえるが、見ていてそうは感じない。それがこの作品の不思議なところで、しばらく考えてしまった。

「エーテル流を利用した宇宙航行」というアイデアは、現実の科学史においては19世紀末にほぼ否定されている。マイケルソン=モーリーの実験がエーテルの存在を否定した有名な話は、この作品の時代設定とほぼ重なる。つまり彼らが信じているのは、すでに足元が揺らぎかけている理論だ。それでも彼らは船を作り、火星へ向かう。

鈴村健一が演じるジャック・ウェイクマンの声に、妙な落ち着きがある。興奮しているのに焦っていない、という演技の塩梅が絶妙で、「この人は若いころからずっとこういう人なんだろうな」という説得力があった。鈴村健一は出演作の幅が広いが、こういう「内側に熱を持ちながら表は静かな男」をやらせると本当に上手い。柚木涼香のウィンディも、夫の計画を止めないどころかむしろ論文で理論的根拠を提供しているという設定が好きで、「この夫婦はずっとそうやって生きてきたんだ」という感じがした。

そして火星に着いたとき、彼らが見たのは何もない風景だった。運河は確かにあった。しかしそれは火星人が掘ったものではなかった。ローウェルの理論も、エーテルの理論も、どちらも「詩的だったけど正しくなかった」側に落ちていく。

だからといって、彼らの人生が無駄だったという話にはならない。この作品が面白いのはそこで、「正しくない理論を信じて生きてきた人たちの誠実さ」を肯定も否定もせず、ただ描いている。数年後、両方の理論が改めて検討されるという結末の含みは、「真実はまだ動いている」という科学の本質的な不確かさを示唆している。宇宙の謎は、勝者が確定する前に次のラウンドが始まる。

タイトルの「Spirit of Wonder」というのは、つまりこれだ。正しいかどうかじゃなく、不思議に思い続けること自体の話。50歳になっても「科學少年」を名乗る人たちへの、静かな敬意。

特に刺さったシーン

火星の地表に降り立ったときの静けさが忘れられない。派手な演出は何もない。運河が見える。人の手による痕跡のような地形がある。でも誰もいない。音楽がほとんど鳴っていなかったと思う——2回目に見て確認して、やっぱりそうだった。この静寂の選択が正しくて、あの場面に台詞や劇伴を重ねていたら全部台無しになっていた。

土師孝也のゴードンが、火星の砂を手でつかむようなシーン(だったと記憶している)。台詞はなかった気がするが、その間に土師孝也の呼吸音のようなものが聞こえた気がして、それが実際の演技なのか自分の思い込みなのかいまだにわからない。それくらい没入していた。出演作65本というキャリアの中でも、こういうセリフなし・表情なし・ただ存在するだけの芝居ができる人は限られる。

それから、出発前夜に「少年科學倶楽部」のメンバーたちが集まる場面。50歳の男たちが、子どものころ作ったような設計図を広げて話しあっているあの空気。鈴村健一柚木涼香の掛け合いに、長年連れ添った夫婦の呼吸があって、「このふたりのことをもっと見たかった」と思った。

読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 1992年のOVA『チャイナさんの憂鬱』を見て、この世界の続きが気になっていた人
  • 19世紀末〜20世紀初頭の「間違いだらけだったけど熱があった」科学史が好きな人
  • 台詞よりも空気と間で語る作品が好きな人
  • 「夢を持ち続けることの滑稽さと美しさ」を同時に描いた話に耐えられる人
  • 鈴村健一柚木涼香のふたりが好きで、珍しい共演を掘りたい人

合わない人

  • アクションや事件の起伏を求めている人(ほぼ何も起きない)
  • 前作を見ていない状態でいきなり見ると人間関係の重みが半減する
  • 2001年当時の作画クオリティに最初から拒否反応がある人
  • 配信がなくAmazonでDVDを探すハードルを越えられない人(現実的な問題として)

次に見るなら

同じ世界の「入口」として、まずザスピリットオブワンダー チャイナさんの憂鬱(1992年OVA)を先に見るほうが正確には正しい順序だ。チャイナという女性の視点から描かれるこの世界の日常は、日高のり子の演技もあって2001年版とは別の味わいがある。少年科學倶楽部のメンバーたちが「背景の人たち」として登場する段階から知っておくと、2001年版の感慨が変わる。

19世紀末ヨーロッパの夢と科学というトーンが好きなら、蒸気少年 Steam Boyも近い感触がある。大友克洋のアクション寄りの作品なのでテンポは全然違うが、「蒸気時代の科学への憧憬と代償」という主題が重なる。こちらは劇場作品なので映像の密度がまったく別次元で、比べて見ると面白い。

もう少し広げるならふしぎの海のナディア。設定の時代も近く、科学・冒険・ロマンが混在するあの雰囲気は「Spirit of Wonder」の世界観と遠くない。ただしナディアはギャグと感情の振れ幅がずっと大きいので、別物として楽しむくらいの気持ちで。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア×¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT×¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV×¥550(税込)14日間6,300+
Netflix¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+¥1,250〜(税込)なし500+
現時点では、本作を視聴できる公式配信サービスは確認されていません。視聴にはDVD等のパッケージ版を入手する方法が主な選択肢となります。今後、各配信プラットフォームへの追加状況を随時確認されることをおすすめします。

よくある質問

Q. 「ザスピリットオブワンダー 少年科學倶楽部」は何話構成ですか?
A. 全3話構成のOVA作品です。1話あたりの尺は約30分で、2001年にリリースされました。コンパクトにまとまっているため、短時間で世界観を楽しめます。
Q. 原作は漫画ですか?
A. はい、鈴木志保による漫画が原作です。レトロなSFと日常コメディが融合した独特の作風で知られており、OVAはその雰囲気を丁寧に映像化しています。
Q. 子どもでも楽しめますか?
A. コメディ要素があり暴力・過激な描写はほとんどないため、幅広い年齢で楽しめる作品です。ただし、SF設定や時代背景の理解があるとより深く楽しめるため、中学生以上が特におすすめです。
Q. 「スピリットオブワンダー」シリーズとの関係は?
A. 同じ原作者・世界観をベースにした別エピソードのOVAが1992年にも制作されています。本作「少年科學倶楽部」はその続編にあたる独立した作品で、単体でも問題なく視聴できます。

まとめ

現時点では、本作を視聴できる公式配信サービスは確認されていません。視聴にはDVD等のパッケージ版を入手する方法が主な選択肢となります。今後、各配信プラットフォームへの追加状況を随時確認されることをおすすめします。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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