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チェンソーマン レゼ篇
| 放送年 | 2025年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | MAPPA |
デンジは悪魔の心を持つ「チェーンソーマン」となり、特異4課の悪魔ハンターとして活動している。憧れのマキマとのデートの後、雨宿りをしたデンジはカフェで働く少女レゼと出会う。
作品概要・あらすじ
キャスト・声優一覧























スタッフ
| 監督 | 吉原達矢 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 杉山和隆 |
| 音楽 | 牛尾憲輔 |
| 美術監督 | 竹田悠介 |
| 音響監督 | 名倉靖 |
| OP | 米津玄師「IRIS OUT」 |
| ED | 米津玄師「JANE DOE」 |
関連作品
アニメ
書籍
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・考察
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
チェンソーマンのアニメ1期が終わった時点で、レゼ篇は「いつかやるだろう」と思いながら待っていた。まさか劇場版になるとは予想していなかったし、配信もないと知ったときは正直しばらく放置していた。映画館で見るしかないのか、と腰が重かった。
で、実際に見たら——序盤のカフェのシーンで完全に持っていかれた。デンジとレゼの出会いの空気感が、1期のノリと微妙に違う。アクションとホラーで引っ張ってきたチェンソーマンが、ここでいきなりラブコメの顔をしてくる。しかも恥ずかしいくらい真剣なラブコメ。2回目を見たとき、その「真剣さ」が最初から全部フリになっているのがわかって、ちょっと頭を抱えた。
「人間として愛されたい」という欲望が、最も残酷な形で裏切られる話
レゼ篇を一言で言うなら、デンジの「普通になりたい」という願望が最もストレートに描かれた章だと思う。マキマへの憧れは支配と恐怖が混じった複雑な感情だけど、レゼに対するデンジの気持ちはもっとシンプルで、だからこそ痛い。好きな子と映画を見て、手をつないで、チェーンソーマンじゃなくただの男の子として扱われること——それだけを求めている。
レゼというキャラクターの設計が本当によくできていて、彼女もまた「兵器として作られた存在」という点でデンジと鏡合わせになっている。デンジはポチタと契約して悪魔の心臓を持つ体になった。レゼは別の形で、人間ではない何かとして育てられた。ふたりとも、誰かに「道具」として使われることが前提の存在だ。そのふたりが束の間、互いを道具でも悪魔でもなく「人」として見る時間がある——それがこの映画の核心で、だからこそ終盤の展開が刺さる。
上田麗奈のレゼの声が、この構造をすごく丁寧に体現していた。感情を出しすぎない、でも確実に何かが滲んでいる、あの絶妙なトーン。「兵器として完璧に振る舞いながら、内側では何かが揺れている」という難しいバランスを、台詞の少ないシーンでも保っていた。花江夏樹のビームはいつも通りうるさくて(褒めている)、その賑やかさがデンジの日常の軽さを担保している。津田健次郎の岸辺は出番があるだけで画面の空気が変わる。あの低体温の的確さは何度見ても怖い。
結局この映画は、「人間として愛されたい」という欲望が叶いそうになる瞬間をきちんと見せた上で、それを壊す。しかもその壊れ方が、悪意によるものじゃない。構造的にそうなるしかなかった、という形で。後味が悪いのに、見終わった後に何か残るのはそのせいだと思う。
特に刺さったシーン
終盤、デンジとレゼが逃げ場のなくなる直前のシーン。それまでの駆け引きや戦闘が全部ノイズになって、ふたりの間に「このままじゃ終われない」という空気だけが残る瞬間がある。セリフじゃなくて間と作画で語らせるあの数秒が、この映画で一番好きだった。
あと内田真礼の天使の悪魔——出番はそこまで多くないけど、あのキャラクターの「感情の機微がズレている感じ」を声だけで成立させているのが毎回すごいと思う。セリフのトーンが一定なのに情報量が多い。出演作235本のキャリアで積み上げてきた引き出しの使い方、という感じがする。
井澤詩織のポチタも、短い出番で存在感を出していた。ポチタがいるシーンとそうでないシーンで、デンジの「守られている感」がはっきり変わる。あの小さくて丸い声が、デンジの根っこにある温かさを担保している。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- チェンソーマン1期を見ていて、レゼ篇の行方が気になっていた人
- バトル漫画の中に差し込まれるラブコメパートに弱い人
- 「報われない感情」の描写に耐性がある、というか積極的に好きな人
- 上田麗奈の芝居をちゃんと聞きたい人
合わない人・注意点
- 1期未視聴だと人間関係の前提が薄い(見てから来てほしい)
- スッキリ終わるカタルシスを求めると肩透かしを食らう
- 現時点で配信は全プラットフォーム未対応。映画館か円盤を待つしかない
- グロ・バイオレンス描写は相変わらずある。チェンソーマンを初めて見る人には薦めにくい
次に見るなら
鋼の錬金術師 BROTHERHOOD
「人間ではない体を持ちながら、人として扱われることを望む」というテーマが重なる。こちらは長編で完結まで描き切っているので、チェンソーマンの「続きが気になるのに終わらない」フラストレーションを一時的に解消したいときに向いている。
さよなら絶望先生(原作コミック含む)
全然ジャンルが違うように見えるけど、「笑えるようにデザインされた絶望」という構造が似ている。藤本タツキのギャグと絶望の配合比率に慣れた人ならすんなりハマるはず。
東京喰種 トーキョーグール
人間と非人間の狭間に立たされたキャラクターが、それでも誰かとつながろうとする話。チェンソーマンほどテンションは高くないが、デンジとレゼの関係性に引っかかりを覚えた人には刺さる可能性が高い。



