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でたとこプリンセス
| 放送年 | 1997年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 3話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | J.C.STAFF |
ラピスはソーサーランドの王女で、美しく強力で輝くような性格を持っていますが、あまり頭が良くありません。彼女は無実の生き物を守るためなら王国を破壊してでも何でもします。そしてプディングへの執着を忘れずに!デタトコ・プリンセスは、愛されているファンタジーのステレオタイプすべてを笑える風刺で描いた作品です。
作品概要・あらすじ
あらすじ
ソーサーランド王国の王女・ラピスは、絶世の美貌と圧倒的な力を誇るが、残念ながら知性はお世辞にも高いとは言えない。しかし無実の生き物が傷つきそうになれば王国ごと壊してでも守ろうとするほどの熱い正義感の持ち主。そしてプリンへの強烈な執着心も忘れずに。本作はファンタジー作品に登場する定番キャラや王道展開を、愛情あふれる風刺とドタバタコメディで笑い飛ばすOVAです。
みどころ・魅力
① ファンタジー王道を笑い飛ばす痛快な風刺ギャグ
本作の最大の魅力は、ファンタジー作品が大切にしてきた「強くて美しい王女」「世界を救う勇者」といったステレオタイプを徹底的にパロディ化している点です。お約束展開を知るほど笑えるため、1990年代ファンタジーアニメに親しんだ視聴者ほど深く楽しめる構造になっています。
② 天然無敵なヒロイン・ラピスのキャラクター造形
「美しくて強いが頭は残念」というラピスのキャラクター設定が、ギャグの源泉として機能しています。善意は本物なのに行動が壊滅的という天然系ヒロインの突破力が全編を通じて炸裂しており、視聴者を振り回しながらも憎めない愛嬌が光ります。
③ 1990年代OVAならではのテンポと演出の濃さ
深夜アニメが現在ほど量産されていなかった1990年代のOVAは、1本あたりの作り込みが濃いのが特徴です。短編ながらドタバタの密度が高く、テンポの良い笑いが詰め込まれており、当時のOVA文化の個性を今に伝える貴重な一作としても楽しめます。
キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 新房昭之 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 関島眞頼 |
| キャラクターデザイン | 数井浩子 |
| 音楽 | 見良津健雄 |
| 美術監督 | 吉原俊一郎 |
| 音響監督 | 渡辺淳 |
| OP | 松浦 由紀「ショコラ・オ・レ」 |
| ED | 宮村 優子とかない みか「天使のおへそ」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「でたとこプリンセス」という名前を初めて聞いたとき、正直なんの作品かわからなかった。1997年のOVA、コメディ、ファンタジー。情報がそれだけだと検索しても碌にヒットしないし、Amazonのページも妙に素っ気ない。そういう「素性不明の90年代OVA」というだけで何となく掘ってしまうのは、長年の習性だと思う。
最初に見たときの印象は「思ったよりちゃんとしている」だった。ラピスという王女のキャラクター造形が、ステレオタイプなファンタジー姫をわざと引き延ばして笑いにする構造で、安易なパロディとは一線を画していた。2回目で気づいたのは、プディング執着というギャグの使い方が単なるキャラ付けではなく、ラピスの価値観そのものを示す記号として機能しているということだ。無実の生き物を守るためなら王国ごと潰せる一方で、プディングへの欲求だけは絶対に譲らない。この歪んだヒロイン像を、「謎の作品」と呼ぶほかない。
「強くて正しいが頭が悪い」——ファンタジーの王女記号を一点突破で解体する笑い
でたとこプリンセスが単なるファンタジーパロディではないと思うのは、笑いの標的が明確だからだ。王女ラピスは「美しく、強く、正義感が強い」という従来ヒロインの美徳をすべて揃えている。揃えた上で、「頭が足りない」という一点だけ欠落させることで、ファンタジーの文法そのものが崩れていく。
ファンタジー作品における姫キャラクターは、たいてい正義感と知性と美貌を同時に持つ。三拍子揃っているから「理想の王女」として機能する。本作はそのうち知性だけを抜いて、残った二つを最大限に稼働させる。結果として何が起きるかというと、「正しい動機で、とんでもない手段を選ぶ」キャラクターが誕生する。無実の生き物を守ること自体は正しい。しかし守るために王国を破壊するかどうかの判断が、普通の人間とは根本的にズレている。
この構造は、実はファンタジー作品に対する批評として機能している。普通のファンタジー姫が「正しいことをする」のは、正しいことが自明だから、ではない。正しいことが何かを正確に判断できる知性があるからだ。でたとこプリンセスはその前提を剥がすことで、「王女が行動する」という物語の動力源自体を笑いに変える。
関智一演じるコハクのキャラクターは、このラピスの無軌道な正義に振り回される役回りで、コメディのアンカーとして機能している。関が長いキャリアで積み上げてきた「ツッコミの間」は、ラピスの行動にちょうどいい軽さを与えていて、シリアスになりすぎる寸前で笑いに戻してくる。一方、大塚明夫の国王は、重厚な声で「まともな側」を演じることで、ラピスの逸脱がより際立つ設計になっている。大塚の声の圧力は、権威の記号としてそのまま使われている。
あらすじにある「プディングへの執着」を見落とすと、この作品の核心を見損なう。プディングはラピスにとって唯一の「個人的な欲望」だ。無実の生き物を守るというのは、彼女の正義感・王族の責任感に基づく行動だ。しかしプディングへの執着だけは、純粋に個人の快楽として機能している。強大な力と歪んだ判断力を持つ王女が、最後にはプディングを求めているという構図は、どこか本質的な人間像を突いていて、笑いの後に妙な余韻が残る。
特に刺さったシーン
序盤、ラピスが「無実の生き物を守る」という動機だけで状況を突破していく流れで、久川綾演じるトパーズが巻き込まれていくくだりが好きだ。久川の声は透明感があって、混乱しているキャラクターを演じながらも聴いていて心地よい。トパーズのリアクションが適度に現実寄りだから、ラピスの行動がより非現実的に見える対比が機能している。
かないみかのナンドラは、声のトーンだけで「この世界のキャラクターとして違う場所に立っている」感覚があった。90年代のかないみかの独特な声質——どこかくぐもった、不思議な存在感——が、コメディの中でちょうどいい異物感を作っていて、見ながら「この配役、考えてるな」と思った。
高木渉の手下Aは、当時の高木渉の仕事を知っていれば「また小物役だ」と思いながら見るわけだが、それが笑いとして成立するレベルにはある。終盤の展開で、ラピスの無軌道な判断が集約されてくるシーンは、初見では「そこまでやるのか」という驚きがあり、2回目では「この伏線だったのか」という読み方に変わった。作りとしては粗いが、狙いは見えている。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 90年代OVAのテクスチャが好きで、完成度よりも「当時の空気」を楽しめる人
- ファンタジー作品のお約束を把握していて、それを笑い飛かす構造に反応できる人
- 関智一・大塚明夫・久川綾などの出演作を広く追っているキャリア派
- 「頭の悪い善人」キャラクターを不快に思わず、むしろ愛せる人
- 30分以内に完結するOVAをBGM感覚で流せる人
合わない人
- ストーリーの整合性・世界観の密度を重視する人
- ヒロインに知性か共感を求める人(ラピスはどちらも提供しない)
- 90年代アニメの作画・テンポに慣れていない人
- コメディにも「ちゃんとした構成」を要求する人
- 配信で気軽に見たい人(現状DVD購入のみ)
次に見るなら
スレイヤーズは、90年代ファンタジーパロディの王道として押さえておくべき作品だ。でたとこプリンセスよりも構成がしっかりしていて、主人公リナ=インバースの「強いが自分勝手」というキャラクター造形と共通する空気がある。ラピスの笑いが気に入ったなら、方向性は近い。
魔法使いTai!は同時期のOVAコメディとして参照価値がある。ファンタジーやオカルトの記号を使いながら、主人公たちの人間関係の歪みを笑いに変える構造が似ていて、作画クオリティも含めて90年代OVAのレベル感を比べるのに適している。
天地無用!シリーズは、「強力だが常識外れの女性キャラクターが主人公を振り回す」という構造の元祖格として機能している。でたとこプリンセスのラピスのルーツを辿るなら、この系譜は外せない。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現時点では「でたとこプリンセス」の配信サービスでの提供は確認されていません。視聴を希望する場合は、DVDなど物理メディアを利用するのが現実的な選択肢です。1990年代ファンタジーコメディOVAの味わいが気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
