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夜は短し歩けよ乙女
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | その他 |
| 制作 | Science SARU |
黒髪の女の子が京都の街を歩き回る。祇園の夜景から下鴨の古本市、そして大学説明会へ。主人公は彼女に密かな恋心を抱き、偶然の出会いを装いながら彼女の後をつけ、彼女と出会う機会を探す。しかし彼女はまだ恋愛に興味がなく、彼の想いには応えない。
作品概要・あらすじ
あらすじ
京都の夜、自由奔放な「黒髪の乙女」は祇園の酒場から下鴨の古本市、怪しげな学園祭まで、縦横無尽に街を歩き回る。一方、彼女に恋する「先輩」は偶然を装いながらその後を追いかけ、どうにか思いを伝えようと奮闘する。個性豊かな人々との出会いと騒動を繰り返しながら、ふたりの不思議な一夜が明けてゆく。みどころ・魅力
① 京都の街を舞台にした幻想的な映像美
湯浅政明監督ならではの躍動感あふれるアニメーション。祇園の夜景、古本市の喧騒、学園祭の熱気など、京都の各スポットが色彩豊かに描かれる。現実と幻想が溶け合う独特のビジュアルが、物語全体をお祭りのような高揚感で包み込む。② 個性的すぎる登場人物たちの群像劇
乙女と先輩を中心に、奇妙な大人たちが次々と登場。飲んでも酔わない謎の老人、古本への執念を燃やす紳士など、強烈な個性を持つキャラクターたちが物語を賑やかに彩る。森見登美彦原作の語り口が、そのまま独特のユーモアとなって画面に息づいている。③ 一夜が四季に変わる不思議な時間軸
物語はたった一夜の出来事でありながら、春夏秋冬の四つの章で構成されるという奇想天外な構造を持つ。時間の感覚を軽やかに裏切りながら、乙女と先輩の距離が少しずつ縮まっていくさまに、心地よい読後感にも似た余韻が残る。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 湯浅政明 |
|---|---|
| 原作 | 森見登美彦 |
| 原案キャラデザ | 中村佑介 |
| キャラクターデザイン | 伊東伸高 |
| 音楽 | 大島ミチル |
| 美術監督 | 大野広司、上原伸一 |
| 音響監督 | 木村絵理子 |
| ED | アジアン・カンフー・ジェネレーション「荒野を歩け」 |
関連作品
アニメ
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
湯浅政明監督の名前は知ってた。四畳半神話大系も夜明け告げるルーのうたも「見ようと思って見てない」リストの常連だった。森見登美彦原作というのも頭に入ってたし、公開当時の評判も耳に入ってた。なのにずっと後回しにしてた。理由はたぶん、「なんとなく難しそう」という根拠のない思い込みだ。
実際に見始めたら10分で「あ、これ全然そういう映画じゃない」と気づく。黒髪の乙女が京都の夜を歩き回り、お酒を飲み、古本市で掘り出し物を探し、目の前に現れた出来事に全力で飛び込んでいく。花澤香菜の声が乗ると、この「興味の赴くままに動く女の子」という造形が驚くほど生々しく立ち上がる。明るいんだけど、どこか夢の中にいるような不思議な浮遊感。湯浅監督の絵が動くのを見てようやく「ああ、こういうことか」と腑に落ちた。
見終わってすぐに、配信を探した。
恋愛の話ではなく、「偶然を待ち続ける人」の話だ
この映画を「ラブコメ」と分類するのは正確だけど、少しもったいない気がしている。男の子(中井和哉が演じる樋口清太郎)が黒髪の乙女の後をつけ回して「偶然の出会い」を演出しようとする、というのが物語の骨格だ。客観的に見ると完全にストーカー予備軍なのに、なぜか憎めない。それはこの映画が「好きな人に近づけない人間の、みっともないほど正直な内面」をずっと肯定しているからだと思う。
乙女はほとんど恋愛に興味がない。彼女にとって世界は「次の面白いこと」で満ちていて、誰かを好きになるとかそういう回路がまだ起動していない。対して男の子は、好きという気持ちだけを燃料に夜の京都をひたすら歩く。この非対称性が、見ている間ずっと低い温度の焦燥感を生み続ける。
面白いのは、映画が進むにつれて「誰が主役か」という感覚がじわじわとずれていくことだ。乙女の視点で見ると、これは「世界が次々と面白いものを差し出してくれる、ある一夜の冒険譚」になる。古本市の神様(吉野裕行の飄々とした演技がすごく合ってる)も、祇園の怪しい取引も、大学の学園祭も、彼女にとっては全部等価に「面白い出来事」として飛び込んでくる。世界に対して全開放で生きているというか。
諏訪部順一のニセ城ヶ崎が登場する場面あたりから、この映画が描いているのが「恋愛成就」ではなく「誰かに出会う前の、ひとりで世界を泳ぐ時間の豊かさ」だと気づく。悠木碧のプリンセスダルマは出番こそ少ないが、「欲望に忠実な存在」として乙女と対になっていて、このキャラクターの配置がテーマをよく補強している。
つまりこれは、好きな人に告白できない男の子の話でもなく、無邪気な女の子が恋を知っていく話でもなく、「偶然の積み重ねで人生が動く瞬間」を祭りのように描いた映画だ。湯浅監督の作画がそれをアニメでしかできない方法で見せてくれる。現実の京都を下敷きにしながら、絵が自由に変形し色が氾濫する。劇場のスクリーンで見ると、この画面の情報量と音の圧力が体に直接届いてくる感じがある。
特に刺さったシーン
下鴨の古本市の場面が好きだ。乙女が棚の間を歩き回り、次々と本を引き抜いて「これは…」とつぶやくシーン。花澤香菜の芝居がここで一段階解像度を上げてくる。弾んでるとか楽しそうとかいうより、「自分の好奇心に正直に動いている人間」の声になってる。古本市の神様との会話を経て彼女が一冊の本と出会う流れ、あそこは何かこう、物語の中で一番静かで一番密度が高い時間だと思う。
それと、夜の屋台で乙女が初めてお酒を口にするオープニング近辺のカット。あの色使いと線の動き方、ああいう「酔い」の表現をアニメでやるとこうなるのかという驚きがあった。音楽(大島ミチルの劇伴)がそこに乗ると、酔った夜の浮揚感がそのまま視覚化されている感じ。映画館の音響で聴くと余計にそれが増幅されて、しばらく呆然としてた。
読んで見たくなったら——『夜は短し歩けよ乙女』はABEMAで視聴できる(無料プランあり)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さると思う人:
- 湯浅政明の作画が好き、または気になっていた人
- 「話よりも空気感を楽しむ」タイプのアニメが得意な人
- 森見登美彦の文体——あの京都弁混じりのぐるぐる回る文章——が好きな人
- 「好きな人に何も言えないまま時間が過ぎた」経験がある人
- 劇伴や音響にこだわりがある人(映画館で見られるなら強くすすめる)
合わないかもしれない人:
- 「ストーリーの起承転結をちゃんと追いたい」人には向かない。構造が螺旋的なので
- 主人公の男の子の行動を「気持ち悪い」と感じると最後まで乗れない可能性がある
- 75分という尺が「短すぎる」と感じる人もいる。余白を楽しめるかどうかが分かれ目
- 湯浅作品特有の崩し気味の作画が生理的に合わない人
次に見るなら
同じ森見登美彦原作×湯浅政明監督のTVアニメ、四畳半神話大系。こちらのほうが尺が長く、同じ男の「もしも違う選択をしていたら」ループ構造で語られる。乙女を見て「この世界観でもっと遊びたい」と思ったら迷わずこちらへ。
少し毛色は違うが、カラフル(2010年)。「人生のある一区切りを俯瞰する」視点と、日常の細部への解像度の高さが似た読後感を持つ。こちらは現実寄りの絵柄だが、終わった後の静かな余韻は近い。
湯浅監督つながりで夜明け告げるルーのうたも。海辺の町と人魚という舞台設定で、「日常の外からやってきた存在と出会うことで世界が変わる」という構造が共鳴する。音楽の使い方が特に好きな人には強くすすめる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ | |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『夜は短し歩けよ乙女』は現在、ABEMA・dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Disney+で配信中です。複数のサービスで視聴できるため、すでに契約中のプラットフォームからすぐに楽しめます。無料トライアルを活用すればお得に視聴できるサービスもあるので、ぜひ確認してみてください。



