リズと青い鳥

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2018リズと青い鳥

リズと青い鳥

★ 4.2 / 5.0ドラマ音楽日常系
放送年2018年
フォーマット劇場版
話数1話
原作その他
制作Kyoto Animation

幼なじみの黄前久美子と傘木みぞれは、オーボエとフルートの複雑な二重奏曲「リズと青い鳥」の演奏に向けて練習を重ねている。美しい音色を奏でる二人だが、卒業を控え難しい楽曲に取り組む中で、友情に亀裂が入り始める。彼女たちの物語と、その楽曲が描く物語が交錯していく。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

北宇治高校吹奏楽部。フルートの傘木希美とオーボエの鎧塚みぞれは、長年の親友同士。コンクールの自由曲「リズと青い鳥」に取り組む二人だが、曲中でリズと青い鳥が別れを選ぶクライマックスの独奏パートで、みぞれはどうしても希美の音色に届かない。鳥籠の中の青い鳥と自由を望む少女――物語の中の関係性が、二人の間に横たわる見えない距離を浮かび上がらせていく。

みどころ・魅力

① 足元だけで語る、繊細な心理描写

山田尚子監督の演出は、キャラクターの表情よりも足元・指先・視線のズレを映し続ける。台詞で説明しない分、二人の関係の非対称性がじわじわと伝わってくる。セリフよりも”間”と”動き”で語る演出スタイルは、この作品でひとつの頂点に達している。

② 劇伴と演奏シーンの一体化

牛尾憲輔によるスコアと、作中で演奏される「リズと青い鳥」のオーボエ・フルート二重奏が物語と完全に同期している。みぞれのオーボエが「開花」する独奏シーンは、映像・音楽・感情が重なり合う圧巻の瞬間で、繰り返し観るたびに新たな発見がある。

③ 「好き」の非対称性というテーマ

一方が依存し、一方が気づいていない――という関係の歪みを、善悪や優劣なしに描き切っている。希美とみぞれのどちらにも共感できる構造になっており、観た後に「自分はどちら側だったか」と振り返らせる余韻が長く残る。

キャスト・声優一覧

傘木希美
傘木希美
メイン
›
東山奈央
鎧塚みぞれ
鎧塚みぞれ
メイン
›
種﨑敦美
剣崎梨々花
剣崎梨々花
サブ
›
杉浦しおり
吉川優子
吉川優子
サブ
›
山岡ゆり
中川夏紀
中川夏紀
サブ
›
藤村鼓乃美
リズ
リズ
サブ
›
本田望結
少女
少女
サブ
›
本田望結
高坂麗奈
高坂麗奈
サブ
›
安済知佳
滝昇
滝昇
サブ
›
櫻井孝宏
新山聡美
新山聡美
サブ
›
桑島法子
加藤葉月
加藤葉月
›
朝井彩加
黄前久美子
黄前久美子
›
黒沢ともよ

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スタッフ

監督山田尚子
原作武田綾乃
原案キャラデザ池田晶子
キャラクターデザイン西屋太志
音楽牛尾憲輔
美術監督篠原睦雄
音響監督鶴岡陽太
EDホームカミングス「Songbirds」

関連作品

アニメ

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

OP・ED

ED

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

響け!ユーフォニアムのスピンオフ、と聞いてどこか油断していた。テレビシリーズが好きだったから見に行くか、くらいの気持ちで劇場に入ったら、全然違う映画だった。

いや、同じ世界の話ではある。でも山田尚子監督が作ったのは、音楽の話でも青春の話でもなく、ある種の愛情の歪さについての映画だった。みぞれと希美、二人の関係の非対称性。どちらがより強く相手を必要としているか、というよりも、「必要とされ方」がまるで違う二人。最初に見たとき、それが言語化できないまま胸の奥に引っかかって劇場を出た。

静かな映画だ、というのが正直な第一印象。派手な見せ場もなく、大きな対立もなく、ただ二人の女の子が廊下を歩いたり、オーボエを吹いたり、視線をそらしたりしている。それでも90分があっという間で、気づいたら泣いていた。何で泣いていたのか、しばらく考えた。

好きな相手に自由になってほしい、と思える人間の話

この映画を「百合アニメ」と呼ぶのは間違いではないけれど、それだと何かが欠ける。みぞれと希美の関係が描いているのは、恋愛的な感情というより、人間が誰かを強烈に必要とするとき、その重力がどちら向きに働くか、という話だと思う。

みぞれは希美のためにオーボエを続けてきた。希美がいるから、部活に来られた。希美が見ていてくれるから、吹けた。そういう依存の構造が、みぞれ自身も気づいていない形で、彼女の音に染み込んでいる。種﨑敦美の演技がすごいのは、みぞれが何かを爆発させるシーンではなく、何も言わないシーンで、それが全部滲んでいるところだ。廊下を歩く足音の間隔、視線の落とし方、希美の後ろをついて歩くときの微妙な距離感。言葉より先に体が語っている。

一方の希美は、みぞれを大切に思っている。これは本当だと思う。ただ、希美がみぞれを必要としている重さと、みぞれが希美を必要としている重さは、ぜんぜん違う。そしてその非対称性を希美は薄々わかっていて、だからこそ踏み込めないでいる。東山奈央が演じる希美の明るさには、どこか怖さがある。明るくいることで、何かを遠ざけているような。

劇中劇として語られる「リズと青い鳥」の物語——孤独な少女リズと、人間の姿に化けた青い鳥——が、そのまま二人の関係に重なる仕掛けになっている。ただ、どちらがリズでどちらが青い鳥かは、途中で反転する。というか、最初から正解があったわけじゃなかったのかもしれない。みぞれが自分の音を見つけて、希美の音を超えてしまう終盤の展開は、残酷にも感じるし、解放にも感じる。2回目に見たとき、新山先生(桑島法子)がみぞれを見ている視線の意味がようやくわかって、最初に見たときとは違う場所が痛かった。

この映画が描いているのは、好きな相手に自由になってほしい、と思える強さの話だ。それは美しいけれど、簡単ではない。みぞれにとってのあの結末が「幸せ」かどうかは、正直まだわからない。でも本物だったとは思う。

特に刺さったシーン

終盤、みぞれのオーボエが「リズと青い鳥」の二重奏の中で希美のフルートを越えていくシーン。音楽的な意味での「上手さ」の話ではなく、みぞれの音がはじめて希美という引力から離れて、それ自体として鳴っている瞬間。

映画館の音響でないと、おそらくこの差が体感できない。あの音の変化は、セリフで説明されないし、顔のアップでフォローもされない。ただ音が変わる。スクリーンのみぞれが目を閉じて、何かを手放したような顔をして、吹いている。種﨑敦美がオーボエのブレスのタイミングまで意識して演じているとしか思えないあの数分間、館内がしんとしていた。

もう一つ、希美がみぞれに「音大、行けばいい」と言うシーン。東山奈央の声の処理が絶妙で、励ましているのか、距離を取っているのか、本人もわかっていないような言い方をしている。あそこで希美の複雑さが全部出ていた。好きだから背中を押せる、でも背中を押したら遠くなる、その矛盾をセリフ一行に詰め込んでいる。

読んで見たくなったら——『リズと青い鳥』はABEMAで視聴できる(無料プランあり)。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 人間関係の「重さの非対称性」に覚えがある人。好きな度合いが違う関係を生きてきた人。
  • セリフより間や仕草で語る演出が好きな人。山田尚子作品のファン。
  • ユーフォニアムのテレビシリーズを見ていなくても、二人のことを知らなくても、映画単体で理解できる構造になっている。
  • 劇場の音響で聴くアニメ音楽に価値を感じる人。この映画に限っては、スピーカーの質で体験がかなり変わる。

合わない人

  • ドラマチックな展開や感情の爆発を期待して見ると、かなり拍子抜けするかもしれない。起承転結がほぼない。
  • ユーフォニアムの久美子・麗奈ラインが目当てで来ると、二人はほぼ出ない(黒沢ともよ演じる久美子はちらっと映る程度)。
  • 90分、ずっと静かな映画が続く。眠くなっても仕方ない構造はある。

次に見るなら

響け!ユーフォニアム(テレビシリーズ・劇場版)——同じ北宇治高校吹奏楽部の話。久美子と麗奈の関係を軸に、音楽への執着と青春の痛みを描く。リズと青い鳥の直接的な背景にもなっているので、前後どちらに見ても発見がある。dアニメ・U-NEXT等で配信中。

聲の形——会話ではなく「伝わらなさ」を主軸にした青春映画。リズと青い鳥と同じく、関係の非対称性と、それでも繋がろうとする話。山田尚子監督作ではないが、似た種類の静けさがある。U-NEXT・Amazonプライム等で視聴可能。

たまこラブストーリー——山田尚子監督のもう一本の劇場作品。こちらは一転して軽やかで、「言えない気持ちが言葉になる瞬間」をひたすら丁寧に描く。リズの重さに消耗したあとの口直しにちょうどいい。dアニメ・U-NEXT等で配信中。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+
『リズと青い鳥』は現在、ABEMA・dアニメストア・U-NEXT・Amazonプライムビデオ・DMM TV・Huluで配信中です。主要な動画配信サービスに広く対応しているため、加入済みのサービスからすぐに視聴を始められます。字幕・吹替なしの日本語オリジナル音声で、オーボエとフルートの繊細な演奏をぜひ良い音環境で楽しんでください。

よくある質問

Q. 『響け!ユーフォニアム』を見ていなくても楽しめますか?
A. 本作は希美とみぞれの関係に絞った独立した物語なので、シリーズ未視聴でも十分楽しめます。ただし、二人の背景を知っているとより感情移入しやすくなるため、可能であればTVアニメ2期を先に観ることをおすすめします。
Q. 上映時間はどのくらいですか?
A. 上映時間は約90分です。派手なアクションや複雑なプロット展開はなく、静かで丁寧な時間が続くため、集中して観られる環境がおすすめです。
Q. 子どもと一緒に見られますか?
A. 暴力・性的表現はなく全年齢向けの内容ですが、台詞の少ない心理描写が中心のため、小学校低学年以下には難しく感じるかもしれません。中学生以上であれば共感しやすいテーマです。
Q. 原作はありますか?
A. 武田綾乃による小説『響け!ユーフォニアム』シリーズを原作とし、本作はその外伝的エピソードを映画化したものです。作中の楽曲「リズと青い鳥」は架空の童話をモチーフにしたオリジナル曲です。

まとめ

『リズと青い鳥』は現在、ABEMA・dアニメストア・U-NEXT・Amazonプライムビデオ・DMM TV・Huluで配信中です。主要な動画配信サービスに広く対応しているため、加入済みのサービスからすぐに視聴を始められます。字幕・吹替なしの日本語オリジナル音声で、オーボエとフルートの繊細な演奏をぜひ良い音環境で楽しんでください。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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