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クズの本懐
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Lerche |
花火は年上の友人なるみのことを長年好きだったが、彼女がまだ高校生の時、なるみは彼女の新しい担任教師になり、さらに音楽教師の茜に恋をしている。恋愛三角関係の邪魔な第三者になることは気まずいが、別の生徒・麦がなるみ同様茜に恋をしていることを知ると、花火の状況はさらに複雑になっていく。
作品概要・あらすじ
あらすじ
幼いころから憧れ続けた幼なじみ・なるみへの想いを胸に秘める高校生・花火。しかしなるみは同校の担任教師となり、音楽教師・茜に片想いをしていた。そんな花火の前に、同じく茜に恋するクラスメイト・麦が現れる。互いの「代わり」として付き合い始めるふたりだが、それぞれの感情はやがて予想外の方向へと動き出す。誰かを愛することの痛みと歪さを描いた青春ラブストーリー。みどころ・魅力
① 「好きだけど結ばれない」関係性の描き方が圧倒的にリアル
好きな人の「代わり」として付き合うという歪な関係を、言い訳も美化もせず描き切っている。花火と麦が互いに嘘をつきながら傷つけ合うさまに、恋愛の醜さと切なさが同時に押し寄せてくる。こういう話は綺麗事になりがちだが、この作品はならない。② 悪役に見える茜というキャラクターの複雑な魅力
男性を手玉に取る茜は最初「嫌なキャラ」として映るが、回を重ねるにつれてその行動原理と孤独が見えてくる。一面的な悪役でも被害者でもない、リアルな「ずるい人間」として描かれており、見る側の感情を揺さぶる。③ 原作の雰囲気を崩さない演出と音楽
manaka(ヤなことそっとミュートして)が手掛けるOPをはじめ、劇伴の静けさと映像の距離感が独特の空気を作っている。セリフより心理描写を重視した演出で、モノローグと間の使い方が特に効いている。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 安藤正臣 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 上江洲誠 |
| キャラクターデザイン | 黒澤桂子 |
| 音楽 | 横山克 |
| OP | 96猫「嘘の火花」 |
| ED | さユり「平行線」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「ラブコメ」というジャンル表記を見て手を出したのが正直なところで、最初の5分くらいはそういう話だと思って見ていた。高校生の恋愛、好きな人がいる、でも届かない。よくある構造。ところが1話の後半あたりで、あ、これ全然違うやつだ、と気づく。登場人物が誰一人、まともに幸せになろうとしていない。傷を舐め合うことを、愛と呼んでいる。
正直、一周目は途中で気が重くなった。キャラクターに共感したくないのに、してしまう。「こういう人間いるよな」ではなく「こういうことするよな」という質の共感で、それがじわじわしんどい。2回目に見たとき気づいたのは、カメラワークと構図が意外に計算されていること。モノローグが多い作品だけど、映像側がそれをうまく補完している。特に早苗の独白シーンの画面設計は、最初に見たときより2回目のほうがずっと怖かった。
好きでもない人と抱き合うことが、この子たちにとって唯一の「正直」だった
恋愛アニメとして語られることが多いけど、これは恋愛の話ではないと思っている。正確には、「恋愛を使って自分を保とうとする人間」の話だ。
花火と麦の関係は、一見すると「お互いを慰め合う関係」に見える。でも実態は違って、ふたりはそれぞれ別の人間を好きなまま、その代替として相手を使っている。これを描くとき普通は「かわいそうな子たち」という視点になりがちだけど、この作品はそこに「でも彼女たちはこれを選んでいる」という要素を丁寧に重ねる。被害者でも加害者でもなく、自分の欲望に誠実に動いている人間として描かれているのが、ひとつの特徴だと思う。
特に皆川茜というキャラクターが強烈で、豊崎愛生さんの声がまたこれに合っている。可愛らしく柔らかい声質なのに、中身がひどい。いい意味でひどい。男に好かれることを自分のアイデンティティにしている女性を描くとき、どうしても「悪役」として単純化してしまいがちなんだけど、茜はそうなっていない。自己認識が明晰で、欲しいものがわかっていて、手に入れ方を知っている。共感できないけど、理解はできる。そのラインを保つのが絶妙で、何度か見ているうちにむしろ茜が一番「自由」な人間に見えてくる。
対照的に花火の母役で久川綾さんが出てくる場面は、出番こそ少ないのに画面の温度がそこだけ変わる感じがあって、キャスティングの妙味を感じた。
この作品が描こうとしているのは、愛されたい欲求そのものではなくて、「自分が傷つかないように設計した関係性の中にいるうちに、本当の傷をもらってしまう構造」だと思う。花火も麦も、最初から傷つくつもりはない。でもそういう人間ほど、きっちり傷つく。それをドロドロとして描かず、淡々と、でも確実に積み上げていくのが、原作漫画の誠実さを引き継いでいる。
特に刺さったシーン
麦役の島﨑信長さんの演技が終盤にかけて変わっていくのが好きで、序盤の「抑えている感じ」と、関係性がぐちゃぐちゃになってきたあたりの「それでも声の芯が揺れない感じ」の対比がある。感情を出していないのに感情が伝わる、という難しいことをやっている。
個人的に一番刺さったのは、早苗が自分の気持ちを整理していくあたりのモノローグで、戸松遥さんの声の使い方が印象的だった。かわいらしさと執着の重さを同じトーンで喋るシーンがあって、そこで早苗というキャラクターが一気に複雑になった気がした。1回目に見たときは「怖いな」と思ったけど、2回目は「この子が一番正直かもしれない」と思いながら見ていた。
タクヤ役の小林裕介さんはわりと損な役回りで、誠実に好きでいるだけなのに話の構造上どうしても割を食う。でもその「まともさ」がむしろ浮くように見える演出が、作品全体の歪みをうまく強調していた。
読んで見たくなったら——『クズの本懐』はABEMAで視聴できる(無料プランあり)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「好きじゃないのに一緒にいた時期」が自分の記憶にある人
- 恋愛アニメに「主人公が幸せになるまでの物語」以外を求めている人
- 心理描写が多い作品、モノローグが多い作品が好きな人
- 感情移入より「観察」として人間を見るのが好きな人
合わない人
- 登場人物に共感できないと楽しめない人(全員どこかしら「嫌なやつ」になる瞬間がある)
- 恋愛ものに後味の良さを求めている人
- 性的な描写・心理的に重い展開が苦手な人(原作に忠実な分、そういう場面がある)
- 「キャラクターを好き」になることを楽しみにして見る人には向かないかもしれない
次に見るなら
School Days——「ラブコメの皮を被った別の何か」という構造では近い。ただしこちらはもっと直接的で、見終わったあとの重さの質が違う。クズの本懐の静けさに対して、こちらは轟音。同じ「報われない欲望の話」でも読後感は全然異なる。
花束みたいな恋をした——アニメではなく映画だけど、「関係性が変質していく過程を丁寧に追う」という点でいちばん近い体験になると思う。こちらは悪意がない分、別の意味でしんどい。
四月は君の嘘——テイストは真逆に近いけど、「本当の気持ちを別の形で処理しようとする人間」という核は共鳴している。感情の出し方が派手なので、クズの本懐の後に見ると不思議と口直しになる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ | |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『クズの本懐』はABEMA・dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluの5サービスで配信中です。複数のサブスクで視聴できるため、現在契約中のサービスからすぐに視聴を始められます。無料トライアルを活用すれば費用をかけずに全話観ることも可能です。
