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水グモもんもん
| 放送年 | 2006年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
三鷹のジブリ美術館でのみ上映される短編。水蜘蛛のモンモンは毎日水面に往復して空気の泡を集めている。ある日、水面を自由に滑るイトトンボに出会い、恋に落ちる。沼の孤独な夜、モンモンの心はイトトンボのことでいっぱい。彼の想いが報われる日は来るのだろうか。
作品概要・あらすじ
あらすじ
三鷹の森ジブリ美術館でのみ上映される宮崎駿監督の短編アニメ。水蜘蛛のモンモンは、水面と水底を行き来しながら毎日せっせと空気の泡を集めて暮らしている。ある日、水面をスケートするように軽やかに滑り移動するイトトンボと出会い、その自由で美しい姿に恋に落ちる。言葉も交わせないまま、沼の静かな夜をひとりで過ごしながら、モンモンの心はイトトンボへの想いでいっぱいになっていく。セリフを一切使わず、小さな生き物の純粋な恋心を丁寧に描いた珠玉の短編。みどころ・魅力
① ジブリ美術館だけで観られる”幻の短編”
本作は三鷹の森ジブリ美術館の館内シアターでのみ上映される、ソフト化・配信が一切されていない完全限定作品。美術館を訪れた人だけが体験できる特別な一篇であり、その希少性がこの短編をより印象深いものにしています。② セリフゼロで伝える、切なくて温かい恋心
登場キャラクターはひとことも言葉を発しません。それでもモンモンの恋心が痛いほど伝わってくるのは、動きとテンポと音楽だけで感情を語るジブリアニメーションの技術の高さゆえ。シンプルな物語の中に、豊かな表現が凝縮されています。③ 水の中の小さな世界を活き活きと描く映像美
水面・水底・光の揺らぎといった水辺の情景が繊細に描かれており、水蜘蛛やイトトンボの動きにも生き物としてのリアリティが宿っています。短い上映時間の中に、ジブリの自然描写へのこだわりがぎっしりと詰まった作品です。キャスト・声優一覧


スタッフ
| 監督 | 宮崎駿 |
|---|---|
| 原作 | 宮崎駿 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
ジブリ美術館に行くついでに短編も見よう、ぐらいのテンションだった。「椎名高志の短編じゃなかったっけ」と同行者に言ったら全然違って、宮崎駿の台詞ゼロの虫の恋愛話だった。
スクリーンに入ってから終わるまで、あるのは水の音と光の揺れと、イトトンボを目で追い続けるモンモンの視線だけ。余計な説明が何もない。なのに終わったあとに「ああ、そういう話だったんだ」と遅れてわかる感覚があった。2回目で気づいたのは、モンモンの動きの一つひとつが水グモの生態をきっちり踏まえて設計されているということで、そこからもう一周しても発見がある。
届かなさに理由がある——「構造的に同じ場所に立てない者」の恋の話
この作品を「かわいい虫の恋バナ」だと思って見ると、どこかで少しだけ裏切られる。モンモンとイトトンボは種族が違うだけじゃない。住んでいる「層」が根本的に違う。モンモンは水の下で生きていて、水面に空気の泡を取りに来ることで辛うじて存在できている。イトトンボは水の上を滑るように生きていて、水面より下には来ない。物理的に、生存戦略として、二者の世界は交わらない設計になっている。
そのうえでモンモンが恋に落ちるのだから、この話の「届かなさ」には理由がある。気持ちが伝わらないとか勇気が出ないとか、そういう次元じゃなく、そもそも同じ場所に立てない——という構造的な問いが底にある。宮崎駿がこの短編に込めたのは、恋の普遍性よりも「異なる条件で生きている者が惹かれ合ったとき、何が起きるか」という問いだと思う。
面白いのは、この作品が悲観的じゃないところだ。モンモンは不器用で、最初のアプローチは相手をびっくりさせるだけなのに、やめない。やめないことで、少しずつ距離が変わっていく。台詞がないぶん、その「距離の変化」だけが物語のすべてになっていて、それを映像と音だけで見せ切るのが、この短編の本当の仕事だったんだと思う。「伝えようとすること」と「伝わること」の間にある時間を、16分に圧縮して見せている。
特に刺さったシーン
モンモンが初めてイトトンボに近づこうとして水面から顔を出す場面がある。あそこの「やりすぎていない加減」が好きで、最初は笑ってしまうんだけど、その笑いが少し痛い。がんばっているのはわかる。でも完全に空回りしている。この取り合わせがずっと後を引く。
それよりもっと刺さったのは夜のシーン。沼の底でじっとしているモンモンの静止感。音がほとんど消えて、水の揺れだけになる。「恋って、こういうふうに一人でやっているんだな」という感触がそのまま映像になっていて、何も説明しないのにちゃんと伝わってくる。ジブリ美術館のスクリーンという小さい空間で見るから余計に、あの静けさが体に入ってくる感じがあった。大きいシアターで見るのとたぶん違う体験になると思う。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 台詞なしの映像で感情を追いかけることが苦じゃない人
- ジブリ短編特有の「余白で語る」スタイルが好きな人
- 恋愛ものに「うまくいかなさの質感」を求めている人
- 生き物の生態をそのまま使ったファンタジーに惹かれる人
- ジブリ美術館に行ける距離にいて、短編に時間を割く価値を感じられる人
合わない人
- 台詞・ナレーションがないと話についていきにくい人
- キャラクターの感情を言語化して整理しながら見たい人
- ジブリ美術館でしか見られない(配信・レンタルなし)という条件に抵抗がある人
- 16分の短編に対して起承転結の密度を求めている人
次に見るなら
借りぐらしのアリエッティ——人間と小人という、やはり「同じ世界には住めない者」の距離感を描いた作品。水グモもんもんと同じく、近づくことへの緊張感が丁寧で、言語化されない感情の扱いが上手い。ジブリ長編のなかでは特に静かな部類で、もんもんが好きな人にはたぶん合う。
虫師——台詞も説明もあるが、「人間とは異なる条件で生きている存在との出会い」というテーマが通底している。もんもんで感じた「生き物の世界の理に踏み込む感覚」をもっと長い尺で味わいたいなら、ここに来ると思う。アニメ版全26話が入口として見やすい。
On Your Mark——宮崎駿が手がけた短編映像作品。台詞ほぼなし・短尺・映像だけで感情を詰め込む、という「短編の宮崎駿」の文脈を追うなら外せない一本。もんもんとあわせて見ると、このフォーマットでの語り口の一貫性がよくわかる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『水グモもんもん』は現時点で配信サービスへの配信はなく、DVDやBlu-rayなどのパッケージ販売も行われていません。視聴するには三鷹の森ジブリ美術館を訪れるほかなく、美術館のシアター上映でのみ鑑賞できます。ジブリ美術館へ足を運ぶ機会があれば、ぜひスクリーンで体験してみてください。