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恋は雨上がりのように
| 放送年 | 2018年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | WIT STUDIO |
陸上部のエースだったアキラ・タチバナは怪我により競技を諦めざるを得なかった。離婚した父親マサミ・コンドウは作家志望だが、現在はレストランを経営しており、アキラはそこで働いている。二人の一見無関係な人生が交わることで、互いに自分たちについて考え直し、すべてを再定義することになる。
作品概要・あらすじ
あらすじ
陸上部のエースとして将来を嘱望されていた高校生・橘あきらは、ある日の怪我をきっかけに競技生活を断念せざるを得なくなる。行き場を失ったあきらは、アルバイト先のファミリーレストランで45歳の店長・近藤雅巳に淡い恋心を抱くようになる。一方の近藤は離婚を経て夢だった小説家への道も諦めた男。年齢も立場も全く異なる二人の出会いが、それぞれの「諦めてしまったもの」と向き合うきっかけとなっていく。みどころ・魅力
① 繊細に描かれる「喪失」と「再生」のドラマ
走ることを失ったあきら、夢を手放した近藤。二人ともが何かを諦めた者として描かれており、恋愛模様を軸にしながらも「好きだったものを取り戻せるのか」という問いが全編を貫いている。単なるラブストーリーに収まらない深みが、視聴後の余韻として強く残る。② WIT STUDIOによる美しい作画と演出
雨や光の表現に定評あるWIT STUDIOが手がけた映像は、タイトル通り「雨上がり」の情景を繊細かつ詩的に映し出す。キャラクターの表情や仕草のひとつひとつに感情が宿っており、台詞がなくても心情が伝わってくる丁寧な演出が高く評価されている。③ 等身大のキャラクターが生む共感と切なさ
あきらの一途さと不器用さ、近藤の自嘲的なユーモアと誠実さが、視聴者に自然な共感を生む。年齢差のある恋愛をセンセーショナルに描くのではなく、人間同士のつながりとして丁寧に掘り下げた脚本が、幅広い層から支持を集めている。キャスト・声優一覧




















スタッフ
| 監督 | 渡辺歩 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 三重野瞳 |
| キャラクターデザイン | 柴田由香 |
| 音楽 | 吉俣良 |
| 美術監督 | 吉原俊一郎 |
| 音響監督 | 蝦名恭範 |
| OP | チコ ウィズ ハニーワークス「ノスタルジックレインフォール」 |
| ED | エイマー「Ref:rain」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「年の差恋愛もの」という情報だけ頭に入れて見始めたら、最初の10分で全然違う作品だと気づいた。恋愛の話であることは間違いないんだけど、これは「夢を手放した人間が、もう一度何かに向き合うまでの話」だ。17歳の橘あきらが怪我で陸上を諦めるシーン、あの最初の静けさで、あ、これは丁寧に作られてる、と分かる。
2回目を見たとき気づいたのは、近藤の「あきらめ方」の細かさ。ファミレスのマネージャーとして淡々と働く45歳の男に、かつて作家志望だった気配がちゃんと残っている。セリフではなく、本の置き方とか、雨の日に少し遠い目をするとか、そういうところで。評判がいいのは知ってたけど、ここまで余白で語る作品だとは思っていなかった。
「諦めた夢」を持つ人間が、もう一度走り出すまでの話
この作品を年の差ラブコメとして消費するのは、もったいないどころか的外れだと思う。あきらが近藤に惹かれる理由を表面だけなぞると「年上の優しい男性に憧れる女の子」になってしまうが、作品が描いているのはそうじゃない。
あきらは陸上という「自分の核」を失った後、空白のまま生きている。その状態の人間が、同じように何かを諦めた人間に引き寄せられるのは、共鳴と言うより「鏡」に近い感覚だ。近藤もあきらを見て、自分が手放したものを思い出していく。二人は恋愛関係にあるようで、実際には互いの「止まっている時間」を揺さぶり合っている。
だから終盤の展開が、ロマンスの成就よりも「それぞれが自分の場所に戻る」という方向に向かうのは、裏切りじゃなくて着地だと思う。あきらが再び走ることを選ぶとき、それは近藤から離れることではなく、近藤との出会いがなければ気づけなかった「自分」を取り戻すことだ。
近藤の「書く」という行為が物語の後半でじわじわ復活していく流れも同じ構造を持っている。雨が上がるというタイトルは、天気の話ではなく、人生の一時期の話だ。降り続ける雨の中で足を止めていた二人が、少しずつ空を見上げ始める。そのグラデーションを12話かけて丁寧に積んでいる。
「夢を諦めた」という経験を持つ人間が見ると、近藤の情けなさと誠実さが同時に刺さってくる。完璧な大人として描かれていないのが、この作品の誠実さだと思う。
特に刺さったシーン
近藤が深夜に一人でノートに何かを書いているシーン。セリフもナレーションもなく、ただ手が動いている。平田広明の演技がここで本領を発揮していて、台詞がないのに「この人が何十年かぶりに文字を書いている」という緊張感が伝わってくる。息遣いの繊細さというか、平田広明はこういう「静かに何かが動いている」演技が本当に上手い。
前野智昭が演じる加瀬のシーンも見逃せない。あきらへの感情を持ちながらも一定の距離を保つ役で、声のテンションの抑え方が絶妙だった。「好意を持っている人間が、それを表に出さない」という難しい芝居を、声だけでやりきっている。
竹内順子が演じる丘嶋は、序盤は少し賑やかすぎるキャラに見えるが、中盤以降のあきらとの関係性の変化で印象が変わる。女性キャラが女性キャラを正面から見ている、という関係の描き方が珍しくて、2回目に見たとき丘嶋のことをちゃんと見直した。
読んで見たくなったら——『恋は雨上がりのように』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「諦めた夢がある」という経験を持つ人(年齢問わず)
- 恋愛の結末より、登場人物の内面変化を追いたい人
- 静かな演出・余白の多い脚本が好きな人
- 少女漫画原作だけど少女漫画らしくない、という作品に引っかかりを覚える人
- 平田広明・前野智昭の芝居を「声だけで何かを語る」シーンで聞きたい人
合わない人
- 恋愛の進展や明確な結末を求めている人(この作品、その意味では不完全燃焼に感じる可能性がある)
- テンポの速い展開に慣れていて、静止画に近いシーンを「退屈」と感じる人
- 年の差設定に生理的な抵抗が強い人(作品の本質ではないが、入り口でつまずく)
- 全話通して笑いたい、という気分のとき(コメディ要素は薄め)
次に見るなら
「諦めたものを取り戻す人間の話」という軸でいくと、四月は君の嘘が近い。音楽という形で表現者が再生していく構造は、近藤の「書く」という行為の復活と重なる部分がある。感情の振れ幅はこちらの方が大きいが、余韻の深さは似ている。
静かな日常描写の中に取り返せない時間への惜しさが滲む作品なら、3月のライオンもおすすめ。主人公は高校生の棋士だが、周囲の大人たちの「生き直し」の描き方が雨上がりと似たトーンを持っている。かないみかが演じる久保のような、場の空気を作る脇役の存在感も楽しめる人には刺さると思う。
高校生が自分の感情に正直に向き合っていく、という部分だけ切り取るならorangeも。後悔と選択をテーマにした青春ドラマで、あきらの「止まっていた時間」に共鳴した人には響くものがあるはず。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ | |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ | |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『恋は雨上がりのように』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Netflix・Huluの5サービスで配信中です。主要な動画配信プラットフォームでほぼ網羅されているため、ご利用中のサービスからすぐに視聴を始められます。まずは1話だけでも、雨上がりのような清々しい余韻を体験してみてください。
