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雲のように風のように
| 放送年 | 1990年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | その他 |
| 制作 | Studio Pierrot |
ソカン国は皇帝の死後、皇位継承をめぐる権力争いに揺れている。皇太子は統治を確立するため、ふさわしき皃妃を見つける必要があり、新しい皇妃を求める競争が始まる。素朴で陽気な田舎娘ギンガが皇帝の妃となる競争に参加し、彼女の誠実で純真な姿勢が皇宮の人々に衝撃と活力をもたらしていく。
作品概要・あらすじ
あらすじ
皇帝の崩御により政情不安に陥ったソカン国。次代の皇太子は統治を盤石にするため、正妃を選ぶ大規模な選抜を行うことになった。田舎から参加した素朴な娘・ギンガは、権謀術数が渦巻く後宮の世界に飛び込んでいく。ひたむきで屈託のないギンガの言動は、打算と緊張に満ちた皇宮に予想外の波紋を広げていく。みどころ・魅力
① 後宮という異世界に飛び込む痛快ヒロイン
権謀術数が渦巻く皇宮に乗り込んだ田舎娘・ギンガのキャラクターが最大の魅力。周囲の打算を一切読まずに真っ直ぐ動く姿は、観ていて清々しく、コメディとしても緊張の緩和剤としても機能している。宮廷ものでありながらテンポよく楽しめる。② 1990年らしい劇場版クオリティの映像美
バブル期直後の日本アニメが誇る丁寧な作画と、中国風の衣装・建築が織り成す華やかな舞台設定が見どころ。劇場版ならではの尺の中に凝縮されたドラマと演出密度は、当時のスタジオの技術水準を実感できる一作となっている。③ ラブコメとシリアスが絶妙に交わる構成
後継争いという政治的緊張を背景にしながら、ギンガを中心としたラブコメ的なやりとりが絶妙なバランスで交わる。笑いの中にも人間関係のドラマがしっかり描かれており、ひと粒で複数のジャンルを楽しめる構成になっている。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| キャラクターデザイン | 近藤勝也 |
|---|---|
| 音楽 | 丸谷晴彦 |
| 美術監督 | 池田祐二 |
| 音響監督 | 水本完 |
| ED | 佐野 涼子「雲のように風のように; Like the Clouds, Like the Wind」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
タイトルだけ見て、なんとなく飛ばしてきた作品だった。「雲のように風のように」——詩的すぎる。どうせふわっとした恋愛もので、記憶に残らないやつだろうと決めつけていた。実際に見るきっかけになったのは、90年代アニメを掘っていく中でたまたまdアニメで引っかかったからで、事前情報ほぼゼロ。
見始めた瞬間、そのイメージは崩れた。舞台は中国風の王朝国家、皇妃選定レースという設定が、思ったよりずっと骨太だった。主人公のギンガが田舎から出てきて宮中に放り込まれるまでの展開が早く、最初の10分でもう引き込まれていた。「あ、これちゃんと見るやつだ」と思った瞬間、視聴が終わったあとも頭の中で反芻している自分がいた。タイトルの意味がわかるのは、作品を最後まで見てから。そのとき初めて、「なるほど、これは詩的にするしかないタイトルだ」と理解した。
宮中という「ルールの檻」に、ルールを知らない人間が放り込まれたときに何が起きるか
この作品を単純なシンデレラストーリーとして読むのは、たぶん半分しか見ていない。ギンガが宮中で目立つのは、彼女が特別に賢いからでも、特別に美しいからでもない。ただ、その場のルールを知らないからだ。
宮中に集まった他の候補者たちは、礼儀作法も権謀術数も心得ている。だから彼女たちは「どう見られるか」を常に計算しながら動く。そこにギンガが来て、計算なしに動く。失礼なことを言う。場違いな反応をする。それが周囲を怒らせたり、困惑させたりしながらも、どこかで「正直さ」として刺さっていく。
この構造はよく考えると単純ではない。ギンガが宮中に何かをもたらすのは、彼女が「純粋だから」ではなく、「他の選択肢を知らない状態で誠実に動き続けているから」だと思っている。純粋さと誠実さは別物で、ギンガは前者よりも後者に近い。ちゃんと怒るし、ちゃんと傷つく。だからこそ、彼女の動きが権力構造を揺さぶるシーンは、御伽噺的なご都合主義ではなく、リアルな衝突として見える。
1990年という制作年代も踏まえると、この作品が描こうとしたことが浮かび上がってくる。バブルの絶頂期、組織の論理や「空気を読む」ことへの圧力が強かった時代に、「空気の読めない人間がいると何が起きるか」を宮廷劇に仮託して描いている。その意味で、この作品はちょっとした社会批評でもある。
タイトルの「雲のように風のように」は、ギンガの存在様式そのものだ。掴めない、縛れない、でも確実に何かを動かしていく。見終わったあとにそう気づいたとき、タイトルが詩的なのではなく、このタイトルしかありえなかったんだと思った。
特に刺さったシーン
序盤、ギンガが宮中の作法をまったく無視して動いてしまい、周囲が凍りつくシーンがある。他の候補者たちがひそひそと様子を窺う中、ギンガ本人だけが「何がまずいのかわからない」顔をしている。あそこの間の取り方が絶妙で、笑えるのにどこか切ない。ギンガの声優の演技が、天然でも無知でもなく「ただ、疑問に思ったから聞いた」という感じを出していて、それが作品全体のトーンを決定している。
もう一つは終盤、ギンガが自分の置かれた状況を理解してなお前に進もうとする場面。ここで初めてギンガが「強さ」を見せるが、それは無敵なヒーローの強さではなく、ただ諦めなかっただけの強さだ。その差がちゃんと描かれていて、感情的に引っ張られた。作画のリミテーションはあるにせよ、その瞬間の顔の表情に迷いと決意が同居していて、90年代アニメの誠実さを感じた。
読んで見たくなったら——『雲のように風のように』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 90年代アニメの空気感——あの独特の線の質感と間の取り方——が好きな人
- 中国風の宮廷・王朝ものの設定に引っかかりを感じる人(「彩雲国物語」「暁のヨナ」が好きな層)
- 主人公が「最初から強い」より「気づいたら場を変えていた」タイプの話が好きな人
- タイトルを見て「詩的すぎる」と感じつつも、それを理由に見ない判断ができない人
- 劇場版1本という短さで完結する話を求めているとき
合わない人
- テンポが速い現代アニメに慣れていて、90年代のリズムが「遅い」と感じる人
- キャラクターの内面描写が台詞でちゃんと説明されないと物語に入れない人
- 権謀術数・政治ドラマのどろどろとした部分を期待している人(この作品はそちらには振れない)
- 映像クオリティに現代的な水準を求める人
次に見るなら
彩雲国物語——身分の低い女性が宮廷に入り込んで権力者たちをかき回していく構図が近い。こちらはシリーズものなのでボリュームがあるが、「宮廷もの×変わり者の主人公」という組み合わせが好きなら確実に刺さる。「雲のように風のように」より明確に政治劇の比重が高い。
暁のヨナ——逆境の中で少女が自分の意志を持つようになるまでを丁寧に描く作品。ギンガと違って最初は世間知らずのお姫様だが、変化の軌跡を追う楽しさは近い。作画クオリティが高く、現代アニメとして安心して入れる。
王立宇宙軍 オネアミスの翼——時代・ジャンルはまったく違うが、「平凡な人間が気づいたら場を動かしていく」という構造と、1980〜90年代アニメ特有の誠実さが似ている。「雲のように風のように」で90年代アニメの密度に興味が出たなら、次のステップとしてどうぞ。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『雲のように風のように』はdアニメストアで視聴できます。1990年公開の劇場版アニメながら、痛快なヒロインと宮廷ドラマの組み合わせは今観ても楽しめる作品です。dアニメストアに加入済みの方はすぐに視聴できますので、ぜひチェックしてみてください。
