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ブラック・ジャック ふたり黒い医者
| 放送年 | 2005年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
ダイダロス・グループという巨大企業がイカロスの亡霊というテロ組織に襲撃されている。爆弾テロの被害者を治療するブラック・ジャックは、死の化身と呼ばれる医師キリコと出会う。キリコは患者から莫大な金を要求する点でブラック・ジャックと同じだが、治療ではなく苦痛のない死をもたらす。テロ組織は両医師に助言を求める。
作品概要・あらすじ
あらすじ
巨大複合企業「ダイダロス・グループ」がテロ組織「イカロスの亡霊」に狙われ、爆弾テロが頻発する。事件に巻き込まれた負傷者を次々と治療するブラック・ジャックは、やがて「死の化身」と称される謎の医師・キリコと対峙する。キリコは莫大な報酬を要求する点ではブラック・ジャックと同じだが、その行為は治療ではなく「苦痛なき死」を与えること。互いに異なる哲学を持つ二人の医師は、テロ組織からそれぞれ接触を受け、複雑な陰謀へと引き込まれていく。みどころ・魅力
① 相反する「医の哲学」を持つ二人の対決
命を救うことに全力を注ぐブラック・ジャックと、安らかな死を与えるキリコ。同じく非公認医師でありながら、医療の目的そのものが異なる二人の対比が本作の核心。どちらが正しいとは言い切れない問いが、鑑賞後まで残る。② テロと企業の陰謀が絡む重厚なサスペンス
ダイダロス・グループとイカロスの亡霊の対立は、単なる爆弾テロにとどまらず、巨大な利権と人体実験を巡る闇へと発展する。医療ドラマとしての側面だけでなく、スリリングな謀略サスペンスとしても楽しめる構成になっている。③ 劇場版ならではのスケールと作画クオリティ
2005年公開の劇場版として、TVシリーズとは一線を画す映像クオリティが実現されている。緊迫した手術シーンや爆発・アクション描写も迫力があり、手塚治虫原作の世界観を映画スケールで体験できる一作。キャスト・声優一覧














スタッフ
| 監督 | 手塚眞 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 杉野昭夫 |
| 音楽 | 冨田勲 |
| ED | トゥールビヨン「もう一度君に」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
タイトルを見た瞬間、「ふたり黒い医者」という字面がずっと頭に残った。偽物が出てくるのか、それとも本当にもう一人「ブラック・ジャック的なもの」が存在するのか。2005年の劇場版というのも引っかかって、「当時の東映アニメーションが何をやろうとしていたのか」を確認したい気持ちで見始めた。
ところが蓋を開けると、キリコという存在がただの「対立キャラ」では全然なくて、むしろブラック・ジャックより先に答えを持っている男として出てくる。最初は「結局BJ最強でキリコを論破するんでしょ」くらいに思っていたのに、見終わったあとにしばらく気持ちが落ち着かなかった。これは原作の「キリコ」単体エピソードが好きな人間には特に効く構造だと思う。
「治す」か「逝かせる」か——医師が持てる選択肢の、もう一方の端
ブラック・ジャックとキリコを並べると、最初は対称に見える。どちらも法外な金を要求する、どちらも組織の外にいる、どちらも患者に対して独自の倫理で動く。だが本質的に両者は対称ではない。ブラック・ジャックは「生かすこと」を最終目標に設定したうえでその手段に迷うが、キリコは「苦痛のない死」を手段ではなく目的として確立している。その非対称さが、この映画の芯になっている。
医療倫理の文脈で言えばキリコは「安楽死の執行者」だが、この作品がやっかいなのは、彼を単なる死の代理人として描かない点だ。キリコが要求する対価は治療費と同じ水準で、それはある意味「死を届けることへの真剣さ」の表れでもある。テロ組織に絡め取られた構造のなかで、ブラック・ジャックもキリコも「生か死か」という問いに対して違う場所から同じ誠実さで向き合う。
手塚治虫の原作に「キリコ」というキャラクターが存在した時点で、このテーマは必然だった。でも劇場版という尺と音響の環境で改めてその問いを提示されると、ページを読むときとは違う重さがある。スクリーンでブラック・ジャックとキリコが同じ空間に立つと、どちらの論理も「正しい医療」として読めてしまう。その不快な読後感こそがこの映画の達成だと思っている。
特に刺さったシーン
ブラック・ジャックとキリコが初めてまともに言葉を交わすシーン。大塚明夫の声が、あの場面では珍しいくらい抑制されている。ブラック・ジャックはふだん怒るときの温度がはっきり出るキャラクターなのに、キリコを前にしたときだけ明らかに「論破できない相手だとわかっている」という間が生まれる。大塚明夫はその間の使い方が本当に巧くて、台詞の前後に一呼吸置くだけで、ブラック・ジャックの内側にある揺らぎが伝わってくる。
あとはピノコ。水谷優子が演じるピノコは普段コミカルな役割が多いが、この劇場版では要所で感情の核として機能する。ブラック・ジャックが医師として揺れているとき、ピノコが何を感じているかが画面に滲んでいて、それを水谷優子がほんの少しの声色の変化で表現している。「治す人の隣で、治されることの側にいる存在」という構図を、派手な演技なしに伝えられるのはキャリアあってのことだと思う。
読んで見たくなったら——『ブラック・ジャック ふたり黒い医者』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 原作の「キリコ」エピソードが好きで、あの問いをもっと掘り下げてほしかった人
- 医療倫理・安楽死のテーマを、ドラマとして消費できる人
- 大塚明夫のブラック・ジャックが「揺れている」ところを見たい人
- テロや企業犯罪という外枠より、二人の医師の哲学的対立に集中できる人
合わない人
- ブラック・ジャックが圧勝する爽快感を期待している人
- 劇場版としての尺の短さに対して、テーマの重さが見合わないと感じるタイプ
- キリコというキャラクターをそもそも知らない状態で見ると、背景が薄く感じる可能性がある
- テロ組織サイドのプロットが複雑に見える展開が苦手な人
次に見るなら
ブラック・ジャック(OVA版)——同じキャスト・世界観で、キリコが初めて登場するエピソードを含む。劇場版より尺が長い分、各エピソードの倫理的な問いをじっくり消化できる。大塚明夫・水谷優子のコンビをもっと見たい人はまずここから。
どろろ(2019年TVアニメ版)——「医療」ではなく「人体と魂の境界」という角度から似たテーマに触れている。生きることの代償を巡る問いの構造が、キリコの哲学と地続きで読める。作画と音楽がかなり強いので劇場版の余韻を引き継ぐのに向いている。
灰羽連盟——医療とは無関係だが、「生と死の間にいる存在」を静かに描く作品として。キリコが持つ「死の側からの視点」に何か引っかかったなら、この作品の空気感が刺さる可能性がある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ | |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『ブラック・ジャック ふたり黒い医者』は、dアニメストアおよびAmazonプライムビデオで視聴できます。どちらのサービスも月額制で他の作品と合わせて楽しめるため、まだ登録していない方はこの機会に試してみてください。気になる方はお好みのサービスからすぐに視聴を始められます。