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ATRI -My Dear Moments-
| 放送年 | 2024年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 13話 |
| 原作 | ビジュアルノベル |
| 制作 | TROYCA |
近い未来、突然の海面上昇により人類の文明の大部分が海に沈む。幼い頃に事故で母親と片足を失ったイカルガナツキは、都会での厳しい生活に失望して故郷に戻ると、かつての家が海に半分沈んでいた。家族を失った彼に残されたのは、遺された船とサブマリンだけであった。
作品概要・あらすじ
あらすじ
近い未来、急激な海面上昇によって人類の文明の多くが海の底へと沈んだ世界。幼い頃の事故で母と片足を失ったイカルガ・ナツキは、都会での暮らしに挫折して故郷の町へと帰り着く。しかし待っていたのは、半ば海に沈んだ生家だった。失意の彼が祖母の遺した家の地下で出会ったのは、長い眠りについていた一体の少女型ロボット「アトリ」。「私は高性能ですから!」と胸を張る彼女との奇妙な共同生活を通して、ナツキは沈みゆく町でもう一度、前を向いて歩き出そうとする。失われゆく日常と、人とロボットの心の交流を描く物語が幕を開ける。みどころ・魅力
① 海に沈みゆく世界で紡がれる、静かで温かな日常
水没した町という幻想的でどこか切ない舞台が物語全体を包み込みます。失われていくものへの寂しさと、それでも続いていく暮らしの温もりが同居する独特の空気感は、本作ならではの魅力。美しい背景美術と相まって、観る者の心にじんわりと染み込んでいきます。② 「高性能ロボット」アトリの愛らしさと健気さ
明るく前向きで、少しおっちょこちょいなアトリの存在が物語に彩りを添えます。「私は高性能ですから!」が口癖の彼女が、ナツキのために懸命に振る舞う姿は微笑ましくも健気。ロボットでありながら人間以上に豊かな感情を見せる彼女から、目が離せなくなります。③ 心を閉ざした少年が再び歩き出す成長の物語
過去の喪失を抱えて生きるナツキが、アトリや町の人々との関わりの中で少しずつ変わっていく過程が丁寧に描かれます。人とロボットの絆を軸にしながら、生きること・前を向くことの意味を問いかける展開は、終盤に向けて大きな感動へとつながっていきます。キャスト・声優一覧












スタッフ
| 監督 | 加藤誠 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 花田十輝 |
| 原作 | 紺野アスタ |
| 原案キャラデザ | ゆさの、基4% |
| キャラクターデザイン | 佐藤道雄 |
| 音楽 | 文紀松本 |
| 美術監督 | 内藤健 |
| 音響監督 | 明田川仁 |
| OP | 乃木坂46「あの光」 |
| ED | ナナブンノニジュウニ「YESとNOの間に」 |
| ED | 赤尾ひかる「Dear Moments」 |
| ED | 柳真美「光放て!」 |
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
ロボットの女の子と田舎の海辺でひと夏を過ごす、と聞いた時点で、もう結末まで透けて見える気がしていた。海に沈みかけた実家、片足と母親を失った主人公、遺された船。お膳立てが揃いすぎていて、泣かせにくるのが見え見えだと思って見始めた。実際、見え見えだった。そこは裏切らない。ただ2回目に見たとき、自分が喉を詰まらせた場所が1回目とずれていることに気づいて、ちょっと黙った。最初は終盤の展開でやられて、2回目はなんでもない朝のシーンで止まった。仕掛けに泣かされたというより、結末を全部知っているのにもう一度あの夏に会いに行っている自分がいて、そっちのほうが面倒くさい感情だった。原作が泣きゲーだというのは後から知った。納得した。
ロボットに心はあるか、ではなく——いつか失うと知っていて手を伸ばせるか、の話
この作品は「ロボットに心はあるのか」という問いを正面に置いているように見える。アトリは自分のことを人間と同じだと言い張り、感情らしきものを見せ、ときどき人間以上に人間くさい。でも、それを「本物の心か、模倣か」と詰めていくのは、たぶんこの話の本筋じゃない。少なくとも何度か見返したあとの自分の結論はそうだ。
主人公のナツキは、物語が始まる前にもう大事なものをだいたい失っている。母親、片足、都会での未来、故郷の景色。だから彼にとっての問題は「アトリが本物かどうか」ではなくて、「もう一度、いつか失うとわかっているものに本気で関われるか」だ。一度なくす痛みを知っている人間が、期限つきの相手にもう一度手を伸ばすのは、普通に怖い。賢い選択は、距離を取ることだ。この作品が単なるロボット少女との夏物語じゃないのは、その怖さをちゃんと描いているからだと思う。アトリ側にも「自分はいつまで一緒にいられるのか」という時限が仕込まれていて、二人とも、終わりを知りながら毎日を積み上げていく。
泣きゲー的な構造というのは、最後に大きな喪失をぶつけて泣かせる仕掛けのことだと思われがちだけど、本当に効いているのは終盤じゃなくて、なんでもない日常のほうだ。一緒に船を直す、飯を食う、海を見る。その一コマ一コマに「これがいつか手に入らなくなる」というタグが裏で貼られていて、見ている側はそれを知っている。だから普通の朝の場面で喉が詰まる。失うとわかっていて手を伸ばす、というのはきれいごとに聞こえるけど、この作品はそれを「それでも一緒にいたほうがマシだった」と言い切るところまで持っていく。そこが、ただ悲しいだけの話と違うところだ。
特に刺さったシーン
序盤、ナツキがアトリに対してわざと突き放すような言い方をする場面がいくつかある。小野賢章のナツキは、ここの「本当は怖いだけなのに強がっている」感じの出し方がうまい。怒鳴るでも泣くでもなく、声をほんの少し低く固くして、感情にフタをする芝居をする。一度なくした人間の声って、こういう乾き方をするよなと思って見ていた。それが終盤に近づくにつれてフタが効かなくなって、同じ俳優の同じキャラなのに声の湿り気が変わっていく。あの変化を追いかけるためだけにもう一周する価値がある。
個人的にいちばん効いたのは、別れが避けられないと二人がわかってしまったあとの、わざと普段どおりにふるまう一連の場面だ。ここで思わず画面を一時停止した。大げさな涙より、いつもの軽口を続けようとして声がうまく出ない、ああいう芝居のほうが効く。脇では日笠陽子の演じるキャサリンが場の温度を一段下げてくれていて、湿っぽくなりすぎる手前で踏みとどまっているのもよかった。
読んで見たくなったら——『ATRI -My Dear Moments-』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 泣きゲー的な「期限つきの関係」の話に弱い人。終わりを知りながら積む日常がしんどいほど効く
- 派手な事件より、飯と海と修理みたいな地味な時間に感情を乗せられる作品が好きな人
- 声優の芝居の変化を回を追って観察するのが楽しいタイプ
- ロボットや人工知能と「心」をめぐる話に毎回ほだされてしまう人
合わない人
- 結末が読める展開を「ベタ」と感じて冷めてしまう人
- 泣かせにくる構造そのものが鼻につくタイプ
- テンポよく事件が動くSFを期待している人。ここは静かでゆっくりだ
- 感情移入する前に設定の粗を先に拾ってしまう見方をする人
次に見るなら
「期限のある相手をどう愛するか」がそのままテーマになっているという意味では、プラスティック・メモリーズがいちばん近い。寿命のあるアンドロイドと過ごす時間の話で、ATRIで喉が詰まった人はだいたいこっちでも詰まる。
感情を持たない側が少しずつ人の気持ちを学んでいく構図が好きならヴァイオレット・エヴァーガーデン。喪失を抱えた人間が、相手を通じて自分の痛みと向き合っていく流れが重なる。作画の湿度も近い。
泣きゲー原作のあの空気そのものが欲しいなら、いっそ源流のCLANNADへ。日常の積み重ねが終盤に効いてくる構造の、ひとつの完成形だと思う。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
「ATRI -My Dear Moments-」は、dアニメストアとU-NEXTで配信中です。どちらのサービスも見放題対象として視聴できるため、お好みの環境でじっくり楽しめます。アニメ作品のラインナップが充実したこの2つのサービスなら、本作をはじめ関連作品もまとめて視聴しやすいでしょう。
