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アトム ザ・ビギニング
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Production I.G |
資金提供者がいない中、天馬午太郎と御茶ノ水博士は、人間のように思考し感情を持つヒューマノイドロボット建設プロジェクトの資金を得るため、様々な臨時仕事をこなす。二人の天才が人工知能ロボットA106の完成に成功すると、すぐに感情能力の実験を開始する。本当に感情を持つロボットが作れるのか検証する中で、このロボットが果たしてどうなるのかという疑問が残る。
作品概要・あらすじ
あらすじ
資金もスポンサーもない状況から始まった、天馬午太郎と御茶ノ水博士による人型ロボット開発プロジェクト。二人の天才科学者は生活費を稼ぎながら研究を続け、ついに人工知能ロボット「A106」の完成にこぎつける。感情を持つロボットは作れるのか——その問いを軸に、若き天才たちの挑戦と、ロボットが人間に近づいていく過程を描く、鉄腕アトム誕生前夜の物語。みどころ・魅力
① 鉄腕アトム誕生前夜という唯一無二の設定
手塚治虫の名作「鉄腕アトム」の前日譚として描かれる本作は、天馬午太郎と御茶ノ水博士が若き研究者だった時代を舞台にしている。知っているキャラクターが「こうして出会い、こう動いていたのか」という発見が随所にあり、原作ファンはもちろん初見でも楽しめる構成になっている。② 「感情を持つロボット」をめぐる真剣な問いかけ
本作の核心は、ロボットに感情は宿るのかという哲学的テーマ。A106が状況に応じて予測外の行動を見せるたびに、「これは本当に感情なのか」という問いが積み重なる。SF的なアクションと同時に、知性・感情・人間性の境界線を丁寧に描いており、見終わった後も考えさせられる作品。③ リアリティある貧乏研究者コンビの関係性
天馬と御茶ノ水は天才でありながら資金難で日雇い仕事をこなすリアルな描写が多い。ギャグ要素も交えたバディものとしての魅力があり、二人の対照的な性格がぶつかりながらも補い合う様子は見ていて飽きない。重たくなりすぎず、軽妙なテンポで物語が進む点も視聴しやすい。キャスト・声優一覧


















スタッフ
| 監督 | 佐藤竜雄 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 藤咲淳一 |
| キャラクターデザイン | 吉松孝博 |
| 音楽 | 朝倉紀行 |
| 美術監督 | 加藤浩 |
| 音響監督 | 岩浪美和 |
| OP | After the Rain「解読不能」 |
| ED | 南條愛乃「光のはじまり」 |
関連作品
アニメ
書籍
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
浦沢直樹の名前が原作クレジットに入っているのを見て、手を伸ばした。それだけが理由だった。アトムの前日譚という触れ込みで、鉄腕アトム本編を全部見ているわけでもないのにとりあえず再生したという、割といい加減なスタートだ。
最初は「SF考古学みたいな作品かな」と思っていた。昭和のロボット漫画を令和前夜に蒸し返す懐古路線の何かとして見るつもりだったが、序盤15分くらいで修正が入った。天馬と御茶ノ水のコンビが、金がない・設備がない・人脈がないという三重苦の中でロボットを作り続けているのを見た瞬間、「あ、これ青春ものだ」と気づいた。そのズレの修正感が今でも印象に残っている。
2回目に見たとき、A106の最初の動作シーンがかなり丁寧に作られていることに気づいた。初見では流していた細部が、視聴後に「そういう意味だったのか」と接続していく構造になっている。そういう作りのアニメだ。
「作ること」に取り憑かれた人間だけが見える景色の話
この作品の核心は、ロボットが感情を持てるかどうかという問いではない。もちろんその問いは表面に出てくるが、実際に描かれているのは「何かを作ることに人生を全部ベットした人間の顔」だと思っている。
天馬午太郎(中村悠一)と御茶ノ水博士(寺島拓篤)のふたりは、明らかにまともな人間ではない。資金がない、実験場所もない、世間からの評価も低い。それでも作り続けている。その「なんで作るんだ」という問いに対して、この作品は直接答えを出さない。ただ、ふたりが喧嘩しながらA106をいじっているシーンを積み重ねることで、「こういう人間が作るんだ」という納得感を静かに積み上げてくる。
中村悠一の天馬は、熱量の乗り方が独特だ。大声を出すシーンより、静かに言い切るシーンの方が怖い。「このロボットは感情を持てる」と断言するときの声の確信具合が視聴者を引き込む機能を果たしていて、そのキャスティングの正解度がかなり高い。寺島拓篤の御茶ノ水もよくて、天才だけどボケる人間として描かれているキャラクターの可愛さを声でちゃんとフォローしている。序盤のふたりの掛け合いは、音として聴いているだけでも面白い。
この作品が単なる「ロボットSF」として収まらない理由があるとすれば、天才ふたりの関係性がフラットに描かれているからだと思う。師弟でも上司と部下でもなく、ただ「同じものを作りたい人間」として隣り合っている。その関係性の描き方が、SFの外枠を超えてくる。
浦沢直樹の原作が読みたいという気持ちは、見終わってから確かに強くなった。アニメとして成立している部分と、明らかに原作の先を待っているような部分が混在していて、それが「もっと知りたい」という感覚を残す構造になっている。これは欠点ではなく、入口として機能する仕掛けだと解釈している。
特に刺さったシーン
序盤、A106が格闘ロボットとして戦わされる状況で、何か違うものを見せた瞬間のシーン——あそこの処理の仕方が、「感情を持つロボット」というテーマの実装として一番素直で好きだ。初見では「そういうものか」と流していたが、2回目で意味がわかると、作り手がそこに何を込めたかが逆算できる。あそこだけで見る価値がある。
佐倉綾音のお茶の水蘭が絡むシーンで空気が変わる感じも印象的で、個人的にはメインふたりの濃い空気を一回リセットする役割として機能しているキャラクターだと思っている。声の選択として、佐倉綾音の「気が強いが柔らかい」音域がこのキャラクターとかなり合っていた。
小松未可子の堤茂斗子は出番が多くないが、声優と夜あそびのMCとして知っている人間からすると「こういう役もやるのか」という発見があった。チャキチャキしたキャラクターへの解像度が高い人だなと、改めて確認できた場面だった。
読んで見たくなったら——『アトム ザ・ビギニング』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「何かを作ることに人生を費やしている人間の話」が好きな人
- 手塚治虫作品の周辺をウロウロしている人(本編既読でなくても楽しめる)
- ロボットSFに「感情とは何か」という問いを求めている人
- 中村悠一・寺島拓篤のコンビが醸す空気感が好きな人
- 浦沢直樹の画風・空気感が好きな人(原作未読でも入れる)
合わない人
- 派手なバトルアニメとして見ようとしている人(格闘シーンはあるが主軸ではない)
- 1クールで綺麗に完結する話を求めている人(続きが原作に委ねられる部分がある)
- テンポが速いアニメに慣れている人(じっくりキャラクターを見せるタイプの構成なので)
次に見るなら
ロボットと感情、作ることへの執着というテーマに引かれたならプラスティック・メモリーズがおすすめ。人間とロボットの関係性を別角度から掘り下げていて、感情の扱い方がだいぶ違うのに同じ問いに向き合っている。見終わったあとの後味が全然違うのも含めて、セットで体験する価値がある。
天才同士の関係性やSFの質感として近いのはSteins;Gate。資金も社会的信用もないところから始まる話という意味で構造が似ていて、視聴体験のテンションも重なる部分がある。こちらの方がエンタメ寄りに振り切っているので、アトム ザ・ビギニングが少し硬く感じた人にも入りやすい。
浦沢直樹つながりで言うならPLUTOは外せない。アトム本編の「地上最大のロボット」篇を原作にした作品で、アトム ザ・ビギニングで積み上げた文脈がそのまま接続される。Netflixで配信されているので、見終わった流れでそのまま続けて見てしまった。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ | |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『アトム ザ・ビギニング』は、dアニメストア・U-NEXT・Amazonプライムビデオの3サービスで視聴できます。いずれも見放題対象作品として配信されており、各サービスに加入済みであれば追加料金なしでお楽しみいただけます。鉄腕アトムの世界観が好きな方や、SF×ヒューマンドラマに興味がある方はぜひチェックしてみてください。


