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アミテージ・ザ・サード POLY-MATRIX
| 放送年 | 1996年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | Pioneer LDC |
2046年、人類はロボットの使用をやめ、信頼を失い始めていた。この時代、最新型ロボット「セコンド」の生活は危険になる。刑事ロス・シリウスはロボットに殺された相棒の死後、火星への転勤を希望する。火星でシリウスは新たな事件と謎に直面することになる。
作品概要・あらすじ
あらすじ
2046年、地球ではロボットへの信頼が失墜し、最新型の人型ロボット「セコンド」たちの存在は脅かされていた。ロボットに相棒を殺された火星警察の刑事ロス・シリウスは、自ら火星への赴任を志願する。現地でパートナーを組むことになった女刑事ナオミ・アミテージと共に捜査を進めるなか、「サード」と呼ばれる謎の存在を巡る事件が浮かび上がる。人間とロボットの境界をめぐる核心的な真相に、二人は否応なく巻き込まれていく。みどころ・魅力
① 人間とロボットの境界を問うSFドラマ
本作の核心は、「ロボットはどこまで人間になれるか」という哲学的命題です。火星社会を舞台に、偏見・差別・アイデンティティといったテーマが緊張感あるストーリーの中に自然に溶け込んでおり、単なるアクション作品を超えた重厚な読後感を与えます。② OVA版を再編集した劇場クオリティの映像美
TV放映用OVA全6話を再編集した劇場版として、テンポよくまとまったシナリオが特徴です。1990年代サイバーパンク美学を体現したアートスタイルと、ダークな火星都市の描写が独特の世界観を作り上げており、当時の日本アニメ技術の粋を感じさせます。③ ロスとナオミが紡ぐバディドラマ
ロボット嫌いの硬骨刑事ロス・シリウスと、謎多き女刑事ナオミ・アミテージの凸凹コンビが物語の核心です。反発から信頼へと変化していくふたりの関係性は、アクションや謎解きと並んで本作の大きな魅力のひとつです。キャスト・声優一覧






















スタッフ
| 監督 | 佐藤卓哉 |
|---|---|
| 音楽 | 難波弘之 |
| 音響監督 | 三間雅文 |
| ED | 難波弘之「Multi-Matrix」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「アミテージ・ザ・サード」という名前は、90年代のアニメ雑誌の断片的な記憶の中にある。表紙ではなく、コラムの隅か何かで目に入った程度で、ずっと「知っているが見ていない」枠に入ったままだった。
いざ見ようとすると、どの配信にも存在しない。DMM TVもU-NEXTもAmazonプライムも、全滅だった。こういう作品がある。中古のビデオを引っ張り出すか、誰かに借りるしかない。
最初の数分で「あ、これは当時のサイバーパンクだ」とすぐわかった。火星、ロボット差別、タフな女性キャラクター——90年代SF特有の圧縮感がある。30分も経てば、これが「懐かしもの」では全然ないことに気づく。
「産む機能を持つ」ことが脅威になる——差別の論理と実存の問題
この作品のテーマを「ロボットと人間の共存」と言うのは正確だが浅い。もう少し踏み込むと、「産む機能を持つ存在が、その理由ゆえに標的にされる」という話だ。
サード(第三世代型ロボット)は人間と区別がつかないほど高度に設計されているだけでなく、子を産む機能を持っている。火星の人口問題を解決するために設計されたはずが、その「産める」という事実が逆に脅威として扱われる。中尾隆聖が演じるダンクロード上院議員が主導する「ロボット排除」運動の真の動機は、単純な反ロボット感情ではなく、「人間に代わって子孫を残せる存在」への根深い恐怖だ。中尾さんの声には独特の説得力があって、理屈の通った悪役をただ凶悪にせず、「この人物には論理がある」と思わせる重みがある。それが余計に怖い。
アミテージが「サード」であることは、物語の途中まで確信が持てないまま進む。刑事として優秀で、感情を持ち、ロス・シリウスと関係を深めていく彼女が「何者か」という問いは、答えが出た後も尾を引く。なぜなら「サードである」という事実が、彼女の行動も感情もひとつも変えないからだ。これが作品の核心で、「人間性とは何か」を定義する試みを全部ひっくり返す構造になっている。
1996年の作品だが、「存在することを否定される側の話」として読むと全く古びていない。むしろ、このテーマを90年代にここまで真っ直ぐやっていたことに驚く。SF的な設定の奥に、かなり刃のある問いが埋まっている。
特に刺さったシーン
アミテージとシリウスの関係が「保護する/される」から「対等なパートナー」へ変化していく、終盤のある場面。緒方恵美の声がここでちょっと異常にいい。
緒方さんの演技は、強さと脆弱性を同時に出すのが極めてうまい。アミテージは「戦える女性」として描かれているが、緒方さんの声はそこに「自分が何者かを問い続けている不安定さ」を乗せてくる。台詞の外側に感情がある、という感覚。2回目に見ると、序盤からその音がずっと仕込まれていたことに気づく。
脇を固める神奈延年の存在感も地味に効いていて、こういう「画面に映る時間は短いのに空気を変える」演技がこの時代のOVAには多い。アクションシーンは終盤に予算を集中させた感があり、火星の砂漠感とメカニカルな都市の対比は、きちんとしたスクリーンサイズで見るべき画だと思う。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 90年代サイバーパンクSFの空気感——攻殻機動隊、バブルガムクライシス、銃夢あたりが好きな人
- 「強い女性主人公」が本当に強い作品を求めている人(口先だけじゃない)
- アンドロイドの実存問題を真剣にやっている作品が好きな人
- 緒方恵美の演技を集中して聴きたい人
- 80〜90分に収まるコンパクトなSF映画が好きな人
合わない人
- 作画・演出のクオリティを現代基準で見る人(1996年のOVA総集編という文脈が必要)
- 世界観の説明を丁寧にされたい人(設定は投げられる側)
- ロマンス要素が前面に出てくることを嫌う人
- 配信で手軽に見たい人(現状、見る手段がほぼ存在しない)
次に見るなら
同じ90年代サイバーパンクの文脈ならGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)は外せない。「自分が何者か」を問う構造はアミテージと地続きで、密度と静けさが対照的だが同時期の問いを扱っている。こちらは現在も配信で見られる。
アンドロイドの実存問題として見るなら銃夢(OVA版・1993)が近い。廃棄された身体を持ちながら「何者か」を問い続けるガリィの話は、テーマのベクトルがかなり重なる。30分×2話なので入りやすい。
女性主人公のアクションSFとしてバブルガムクライシス TOKYO 2040(1998〜)は雰囲気が近く、アミテージより「見やすい」方向に整理されている。連続して見ると90年代の女性キャラクター造形の変遷が面白い比較になる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現時点では『アミテージ・ザ・サード POLY-MATRIX』の国内主要サブスクサービスでの配信は確認されていません。視聴にはソフト購入・レンタルなどの方法をご検討ください。1990年代のサイバーパンクSFアニメを代表する一作ですので、ぜひ入手して堪能する価値があります。