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楳図かずおの呪い
| 放送年 | 1990年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Takahashi Studio |
麗麗という美少女がマサミのクラスに転入してくる。マサミは嫉妬と恐怖に駆られ、彼女の悪夢を見始める。クラスの男子たちがリマに夢中になる中、マサミは不気味な訪問者の悪夢に苦しめられる。超自然的なものに関わった人間が被る恐ろしい結果を描く、二つの物語。
作品概要・あらすじ
あらすじ
麗麗(リマ)という謎めいた美少女がマサミのクラスに転入してくる。クラスの男子たちが彼女に夢中になる一方、マサミは嫉妬と恐怖に囚われ、不気味な訪問者が現れる悪夢に苦しめられるようになる。超自然的な存在と関わった人間が辿る戦慄の末路を描く、楳図かずお原作の二連作ホラーOVA。みどころ・魅力
① 楳図かずお独自の「恐怖と美の共存」
端正な美少女キャラクターと、そこから滲み出る禍々しさの対比が本作の核心。見た目の美しさと恐怖が不可分に絡み合う楳図作品ならではの表現が、OVAの映像媒体で余すところなく再現されており、読者・視聴者の感覚を巧みに揺さぶる。② 嫉妬・強迫・悪夢が連鎖するサイコロジカル演出
マサミが体験する悪夢の連鎖は、単なるオカルト描写にとどまらず、嫉妬心や恐怖心が引き起こす心理的な歪みとして丁寧に描かれる。1990年代OVAならではの濃密な作画と音響が相まって、視覚・聴覚両面から不安感を煽る演出が光る。③ 二つの物語が示す「因果」というテーマ
本作は独立した二つの物語で構成されており、それぞれ異なる登場人物が超自然と関わった末の「報い」を描く。連作形式によって「呪いとは何か」という問いが多角的に提示され、楳図ホラーの哲学的な側面を短編ながら濃縮して味わえる構成となっている。キャスト・声優一覧



スタッフ
| 監督 | 山内重保 |
|---|---|
| 音響監督 | 山田悦司 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
楳図かずお、という名前だけで「あ、これはそういうやつだ」とわかってしまう。あの独特の縦縞模様と、どこか目の焦点が合っていない人物の顔。漫画で慣れていたはずなのに、それが動いて声がついたとき、妙な気持ち悪さが増した。1990年というのも絶妙で、今のデジタル作画の滑らかさとは真逆の、ちょっとカクついた動きがむしろ不安感を底上げしている。「麗麗」という名前の転入生が登場した瞬間から、何かが狂い始めるのが画面の空気でわかる。2回目に見ると、最初のシーンからもう布石が敷いてあって、「ああ、騙されてた」という感覚になる。コアファン向けOVAとしての構成は正しい——この時代の楳図作品を知らずに見てもある程度楽しめるが、あの絵柄への耐性があるかどうかで体験がまったく変わる。
嫉妬は、呪いよりも先に人を壊す
この作品を「ホラーOVA」と紹介するのは間違っていないけれど、本当に怖いのは超自然的な何かではなくて、マサミの内側にあるものだ。美少女の転入生・麗麗に対してクラスの男子たちが夢中になっていく。マサミは「怖い」と感じているのに、その恐怖の正体が嫉妬なのか、本当に何か異質なものを察知しているのかが、序盤では判然としない。これが楳図かずおの巧さで、主人公の主観を信頼させてくれない構造になっている。
悪夢というのは都合がよくて、どんな理不尽も「夢だから」で処理できる。でもこのOVAはその逃げ道を少しずつ塞いでいく。夢の中の恐怖が、目覚めた後の日常に滲み出してくる感覚——境界線が溶けていく演出は、今見ても有効だ。二本立て構成になっているのも意図的で、一本目の「転入生」の話を見た後に二本目を見ると、「関わった人間が受ける結果」というテーマが繰り返されていることに気づく。
楳図作品全体に通底している問いがあるとすれば、「普通の人間が、どこで道を外れるか」だと思う。呪いは外から来るのではなく、すでに内側にある何かが呼び込む。マサミが夢を見るのは、彼女が弱いからではなく、彼女が麗麗を意識しているからだ。嫉妬、という感情の厄介さを、ホラーの文法で描くとこうなる、というひとつの回答がこのOVAにある。「超自然に関わると酷い目に遭う」というホラーの基本公式の裏に、「なぜ関わってしまうのか」という問いを忍ばせているのが、楳図作品が30年以上読まれ続けている理由だと思う。
特に刺さったシーン
序盤の夢のシーンで、不気味な訪問者が現れる場面。1990年のOVA作画なので、今見ると動きは少ない。ほとんど止め絵に近い。それがかえって機能している。動かないから目が離せない、という構図で、じっと画面を見ていると向こうも見てくるような感覚になる。声の演技も「怖がらせよう」という過剰さがなく、淡々としているのに逆に体温が下がる。
麗麗をめぐるクラスシーンも印象に残っている。男子たちが無自覚に引き寄せられていく描写が、誰も悪くないのに全員おかしい、という空気を出していて、見ている側も「自分がマサミの立場だったら」と一瞬考えてしまう。そこで引き込まれる。2回目に見たとき、マサミの反応が恐怖ではなく拒絶だと気づいた。距離を置きたい、でも目が離せない——その矛盾した心理がずっと画面に出ている。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 楳図かずおの漫画を読んだことがある人(あの絵柄への免疫がある前提)
- 80〜90年代の日本ホラーOVA全般が好きな人
- 「超自然×女の子の嫉妬・恐怖」という組み合わせに反応する人
- 動かない画面に怖さを感じられる人(スピードより密度を好む人)
- 短編アンソロジー形式のホラーが得意な人
合わない人
- 楳図絵柄が生理的に無理な人(これは覚悟して見るもの)
- 現代ホラーアニメのような動きと演出を期待する人
- 明確な「解決」や「説明」を求める人(余白が多い)
- 配信で手軽に試したい人(現状Amazon DVDのみ)
次に見るなら
同じ楳図かずお原作の文脈で見るなら、漂流教室がある。子供たちが未来の廃墟に飛ばされるSFホラーで、楳図作品特有の「普通の人間がどこまで壊れるか」というテーマが最もわかりやすく出ている。OVAで楳図の空気感を試したなら、次に読む原作として入りやすい。
1990年代の日本ホラーOVAという文脈では、うしろの百太郎(1993年)が近い位置にある。主人公に霊が憑依して助けるという設定だが、扱う怪談の質感——人間の欲や恨みが形になるという構造——がこのOVAと共鳴する。同時代の空気感として見ると面白い。
「嫉妬と恐怖が混線する女の子の話」という軸で選ぶなら、少女革命ウテナ(1997年TVシリーズ)も候補に入る。直接的なホラーではないが、女の子同士の感情のぶつかり合いが暗黒寓話として機能しているという意味で、楳図OVAが刺さった人には響く層がいる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
2026年7月現在、『楳図かずおの呪い』は国内主要サブスクリプションサービスでの配信は確認されていません。視聴にはセル・レンタルなどの物理メディアか、中古市場でのソフト入手が主な手段となります。希少なホラーOVAとして、楳図かずお作品のファンにとっては特にコレクション価値の高い一本です。