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花とアリス 殺人事件
| 放送年 | 2015年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | STEVE N’ STEVEN |
2004年の実写映画「ハナとアリス」のプリクエル。本作は、最初のハナとアリス実写映画に登場する2人の女子高生がどのように出会ったかを描く。51歳の映画監督岩井(「All About Lily Chou-Chou」「スワロウテイル」)が、2004年の実写映画を企画・脚本・監督した。
作品概要・あらすじ
あらすじ
中学2年生の有栖川徹子(アリス)は、転校した先のクラスで奇妙な噂を耳にする。「1年前、この席にいた“ユダ”という生徒が、4人の花に殺された」——。真相を確かめようと、アリスは事件の鍵を握るとされる隣家の少女・花(ハナ)の家を訪ねる。引きこもりがちな花を強引に巻き込み、二人はユダの正体と事件の謎を追って奔走することに。ぶつかり合いながらも次第に心を通わせていく少女たちの先に待つ、意外な真実とは。岩井俊二が自身の実写映画の前日譚を、ロトスコープ技法で瑞々しく描く青春ミステリーです。みどころ・魅力
① 岩井俊二が手がけるロトスコープ映像
実写を撮影してから作画に起こすロトスコープ技法により、キャラクターの繊細な仕草や“間”がリアルに息づきます。実写映画でも監督を務めた岩井俊二が再び全編を手がけ、アニメーションならではの透明感ある映像美と、生身の芝居が持つ生々しさを両立させた独特の質感が味わえます。② アリスとハナ、出会いの物語
2004年の実写映画の前日譚として、二人の少女がどう出会い、なぜ親友になったのかが描かれます。当初はぎこちなかった関係が、奇妙な事件を追ううちに少しずつ距離を縮めていく過程が瑞々しく、実写版を彩った蒼井優・鈴木杏が声優として再集結している点も見逃せません。③ 笑いと切なさが同居するミステリー
“殺人事件”という物騒なタイトルとは裏腹に、物語はユーモアとほろ苦さに満ちています。少女たちの突拍子もない行動が生むコメディと、思春期特有の孤独や痛みが繊細に交錯し、謎解きを追ううちに、いつの間にか二人の成長物語へと引き込まれていきます。キャスト・声優一覧









スタッフ
| 監督 | 岩井俊二 |
|---|---|
| 音楽 | 岩井俊二、ヘクとパスカル |
| 美術監督 | 滝口比呂志 |
| ED | ヘックとパスカル「Fish in the Pool」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
実写の『ハナとアリス』は知っていた。蒼井優がバレエの裾を引きずって踊る、あの妙に忘れられない映画。でもアニメ版があると聞いたとき、正直「いまさら前日譚をアニメで?」と腰が引けていた。岩井俊二がアニメ、という組み合わせもピンと来なかった。
ところが冒頭の数分で、その油断は崩れる。動きが、生々しい。人間がそこで本当に歩いて、振り向いて、髪をかきあげている。ロトスコープだ、と気づいた瞬間に背筋が伸びた。最初は身構えて見始めたのに、気づけば前のめりになって、転校生の女の子の後ろをこっそりついて歩いていた。
転校生の孤独が、ありもしない「殺人事件」を必要とした話
この作品は、ミステリーの体裁をしているけれど、本当に解かれるべき謎は事件のほうじゃない。アリスという転校生が、なぜそんな荒唐無稽な噂——同じクラスにいたはずの「ユダ」が四人の妻に殺された、という都市伝説じみた話——にあそこまで本気で首を突っ込んでいくのか。そこにこの映画の芯がある。
転校してきたばかりの教室で、席が一つだけぽっかり空いている。誰も座っていないその席をめぐって、生徒たちが勝手に物語を膨らませていく。普通ならスルーする噂だ。でもアリスはスルーできない。なぜなら彼女自身が、その教室で誰ともつながっていない「空席のような存在」だからだ。事件を追うことは、彼女にとって世界に手をかける口実になる。隣のクラスの引きこもりの少女・花を巻き込むのも、たぶん最初は事件のためじゃない。一人でいたくなかっただけだ。
だからこの映画は、単なる青春ミステリーではなくて、「人はどうやって他人とつながり直すのか」を描いた話として刺さる。事件という嘘の枠組みがなければ、この二人は一生口をきかなかったかもしれない。でっち上げの謎が、本物の関係を運んでくる。その皮肉なやさしさが、岩井俊二の手つきそのものだと思う。退屈と妄想と孤独でできた思春期の地図を、彼はバカにせず、美化もせず、ただ丁寧になぞっていく。
特に刺さったシーン
中盤、アリスが事件の真相を確かめにひとりで遠出する一連の流れ。電車を乗り継ぎ、知らない町を歩き、想定外の出来事に振り回されていく道行きが、とにかく生きている。ロトスコープの足取りは、アニメの「効いた」動きじゃない。疲れてきたときの歩幅の縮み方、信号待ちで所在なくなる手、そういう演技未満の身体の癖まで全部拾っていて、画面の向こうに本当に十代の女の子がいる気がしてくる。
そして声。アニメ声に寄せていないのがいい。台詞と台詞のあいだの、言いよどみや小さな息づかいが芝居として残っていて、ここで彼女がふと黙ったとき、思わずこっちまで一緒に黙ってしまった。事件を追っていたはずのアリスが、いつの間にか自分の寂しさのほうに追いつかれていく——その境目が、絵と声の両方でそっと差し出される。派手な見せ場じゃないのに、二回目に見たときいちばん泣きそうになったのはここだった。
読んで見たくなったら——『花とアリス 殺人事件』はU-NEXTで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 事件そのものより、登場人物がなぜそれにこだわるのかを味わいたい人
- ロトスコープやリアルな身体の動きなど、作画の手触りに反応してしまう人
- 思春期の、退屈と孤独と妄想が地続きだった感覚を覚えている人
- 岩井俊二の実写の空気感が好きで、その質感がアニメでどう出るか気になる人
合わない人
- ミステリーとしての驚きや論理的な解決を期待している人
- テンポよく話が転がるエンタメを求めている人
- キャラの輪郭がくっきりした、いわゆるアニメらしい絵を見たい人
次に見るなら
二人の女の子の、近すぎず遠すぎない距離感に痺れたならリズと青い鳥。言葉にならない感情を、音と間と足の運びだけで描く繊細さが地続きにある。
事件もドラマも要らない、日常の手触りだけで泣きたくなったならたまこラブストーリー。なんでもない放課後の積み重ねが、いつの間にか取り返しのつかない一歩になる感覚が近い。
実写のような生々しさと、過ぎ去った時間のにおいに惹かれたならおもひでぽろぽろ。記憶と現在を行き来しながら、地味な感情をどこまでも丁寧に拾っていくところが響くはず。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ | |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
「花とアリス 殺人事件」は、現在U-NEXTとHuluの2つのサービスで視聴できます。どちらの配信サービスでも本作を楽しめますので、すでに加入しているサービスがあれば、そのまま追加料金を気にせず視聴を始められます。気になる方は、ご自身が利用しやすい方を選んでチェックしてみてください。