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少女終末旅行
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | WHITE FOX |
文明は滅亡したが、チトとユーリは生き残った。彼らは愛するケッテンクラッド・バイクに乗り、かつて知っていた世界の廃墟をあてもなく彷徨う。絶望的な毎日を過ごしながら、次の食料とバイクの燃料を探し続ける。しかし二人が一緒である限り、どんなに厳しい現実でも、わずかな光が存在する。
作品概要・あらすじ
あらすじ
文明が崩壊した終末世界。廃墟と化した巨大都市を、チトとユーリの二人が愛用のケッテンクラートに乗ってさまよい続ける。食料も燃料も乏しく、先の見えない旅が続く毎日。それでも二人は笑い、食べ、眠り、たわいない会話を積み重ねながら前へと進む。絶望の中にも確かに息づく小さな温もりと、滅びゆく世界で生きることの意味を静かに問いかける作品。
みどころ・魅力
① 廃墟の静寂が生む圧倒的な世界観
かつて栄えた文明の残骸が幾層にも重なる廃都市の描写は圧巻。機械や建築物の細部まで丁寧に描き込まれた背景美術が、失われた世界のスケールと孤独を視覚的に伝える。音楽の少なさとSEの使い方も相まって、没入感は格別だ。
② チトとユーリの掛け合いが生む”ゆるさ”と哲学
読書好きで慎重なチトと、おおらかで本能的なユーリ。対照的な二人の会話は軽妙でクスッと笑えるが、死・神・戦争・食といった重いテーマを自然と浮かび上がらせる。深刻になりすぎず、でも確かに刺さる絶妙なバランスが魅力。
③ 「終末」を前向きに生きることの静かな力強さ
希望らしい希望が何もない状況でも、二人は今日を生き延び、缶詰の味に喜び、夜空を眺める。その姿は押しつけがましい感動ではなく、じわじわと心に染み入る。見終えた後に「今日もまあよかった」と思えるような余韻を残す作品だ。
キャスト・声優一覧
















スタッフ
| 監督 | 尾崎隆晴 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 筆安一幸 |
| キャラクターデザイン | 戸田麻衣 |
| 美術監督 | 三宅昌和 |
| 音響監督 | 明田川仁 |
| OP | チト「動く、動く」 |
| ED | 末廣健一郎「静寂の旅路」 |
| ED | チト「More One Night」 |
| ED | チト「雨だれの歌」 |
| ED | 末廣健一郎「瞳に映る景色 ~alternative version~」 |
関連作品
アニメ
書籍
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「終末旅行もの」という紹介を見て、もっと重くて暗い話だと思っていた。廃墟と銃と飢えと、なんとなくそういうイメージ。実際に見始めると、最初の数分で拍子抜けする。チトとユーリが言い合いながらケッテンクラートに乗っているだけで、BGMはのんびりしていて、世界が終わっているわりに空気がぬるい。
それがクセになる。2回目に見たとき気づいたのは、この「ぬるさ」が演出の確信犯だということだ。廃墟の描き込みは細かいのに、物語は急かない。ふたりが食料を見つけて「おいしい」と言うだけのシーンが、なぜかちゃんと嬉しい。終わった世界を旅しているはずなのに、どこか羨ましいとすら思う。
何もなくなった世界で、「楽しい」をゼロから作り直す話
この作品をポストアポカリプスものとして語るのは半分しか合っていない。確かに文明は滅んでいるし、チトとユーリは飢えと寒さの中を移動し続けている。でも「少女終末旅行」が実際に描いているのは、そういった過酷さよりも、ふたりが小さな体験のたびに「良かった」と感じる瞬間の積み重ねだ。
缶詰を開けておいしいと言う。雪を食べてみる。廃墟の中でたまたま見つけた音楽プレイヤーから流れてくる音に驚く。こういった場面がこの作品の核心で、それは「極限状態でのサバイバル」ではなく、「何が自分にとって良いことなのかを、ゼロから決め直す行為」に見える。
文明が消えると、積み上げてきた「楽しみ方の文法」も一緒に消える。そこでチトとユーリがやっていることは、誰かが教えてくれた楽しさではなく、自分たちが今ここで感じた反応だけをもとに、価値基準を組み立てることだ。それが、なんとなく羨ましく見える理由だと思う。現実では、何かを楽しむにも「正しい楽しみ方」みたいなものが先に来てしまう。
水瀬いのりの演じるチトが読書に没頭するシーンや、本が失われることへの反応に、その感覚が集約されている。知識と記録への執着は、「何かを残したい・理解したい」という純粋な動機から来ていて、それは文明が終わった後でも消えない。一方のユーリはもっと即物的で、今この瞬間を基準にする。このふたりの差が、作品全体のバランス感覚を作っている。
石田彰が演じるカナザワとの出会いは、この構図を外側から照らす役割を果たす。地図を作ることに全てを懸けていた彼が、それを失ったときの反応は、「意味を自分で作っていた人間が、その意味を失う」というモチーフの直接的な表現だ。声の消え方が静かで、余計に刺さる。
特に刺さったシーン
三石琴乃が演じるイシイが、自分の作った飛行機で空に飛び立とうとするシーンは、2回目に見て初めてちゃんと理解した。最初は「頑張っていたのに残念」くらいの印象で終わっていたのが、見返すと彼女の表情と、その後のふたりの反応の落差に気づく。悲劇として描かれていないのが、むしろ重い。
花澤香菜が演じるヌコが初めて言葉らしきものを発するくだりは、声優の仕事として面白い。セリフではなく音として演じながら、それでもちゃんと「キャラクターがそこにいる」感を作れるのは、積み上げてきた仕事量が出ている部分だと思う。梶裕貴の自律機械も短い登場のわりに存在感があって、「なぜこれを作ったのか」という問いへの答えが台詞に含まれている。あのやりとりは、チトとユーリがなぜ旅を続けているのかという問いと、構造的に同じ形をしている。
読んで見たくなったら——『少女終末旅行』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- ストーリーよりも空気感や雰囲気で作品を選ぶ人
- 「何も解決しなくていい」と思えるタイプの視聴者
- 廃墟や滅びた文明の描写を見ているだけで満足できる人
- ふたりの会話のテンポが合う人(合う・合わないがはっきり出る)
- 余韻を自分で考えたい人
合わない人
- 明確な目的地とカタルシスを求める人
- 「で、結局どういう話なの?」と言いたくなる人
- キャラクターに感情移入してハラハラしたい人
- 1話ごとに何かが進展しないと物足りない人
全12話を見終わって何かが解決するわけではない。それが不満になるかどうかで、この作品との相性はほぼ決まる。
次に見るなら
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(2017年版)——ひとりと一台のバイクで世界を旅しながら、各地の「国」の在り方を観察する話。少女終末旅行と同じく、旅そのものが目的で、目的地の概念が薄い。物語の解像度とドライさが似ている。
ハクメイとミコチ——文明の規模は全然違うが、小さな日常の豊かさを丁寧に描く姿勢が近い。「食べる・作る・眠る」という行為がちゃんと画面の中で意味を持っている作品で、少女終末旅行の「缶詰を食べて嬉しい」という感覚が好きだったなら、間違いなく合う。
NieA_7——かなり古い作品だが、廃れた社会の片隅で目的もなくふわふわ生きているキャラクターを軸にした日常ものとして、ルーツを感じる。雰囲気優先・低テンション・終末感のある日常というフォーマットに馴染みがあれば。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
『少女終末旅行』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluの4サービスで配信中。主要な動画配信サービスで広くカバーされているため、すでに加入中のサービスからすぐに視聴を始められる。じっくりと世界観に浸れる全12話構成なので、ぜひ1話から通して見てほしい。
よくある質問
まとめ
『少女終末旅行』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluの4サービスで配信中。主要な動画配信サービスで広くカバーされているため、すでに加入中のサービスからすぐに視聴を始められる。じっくりと世界観に浸れる全12話構成なので、ぜひ1話から通して見てほしい。


