しらんぷり

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2012しらんぷり

しらんぷり

★ 3.0 / 5.0ドラマ
放送年2012年
フォーマット劇場版
話数1話
原作オリジナル

ドン太はヤラガセにいじめられており、ボクがそれを何度も目撃するにつれ、自分は何をするべきかと問い直す必要に迫られる。シランプリは「2011若手アニメーター育成プロジェクト」から各3,800万円の助成金を受けた4つのアニメ作品の1つ。2010年と同様、アニメーション労働組合は日本政府の文化庁から2億1,450万円の助成を受けた。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

主人公の「ボク」は、クラスメートのドン太がヤラガセにいじめられている場面を何度も目撃しながら、見て見ぬふりを続けていた。しかし繰り返し目撃するうちに、「自分は何をすべきか」という問いと正面から向き合わざるを得なくなる。いじめという日常に潜む痛みと、傍観者の内なる葛藤を静かに、しかし鋭く切り取った2012年公開の短編ドラマアニメ。

みどころ・魅力

① 傍観者の視点から描くいじめのリアリティ

本作が一貫して描くのは、いじめる側でも被害者側でもなく「見ている側」の心理です。何度も見過ごしてしまう「ボク」の葛藤は、誰もが経験しうる普遍的な後ろめたさを丁寧に映し出しており、観る者に静かな問いを投げかけます。

② 若手アニメーターが生み出す独自の映像表現

「2011若手アニメーター育成プロジェクト」の助成を受けた4作品のうちの1本。新鋭クリエイターならではの実験的なアニメーション表現が随所に光り、商業作品とは一線を画す手触りが魅力です。短い尺の中に作家性が凝縮されています。

③ 短編ならではの余韻と密度

長尺の物語では描ききれない「間」と「省略」を巧みに活かした短編構成が印象的です。セリフや説明を極力削ぎ落とし、映像と空気感だけで感情を伝えるスタイルは、観終わった後も長く余韻が残ります。

キャスト・声優一覧

ヤラガセ
ヤラガセ
メイン
小清水亜美
ドンチャン
ドンチャン
メイン
矢島晶子
マリモ先生
マリモ先生
メイン
内山夕実
ぼく
ぼく
メイン

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

タイトルを見た瞬間、ああ、だいたいわかった、と思った。「しらんぷり」。それだけで内容の8割くらい想像がつく。2011年若手アニメーター育成プロジェクトの一作ということで手を伸ばしたんだけど、最初は正直、教育的なお話かなという身構えがあった。いじめをテーマに短編でまとめるって、どうしてもメッセージ性が先走って作品として失速しがちだから。でも見始めてすぐ、そういう心配は的外れだったとわかる。描こうとしているのはいじめそのものより、それを「見てしまっている人間」の話だ。30分弱の尺で、じわじわと、確実に刺してくる。

「見ていた」という罪について——傍観者の側に立たされる物語

ドン太はヤラガセにいじめられている。ボクはそれを見ている。この構造が、この映画のすべてだ。

「しらんぷり」というタイトルは、主人公の行動を指しているようで、実はこちら側——観客の側——に向けられている。スクリーンの中でボクがいじめを目撃するたびに、こちらもそれを「見てしまう」。見て、見続けて、でも何もできない。その居心地の悪さを、短い尺の中にずっと積み上げていく。

傍観者を責める話は多い。「なぜ助けなかったのか」という問いを突きつけて終わるタイプのやつ。この作品が少し違うのは、ボクの「しらんぷり」が怠慢ではなく、恐怖と混乱とわずかな打算から生まれているのを丁寧に描いているところだ。助けたら自分がターゲットになるかもしれない。でも見ていることで自分も加害に加わっているような感覚がある。子どもの頃にこの感覚を持ったことがある人なら、説教くさい感情移入ではなく、もっとリアルな種類の痛みとして受け取ると思う。

小清水亜美が演じるヤラガセには、単純な悪役的な描かれ方をしていない印象がある。いじめる側にもその子なりの論理や力学があって、それが見えてくるほどに「誰が悪い」という問いが崩れていく。傍観者であるボクが追い詰められているのは、悪の所在が曖昧になっていくからだ。

タイトル通りの映画、と言えばそうなのだが、「タイトル通り」という言葉では収まらない重さがある。「しらんぷり」は最初から答えを提示している。提示しておいて、それがいかに難しく、いかに自分に刺さるかを見せていく。

特に刺さったシーン

ボクがいじめの現場を目撃して、そのまま通り過ぎるシーンが何度かある。最初は「また見てしまった」で終わるが、回数を重ねるうちに顔つきが変わっていく。その変化を言語化せずにアニメーションだけで見せているところが良かった。

矢島晶子が演じるドンチャンの声が、思ったより柔らかくて少し驚いた。いじめられているキャラクターというと、か細い・か弱いという方向で設計されがちだが、ドンチャンには別の種類の強さがあって、その矛盾が痛い。小清水亜美のヤラガセは、怒鳴るでもなくネチネチするでもない、ある種のフラットさが不気味だった。感情を高ぶらせないから余計に怖い。内山夕実のマリモ先生は、大人が「見えていない」側として機能していて、登場するたびにじわっとした嫌悪感がある。悪意のない不在、というやつだ。

終盤、ボクが何かしようとする瞬間の手前の「間」が、この作品で一番長く記憶に残っている。何かをする前の、あの数秒。

読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。TSUTAYA DISCASの30日間無料トライアルでレンタル代ゼロで見れる。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 子どもの頃に「見てしまった」経験がある人
  • 短編アニメーション、インディーズ系の作風が好きな人
  • 説明より余白で語る演出が好きな人
  • 若手アニメーター育成プロジェクト系の作品を追っている人

合わない人

  • カタルシスのある解決を求めている人(すっきりはしない)
  • 30分未満という尺に物足りなさを感じるタイプ
  • いじめを描く作品全般が苦手な人

次に見るなら

いじめを「傍観者視点」で描いた点で近いのは聲の形だ。あちらはいじめた側の主人公が中心だが、見ることと見ないことの罪をめぐる構造が重なる。劇場作品として音響も含めて体験したい一本。

同じ若手アニメーター育成プロジェクト出身の作品という文脈でわすれなぐもも面白い。テーマは全く異なるが、短編という制約の中で何を削って何を残すかという選択が、作家性をもろに映す。「しらんぷり」の余白の使い方が気に入ったなら、比較として見る価値がある。

「大人が見えていない」という構造が刺さったならぼくらのも候補に入る。子どもたちが抱える問題に大人が無力または不在という設定で、理不尽さの描き方に共通する重さがある。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア×¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT×¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV×¥550(税込)14日間6,300+
Netflix¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+¥1,250〜(税込)なし500+
現時点では本作を配信しているサービスはありません。視聴機会を探す場合は、映画祭や自主上映イベントの情報を定期的にチェックするのが現実的な方法です。若手アニメーターの実験的な短編として、アニメファンにぜひ手に取ってほしい一作です。

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よくある質問

Q. 「しらんぷり」はどこで視聴できますか?
A. 現時点では定常配信されているサービスはありません。映画祭や自主上映イベントでの公開情報を都度チェックしてみてください。
Q. この作品はどんな人に向いていますか?
A. いじめや傍観者の心理に関心がある方、実験的な短編アニメが好きな方に特におすすめです。重いテーマを扱いながらも、押しつけがましさのない作品です。
Q. 「若手アニメーター育成プロジェクト」とは何ですか?
A. 文化庁の助成を受けたアニメーション労働組合が主導する育成事業で、本作を含む複数の短編に制作資金を提供しています。新世代の才能を世に送り出す取り組みです。
Q. 上映時間はどのくらいですか?
A. 短編アニメ作品のため、上映時間は数分〜十数分程度とみられます。短い尺の中に凝縮されたドラマが特徴で、隙間時間にも観やすい作品です。

まとめ

現時点では本作を配信しているサービスはありません。視聴機会を探す場合は、映画祭や自主上映イベントの情報を定期的にチェックするのが現実的な方法です。若手アニメーターの実験的な短編として、アニメファンにぜひ手に取ってほしい一作です。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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