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ファーストスクワッド
| 放送年 | 2009年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | Studio 4°C |
第二次世界大戦初期の東部戦線が舞台。超常能力を持つソビエトの少年少女たちが、ドイツ軍の侵攻に対抗するため特殊部隊として召集される。彼らはナチス将校と対峙し、その将校は12世紀の十字軍騎士団の亡霊軍を蘇らせようとしている。
作品概要・あらすじ
あらすじ
1942年、独ソ戦が激化する東部戦線。ソビエト赤軍は、超常能力を持つ少年少女たちを集めた秘密特殊部隊「第一分隊」を編成していた。唯一の生き残りである少女・ナーデジャは、仲間たちの魂を召還する危険な任務に挑む。一方、ナチスの神秘主義将校は12世紀の十字軍騎士団の亡霊を戦力として蘇らせようと画策しており、超自然的な力が東部戦線の命運を握る戦いが幕を開ける。みどころ・魅力
① 日露合作が生み出した独創的なビジュアル
日本のスタジオ4℃とロシアのアニメスタジオが共同制作した異色作。ソビエト時代のプロパガンダポスターや構成主義アートを彷彿とさせる力強いデザインと、日本アニメのアクション演出が融合し、他に類を見ない独特の映像美を作り上げている。② 史実とオカルトが交差するユニークな世界観
実際の第二次世界大戦を舞台にしながら、超能力者部隊や十字軍騎士の亡霊といるオカルト要素を大胆に絡め、歴史改変ファンタジーとして成立させている。ナチスの神秘主義への傾倒という史実をベースにした設定が、フィクションに重みを与えている。③ ドキュメンタリー風の演出が加える独特のリアリティ
アニメパートに加えて、実際の退役軍人や専門家へのインタビューを模したドキュメンタリー映像を挿入するメタ的な構成を採用。フィクションとドキュメンタリーの境界を意図的に曖昧にすることで、作品全体に異様なリアリティと不思議な没入感をもたらしている。キャスト・声優一覧






スタッフ
| 監督 | 芦野芳晴 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 中田博文 |
| 音楽 | DJ KRUSH |
| 美術監督 | 野村正信 |
| OP | ディージェイ・クラッシュ「Valor」 |
| ED | ディージェイ・クラッシュ「Blade Wind」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「ソ連制作のアニメがある」という情報を見かけて、最初は冗談だと思った。調べてみると日露合作で、スタジオ4°Cが関わっているらしい。そこで初めて「ファーストスクワッド」という作品名を認識した。2009年作、第二次世界大戦の東部戦線が舞台、超能力を持つソビエトの少年少女が十字軍の亡霊と戦う——という設定を読んで、「嘘だろ」と声が出た。良い意味で。
見始めると、思っていたよりずっと静かな映画だった。派手な設定のわりに、テンポを急がない。ソ連という国家装置の重さ、戦場の泥くさい空気感、そして少年少女が超常能力を持っているにもかかわらず根本的に「消耗品」として扱われている感触——そのアンバランスさが最初から画面に滲み出ていて、軽い気持ちで見始めたのを少し後悔した。配信は軒並みなし。こういう作品に限って掘り起こすのが面倒だ。
国家に「選ばれた子ども」が戦場に立つ意味——超能力ものとしての偽装と、その下にある話
この作品を単純なWWII×オカルトアクションと見るのは、設定の表層だけを読んでいることになる。核心にあるのは「国家によって道具化された子ども」の話だ。超能力という設定は、それをより可視化するための装置として機能している。
超常能力を持つ少年少女が特殊部隊として召集される、という状況を考えると、これはある種の残酷さを内包している。彼らが「選ばれた」のは意思ではなく、ただ能力を持って生まれたからだ。ソ連という体制の論理の中では、それは才能ではなく資産であり、資産は国家のために使われる。戦争がその消費を加速させる。
一方でドイツ側の敵は、12世紀の十字軍騎士団の亡霊を蘇らせようとしている。ここも表面上はオカルト的なケレン味に見えるが、「死者を戦力として再利用する」という発想は、生きている子どもを消耗品として扱う論理と鏡合わせになっている。敵も味方も、「人」を使い潰す構造の上に立っている。
こういう読み方をすると、この映画が2009年に日露合作という形で作られた理由が少し見えてくる。ソ連という国家の記憶をロシア側の視点で、アニメという形式で語り直すとき、どうしてもそのイデオロギーの暴力性が浮かび上がる。英雄譚として描こうとしながら、どこかで誠実に「国家がやったこと」を映してしまっている——そのねじれが、この作品の独特の空気を作っている。
主人公たちが単純な英雄として描かれないのも、そのせいだろう。彼らは戦う。しかし「なぜ戦うか」という問いへの答えは、最後まで国家の言葉ではなく、個人の、もっと小さな動機に根ざしている。そこに作り手の誠実さがある、と思う。
特に刺さったシーン
終盤、亡霊軍が実体化していくシーケンスが頭から離れない。12世紀の十字軍騎士団が現代(といっても1941年だが)の戦場に引き出される、その画の異様さがスタジオ4°Cのアニメーションで丁寧に描かれていて、荒唐無稽なのに画としての説得力があった。「なぜこれがアニメでなければならなかったか」という問いへの答えが、このシーンに集約されている気がする。実写では出せない、かといってCGゲームでもない、アニメーションだけが持てる「嘘の重さ」。
もう一点、序盤から中盤にかけての主人公と上官のやり取りが静かに刺さる。命令と従順さの間にある、かすかな摩擦。声優の演技がそのニュアンスをつぶさず届けていて、声だけで「この子は本当に納得していない」という体温が伝わってくる。派手ではないが、この種の芝居が積み重なることで、終盤の選択が意味を持つ。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。TSUTAYA DISCASの30日間無料トライアルでレンタル代ゼロで見れる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- WWII×オカルト設定に無条件で反応してしまう人
- スタジオ4°Cのアニメーション作品を追いかけている人
- 「国家と個人」という重さを持つ作品が好きで、それが派手なアクションに包まれていても許容できる人
- 60〜70分程度のコンパクトな劇場アニメを探している人
- 日本以外との合作アニメという形式そのものに興味がある人
合わない人
- アクション映画として見るとカタルシスが物足りないと感じる可能性がある人
- テンポのよいテンション重視の展開を期待している人
- キャラクターの掘り下げを時間をかけてじっくり楽しみたい人(尺の都合で薄くなる部分がある)
- 「なんで今これを見るのか」という動機が薄いまま見始めると、刺さる前に終わってしまう可能性がある人
次に見るなら
WWII×少年少女という構図で、戦場に動員される子どもたちの話をもっと掘り下げたいなら「この世界の片隅に」。こちらは超常要素はないが、国家の論理に飲み込まれながら日常を生きようとする人間の強さと脆さを、丁寧な作画で描いている。ファーストスクワッドが「戦う子ども」なら、こちらは「耐える大人(と子ども)」の話だ。
オカルト×戦争という組み合わせで、もっと毒気と緊張感を求めるなら「ヘルボーイ」(実写だが)よりも、同じくスタジオ4°Cが関わった「マインド・ゲーム」。ジャンルはまったく違うが、「アニメーションの文法を疑う」という姿勢が共通していて、ファーストスクワッドの変な空気感が好きだった人には引っかかるものがあるはず。
「ソ連・ロシア的な空気感が面白かった」なら「少女終末旅行」。直接的なつながりはないが、廃墟化した大国の残骸を二人の少女が旅するあの静けさは、ファーストスクワッドが持っていた「国家が終わる前の重さ」と妙に響き合う。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現在、『ファーストスクワッド』は国内主要配信サービスでの配信が確認されていません。視聴にはDVD・Blu-rayなどのパッケージ版をご利用ください。日露合作という希少な作品ですので、気になる方はお早めに入手されることをおすすめします。