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妖世紀水滸伝
| 放送年 | 1993年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | ライトノベル |
| 制作 | J.C.STAFF |
21世紀初頭、大地震によって東京は壊滅した。日本は政治経済の中心を失い、無法地帯と化す。妹を探す須賀孝輝は、彼女が強大な黒竜会に誘拐されたことを知る。妹を救出し犯罪組織を壊滅させるため、ドラァグクイーン、元傭兵二名、尼僧と手を組むことを決意する。
作品概要・あらすじ
あらすじ
21世紀初頭、巨大地震によって東京は壊滅し、日本は政治・経済の中枢を失って無法地帯と化した。主人公・須賀孝輝は、行方不明の妹を探す中で、強大な犯罪組織「黒竜会」に誘拐されたことを突き止める。単独では太刀打ちできない組織を相手に、孝輝はドラァグクイーン、歴戦の元傭兵2名、そして尼僧という異色の仲間たちと協力し、妹の救出と組織壊滅に乗り出す。みどころ・魅力
① 崩壊した近未来東京を舞台にした緊張感あるアクション
大地震後の廃墟と化した東京という設定が、荒廃した世界観を鮮明に描き出す。無法地帯ならではの剥き出しの暴力と緊迫感が、アクションシーンに重厚なリアリティを与えており、OVAならではの作り込まれた映像表現が随所で光る。② 異色すぎるメンバーが織りなすチームダイナミクス
ドラァグクイーン・元傭兵・尼僧という、まったく接点のなさそうな人物たちが一つの目的のために集結する設定が最大の魅力。それぞれの個性や背景が絡み合いながら生まれる化学反応と、独特の人間関係の描写が見どころのひとつ。③ 1993年製作ならではの骨太なバイオレンスアクション
90年代初頭のOVA文化を代表する作品のひとつとして、現代のアニメとは一線を画すハードボイルドな雰囲気と演出が詰まっている。デジタル以前の手描きアニメーションの質感と、時代を反映した硬派なストーリーラインが独自の魅力を放っている。キャスト・声優一覧
















スタッフ
| 監督 | ねぎしひろし |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 都留稔幸 |
| 音楽 | 吉川洋一郎 |
| 美術監督 | 本田修 |
| 音響監督 | 田中英行 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
タイトルに「水滸伝」が入っているのを見て、まず引っかかった。あの、100人以上の好漢が入れ替わり立ち替わり登場する北宋の大河小説が、1993年のOVAになっているという事実。しかも舞台は21世紀初頭の壊滅した東京。何をどうしたらそこに着地するのかという疑問が半分、そういう発想が生まれた時代への好奇心が半分で、とりあえず手を伸ばした。
最初に見たときの印象は「時代の空気を思い切りよく使っている」だった。1993年という年を考えると、近未来ディストピアとしての東京はまだリアルな想像の射程にあって、大地震後の無法地帯という設定に荒唐無稽感がない。チームの顔ぶれ——ドラァグクイーン、元傭兵ふたり、尼僧——は、水滸伝における「社会のはみ出し者が連帯する」という構造を換骨奪胎していると気づいたのは、2回目に見てからだ。最初は単純に「この組み合わせ、攻めてるな」と思っていた。
廃墟の東京でしか成立しない、アウトサイダーたちの連帯
水滸伝という原典が何を描いているかといえば、腐敗した体制に弾かれた者たちが梁山泊という「場所」を拠点に義を結ぶ物語だ。この作品が面白いのは、その構造をほぼそのまま90年代的な近未来アクションに流し込んでいる点にある。黒竜会という強大な犯罪組織=腐敗した権威、壊滅した東京=梁山泊的な無法空間、ドラァグクイーン・元傭兵・尼僧という顔ぶれ=社会の正規ルートから外れた者たち。この対応関係は意図的だと思う。
須賀孝輝が妹を取り戻すために組むチームが「まともな市民」ではないのがポイントだ。普通の社会では周縁に置かれている人間たちが、社会そのものが崩壊した空間でこそ本来の力を発揮する——という構図がある。梁山泊の好漢たちが「世間的には罪人や問題児」だったのと同じ論理が、ここでも働いている。関俊彦が演じる須賀尊輝の屈折した動機、佐々木望が声を当てた間宮美幸の存在が物語の核を形成していることを考えると、単純なアクションOVAとして消費するには少しもったいない。
この作品を「近未来アクションOVA」として見るのは半分しか見ていない、という気がしている。93年はバブル崩壊直後で、「社会の秩序が崩れるかもしれない」という不安が漠然と漂っていた時期だ。そこで「社会秩序が実際に崩壊した世界」を舞台に設定し、その中でどう連帯するかを問う話を作ることには、当時なりの切実さがある。水滸伝の看板を借りてはいるが、描いているのは普遍的な「連帯の条件」の話だ。はみ出し者は、社会が崩れたときに初めて対等になれる——そういう冷たい前提がこの作品には流れていて、それが2回目以降の視聴で効いてくる。
特に刺さったシーン
山寺宏一が演じる羽村良の使い方が巧い。この時期の山寺さんはすでに守備範囲が広すぎて何をやっても「らしい」になってしまうのだが、羽村良には独特のグルーヴ感があって、チームの緊張をほぐしながら場を前に進める役割を序盤から担っている。コメディリリーフとシリアスの間を行き来するキャラクターは声優の技量がそのまま出るが、ここには余裕がある。
刺さったのは終盤、チームの連帯が崩れかける場面で関俊彦演じる須賀尊輝が本音を吐露するくだりだ。関さんのセリフ回しに「温度の低い怒り」があって、それが2回目に見ると序盤からずっと布石だったと気づく。最初は「こういう性格のキャラ」としか受け取っていなかったのが、繰り返し見ると感情の地層が見えてくる。三石琴乃が須賀清美として作る緊張感との対比も、この場面で効いている。90年代OVAは尺の制約が厳しいジャンルだが、この作品はその制約の中でキャラクターの感情を積む密度が高い。
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この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 90年代OVAの「荒削りな熱量」込みで楽しめる人
- 梁山泊的な「アウトサイダー連帯もの」の構造に弱い人
- 山寺宏一・関俊彦・佐々木望この時代の仕事を掘っている人
- 近未来アクションでも「人間関係の機微」が描かれていると嬉しい人
- 短編OVA連作として一気に見られる人
合わない人
- 現代水準の作画を求める人(93年の絵柄に入れないと厳しい)
- 水滸伝の原典を知っていて「108人全員出ないのか」と思ってしまう人
- 世界観の説明をじっくり入れてほしい人(OVA尺で省略が多い)
- アクションよりドラマ比率を高くしてほしい人
次に見るなら
同じ90年代OVAの「異質なキャラクターが組む」という文脈で見るならバブルガムクライシスを推す。壊れた近未来都市を舞台に、訳ありのチームが強大な組織と戦う設定感覚が近い。音楽と作画の熱量も同じ時代の同型として参照できる。
「廃墟と連帯」というテーマ軸で次に行くなら装甲騎兵ボトムズの劇場版・OVA群が合う。スコープは全然違うが「社会のはじき出された者が義を結ぶ」構造への執着という点で、世代を問わず通じている。
90年代の「チームアクション×クセのある人間関係」をもう少し掘りたければGUNSMITH CATSも選択肢に入る。OVAという短い尺でキャラクターの関係性を圧縮して描く技術という点で、比較しながら見ると面白い。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ | |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『妖世紀水滸伝』はAmazonプライムビデオで視聴可能です。プライム会員であれば追加費用なしで楽しめますので、90年代OVAの雰囲気を味わいたい方はぜひチェックしてみてください。