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ハーモニー
| 放送年 | 2015年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | その他 |
| 制作 | Studio 4°C |
未来、医療ナノテクノロジーと社会福祉の倫理により、ユートピアが実現した。しかし完全ではなく、三人の少女が全体主義的な親切と超医学に対して餓死による自殺を試みる。失敗に終わるが、その一人・椿野きりえはWHOの職員として成長する。
作品概要・あらすじ
あらすじ
大災禍と呼ばれる混乱を経た21世紀後半、世界は医療分子(メディモル)と生命主義によって、誰もが互いの健康を気づかう「優しさ」に満ちた社会へと到達していた。だがその徹底した健康管理と善意は、少女・霧慧トァンにとって息苦しい監視そのものだった。彼女は親友のミァハ、キァンとともに、自らの身体を社会に明け渡さない唯一の手段として餓死による自殺を図る。13年後、WHO螺旋監察官となったトァンは、世界同時多発の自殺事件と再会する。その背後には、死んだはずのミァハの影があった。
みどころ・魅力
① 「優しさ」が支配する究極のユートピア・ディストピア
健康と他者への配慮が絶対正義となった社会を、美しくも息苦しい映像で描き切ります。すべてが管理された世界の心地よさと不気味さが同居し、「幸福とは何か」「意識は本当に必要か」という根源的な問いを観る者に突きつけてくる、伊藤計劃ならではの思索的なSFです。
② トァンとミァハ、二人の少女の対峙
物語を貫くのは、世界に抗おうとしたトァンと、世界そのものを書き換えようとするミァハの関係です。かつての約束と裏切り、そして再会へと至る感情の軌跡が、巨大な思想バトルの核に据えられ、SFの骨格に切実なドラマの体温を与えています。
③ studioジブリ出身スタッフによる耽美な映像美
近未来の都市や有機的なデバイス群が、繊細で透明感のある作画で立ち上がります。静謐な色彩設計と印象的な音楽が、終末へ向かう物語の緊張感を高め、ラストに訪れる「調和(ハーモニー)」の意味を、忘れがたい余韻とともに観る者へ刻みます。
キャスト・声優一覧




スタッフ
| 監督 | なかむらたかし |
|---|---|
| 原作 | 伊藤計劃 |
| 原案キャラデザ | redjuice |
| ED | EGOIST「Ghost of a smile」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
伊藤計劃という名前は、ずっと頭の隅に引っかかっていた。虐殺器官は見ている。言葉で人を壊していく、あの乾いた話。なのに同じ作者のこっちには、長いこと手が出せずにいた。「やさしい世界のディストピア」という前情報が、逆に重たそうで腰が引けていたんだと思う。実際に再生してみたら、想像していた湿っぽさとは違った。冒頭から画面が妙に清潔で、淡い色と曲線だらけのインターフェースが宙に浮いていて、最初は「ずいぶん綺麗な未来だな」くらいの距離で見ていた。その綺麗さが、後半にかけてじわじわ気持ち悪くなってくる。一回目はその仕掛けにうまく乗せられたまま終わって、二回目でようやく、最初に感じた清潔感そのものが伏線だったと気づいた。優しさが怖い、という感覚を映像で食らったのは久しぶりだった。やさしさと健康が義務になった世界で、自分の体は誰のものか
この作品の前提が、見れば見るほど効いてくる。大きな混乱を経たあとの社会が、たどり着いた答えが「健康」だった。体は常に見守られ、不調はその場で手当てされ、人はみんな穏やかで、誰も誰かを傷つけない。普通に聞けば理想郷だ。でもこの映画は、その理想郷を一度も「素晴らしい」とは言わせてくれない。健康がみんなで共有する資源になった瞬間、自分の体は自分だけのものではなくなる。痩せることも、不健康でいることも、放っておいてもらうことも、許されない。誰かが死のうとすることすら、社会の損失として回収されてしまう。だから少女たちにとって、食べないという選択は、たぶん人生で唯一手に入る「自分の体に対する決定権」だった。単なる思春期の反抗ではなく、所有権の奪還として描かれているところが、この話の芯だと思う。そして終盤、その問いはもっと容赦のないところまで進む。苦しみも迷いもない、ただ穏やかなだけの状態を差し出されたとき、人はそれを幸福と呼べるのか。意識という、厄介で非効率で、でも自分を自分たらしめているものを手放したら、その先にいるのは本当に「私」なのか。やさしさを突き詰めた果てに人間が消える、というこの結末を、私は一回目では美しい救済として受け取って、二回目では静かにぞっとした。どちらの受け取り方も間違っていない気がする。そこが怖い。特に刺さったシーン
やっぱり、霧慧トァンと御冷ミァハが言葉を交わす場面に全部持っていかれる。沢城みゆきのトァンは、感情を表に出さない。低く、乾いて、どこか投げやりで、でもその抑え方の奥に消えない執着がにじむ。あの声で淡々と喋られると、こちらの体温まで下がってくる。対する上田麗奈のミァハがまた厄介で、まだ少女の輪郭を残した声なのに、口にする思想だけが妙に成熟していて、聞いているうちに「この子の言っていることのほうが正しいのでは」と一瞬ぐらつかされる。理屈で人を惹き込むキャラクターの危うさを、声の質感だけで成立させていた。終盤、二人の関係の本当の形が明かされる展開で、思わず座り直してしまった。会話の温度はずっと低いままなのに、画面の緊張だけがどんどん上がっていく。派手な見せ場で泣かせにくる作品ではないからこそ、この静かな対峙の密度がずっと耳と頭に残った。読んで見たくなったら——『ハーモニー』はABEMAで視聴できる(無料プランあり)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- SFを舞台装置ではなく「思考実験」として味わいたい人
- 幸福とは何か、意識とは何か、といった問いを持ち帰りたい人
- 説明より会話と空気で語る、静かな緊張感が好きな人
- 虐殺器官や攻殻機動隊の、理屈で詰めてくる作風が合った人
合わない人
- テンポよく事件が動くエンタメSFを求めている人
- キャラクターに感情移入して泣きたい人(ここは終始ドライ)
- 後味のすっきりした、答えの出る結末がほしい人
- 専門用語と設定の積み重ねを面倒に感じるタイプの人
次に見るなら
虐殺器官——同じ伊藤計劃の原作。言葉で人を戦争へ駆り立てる男の話で、ハーモニーの「やさしさの暴力」と表裏になっている。先にこっちを見ていたぶん、世界観の地続き感に唸った。順番はどちらからでも効く。PSYCHO-PASS サイコパス——人の心を数値で管理する社会を描くシリーズ。秩序のために何を差し出すのか、という問いの立て方がハーモニーと近い。じわじわ嫌な気持ちにさせてくる手つきが好きなら。
攻殻機動隊——体や意識が技術と地続きになった先で「自分とは何か」を問い続ける、この系統の元祖みたいな存在。ハーモニーの終盤にぐらついた人ほど、こっちの問いも刺さると思う。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ | |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
劇場版『ハーモニー』は、ABEMA、dアニメストア、U-NEXT、DMM TVの4サービスで視聴できます。複数の主要サービスで配信されているため、すでに加入しているサービスがあればそのまま楽しめます。これから視聴する方は、ご自身が使いやすいサービスを選んで再生してみてください。
よくある質問
まとめ
劇場版『ハーモニー』は、ABEMA、dアニメストア、U-NEXT、DMM TVの4サービスで視聴できます。複数の主要サービスで配信されているため、すでに加入しているサービスがあればそのまま楽しめます。これから視聴する方は、ご自身が使いやすいサービスを選んで再生してみてください。
