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恋する暴君
| 放送年 | 2010年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 2話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | PrimeTime |
ノンケの先輩に恋するのは大変だが、ノンケで同性愛嫌悪的で暴君的な先輩に恋することは地獄だ。森永哲弘はそれをよく知っている。特に、禁断の果実を味わってしまった今となっては!
作品概要・あらすじ
あらすじ
大学の先輩・井上純一は、同性愛を激しく嫌悪する頑固な暴君。そんな先輩にひそかに恋してきた後輩・森永哲弘だったが、ある夜の出来事をきっかけにふたりの関係は予想外の方向へと動き出す。「好きになってはいけない相手」への想いを抱えながら、不器用な感情がぶつかり合うBLラブコメ。みどころ・魅力
① 同性愛嫌悪の暴君×献身的な後輩が生み出すカオスなラブコメ
怒鳴り散らし威圧的な先輩・純一と、それでも健気に想い続ける森永のやり取りは笑いと切なさが混在。王道とは一線を画す”嫌いなのに離れられない”二人の距離感がこの作品最大の引力となっています。② 憎まれ口の裏に宿る感情の揺れ
表面上は罵倒と拒絶を繰り返す純一ですが、言葉と行動のズレが随所に描かれ、徐々に内面の変化がにじみ出てきます。ツンデレを超えた”暴君の不器用さ”に、思わず感情移入してしまう丁寧な心理描写が光ります。③ 原作ファン待望のアニメ化で再現されたコミカルな名場面
中村春菊原作の人気BLマンガをOVA化。テンポよく編集された映像と声優陣の熱演が、原作の笑いとドラマを忠実に再現。短尺ながら作品の魅力をギュッと凝縮した構成で、原作未読でも楽しめる仕上がりです。キャスト・声優一覧












スタッフ
| 監督 | 川久保圭史 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 日色如夏 |
| キャラクターデザイン | 広田知子 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
Disney+でBLのOVAを見つけたとき、正直少し意外だった。ディズニーのロゴが画面の端にある状態で、この内容が流れてくるのか、という妙な感慨がある。それがきっかけで手を伸ばした。
最初に見たとき、「コメディ寄りだろう」と思って軽い気持ちで再生したら、想定よりずっと感情の振れ幅が大きかった。緑川光が演じる巽宗一の声が、序盤の高圧的なシーンと、感情が崩れはじめる場面とでまるで別人のように変わる。それに気づいたのは2回目のときで、1回目は笑っていて聞き逃していた。
OVAという形式上、原作漫画のファン向けに作られているのは明白で、背景説明はあっさりしている。「ノンケで同性愛嫌悪の先輩に恋してしまった」という状況の理不尽さと滑稽さを、視聴者がある程度のコンテキストを持ちながら楽しむ構造になっている。初見でも話は追えるが、ここで笑えるかどうかは原作を読んでいるかどうかで少し変わる。
「嫌いだ」と言いながら離せない、自己矛盾を生きるということ
この作品の核心は、BLとしての恋愛描写よりも、「自分の感情と信念が矛盾したとき、人はどう折り合いをつけるか」というテーマにある。巽宗一というキャラクターは、同性愛を嫌悪するという信念を持ちながら、その信念を壊すような感情に引きずられている。これは単純な「ツンデレ」の話ではない。
自分が「正しくない」と思っているものに惹かれてしまうとき、人はまず怒る。否定する。相手に向けて怒鳴る。その「怒り」が実は感情の逃げ場であるという構造を、このOVAはコメディのテンションで描いている。笑えるけれど、少し痛い。
鳥海浩輔が演じる森永の側の感情もシンプルではない。好きな人間に怒鳴られ続けながら、それでも傍にいることを選んでいる。「なぜそんな相手を好きになるのか」という問いに、作品は明確な答えを出さない。ただ「そういうものだ」と、わりと突き放した態度で提示する。そこが妙にリアルだった。
緑川光の声は、このキャラクターの「崩れる瞬間」を表現するのにひどく適している。高圧的な場面では張り詰めていて、感情の制御が外れる場面では微妙に力が抜ける。その落差が、巽という人物の「強がりの外皮」を可視化している。声だけでキャラクターの内側が見える、という経験をこのOVAでした。
杉田智和や平川大輔、宮田幸季が担う周辺キャラクターたちは、コメディのトーンを引き受けながら主人公二人の感情の温度を際立たせる役割を果たしている。2010年という時代に、この声優陣が揃っているのは今見ると少し豪華な布陣だと思う。
特に刺さったシーン
序盤から中盤にかけて、巽が森永に対して怒号を浴びせるシーンが続く中、ある瞬間だけ声のトーンが変わる。緑川光の芝居がそこで一段落ちるのだが、その「落ち方」が計算なのか直感なのか分からないくらい自然で、思わず巻き戻した。高圧的な人間の「感情の割れ目」を、怒鳴り声ではなく一瞬の沈黙と声質の変化で表現する。それがここで機能していた。
終盤の展開で、二人の関係が「なかったことにできない地点」を越えたあとの処理も印象に残っている。BLのOVAにありがちな「すべてが解決してハッピーエンド」ではなく、宙ぶらりんな感触が残る終わり方になっている。コメディの皮をかぶりながら、感情の着地を意図的にぼかしている。原作を知っている人間には「続きがある」という安心感があるが、それを知らずに見ると少し不思議な後味だ。
読んで見たくなったら——『恋する暴君』はDisney+で視聴できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- BL漫画のOVA化作品を原作込みで楽しんできた経験がある人
- 「ツンデレ」という類型が好きだが、その内側にある自己矛盾にも興味がある人
- 緑川光・鳥海浩輔の演技を声として追いたい人
- コメディのテンションで感情の痛い部分を包む、という構造が好きな人
- 2000年代後半〜2010年代のBL作品を振り返りたい人
合わない人
- 原作未読で、OVAだけで完結した物語を求めている人(明確な着地はない)
- 同性愛嫌悪の描写そのものが読んでいて不快になる人(この作品の前提なので回避不能)
- BLジャンル全般に関心がない人(ジャンル外からの入口はほぼない)
- 全体を通してコメディのトーンを期待している人(感情的に重い場面が混在する)
次に見るなら
世界一初恋が近い。編集長×担当という権力差と感情の暴走という構造が似ていて、コメディとシリアスの混在度も近い。TVシリーズなので恋する暴君よりずっと尺があり、「キャラクターと時間をかけて付き合う」感覚で見られる。緑川光ファンにも刺さる。
純情ロマンチカは同じく2000年代後半のBL OVA→TVシリーズという流れで、恋する暴君と同時代のBL表現がどんなものだったかを知るのに適している。主人公の感情の理不尽な引力という点で共通項がある。
囀る鳥は羽ばたかないは2019年のOVAで、こちらはずっとシリアス寄りだが「感情の自己矛盾を抱えたキャラクター」という軸では通じるものがある。恋する暴君のコメディ成分を抜いて、暗部を掘り下げた方向性。同じBL OVAとして比較しながら見ると面白い。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『恋する暴君』はDisney+で配信中です。笑いと恋愛感情が入り交じるテンポのよいBLラブコメとして、BL作品に初めて触れる方にも比較的入りやすい一作です。Disney+のアニメラインナップからぜひチェックしてみてください。