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東京BABYLON
| 放送年 | 1992年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 2話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | MADHOUSE |
皇昴流は陰陽師の最高位にある巫族の第13代当主である。昴流は建設現場の除霊を依頼されるが、依頼者が謎の死を遂げる。唯一の容疑者は、死ぬはずの状況から何度も逃れる男だ。やがて昴流は、その男が自分の兄を殺したと言い張り、呪いをかけようとする若い女性に出会う。昴流は依頼者の死の真相を解き明かさねばならない。
作品概要・あらすじ
あらすじ
陰陽師の名家・皇家の第13代当主、皇昴流は建設現場の除霊を依頼されるが、依頼者が謎の死を遂げてしまう。唯一の容疑者は、死ぬはずの状況から何度も生き延びる不可解な男。昴流はやがて、その男が自分の兄を殺したと信じる若い女性と出会い、呪いの連鎖に巻き込まれていく。事件の真相を追ううちに、昴流は人間の業と超自然の力が交差する闇の深さに直面することになる。みどころ・魅力
① CLAMPが描く耽美な世界観と緻密な画
原作はCLAMPによる同名漫画。OVAでもその繊細かつ耽美な絵柄が忠実に再現されており、1990年代のアニメ美術の高水準を今に伝える。呪術や霊的な演出と美麗なキャラクターデザインの融合が、独特の緊張感を生み出している。② 超自然×都市ミステリーという異色の組み合わせ
バブル期の東京を舞台に、陰陽師の除霊依頼と連続する不審死が絡み合う構成が秀逸。現代社会の歪みと呪術世界が交差するダークな雰囲気は、単なるホラーに留まらない重厚なミステリーとして楽しめる。③ 昴流とセイシロウの関係性が生む緊張感
主人公・昴流と謎めいた男・セイシロウとの間に漂う複雑な関係性が物語の核心。表向きは穏やかながら底知れない不穏さを帯びた二人の絡みが、作品全体に独特の緊張感と余韻を与えている。キャスト・声優一覧






















スタッフ
| 監督 | 千明孝一 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 高橋久美子 |
| ED | 松岡 秀明「Kiss Kiss」 |
| ED | 松岡 秀明「Deja Vu」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
XXXHolicを見ていて「桜塚すばるって何者なんだ」という疑問が残ったのがきっかけだった。東京BABYLONというタイトルは知っていたが、92年のOVAだし原作マンガも読んでいないしで後回しにしていたやつ。先にX/1999を少し見ていたから、昴流と星史郎の関係の「結末側」をうっすら知った状態で見るという、最悪の順番で見ている。
それでもOVAを再生して5分で「ちゃんと見ないといけない」と思い直した。バブル崩壊直後の東京——コンクリートと建設現場と、使い捨てられていく人間関係——がそのまま怪異の発生源になっている密度が、32年前の作品と思えない。山口勝平の昴流の声が当時の音域で聴くと驚くほど中性的で、2回目は子安武人の星史郎のセリフのトーンだけを追って見た。あの穏やかさが怖い。
このOVAはTVシリーズではなく、CLAMPの原作マンガの一部エピソードを映像化したもの。単独でも見られるが、東京BABYLONという物語の「出発点」として機能している。X/1999、そしてXXXHolicへとつながる昴流の長い物語が、ここから始まる。
「善意」は東京を救えない——それでも祈ることをやめない陰陽師の話
このOVAを「CLAMPの古い耽美系作品」と片付けると本質を見逃す。東京BABYLONが描いているのは、呪術アクションの皮をかぶった「現代都市の病理」だ。
昴流が請け負う依頼は、除霊や祓いであっても、根を辿れば人間の問題に行き着く。工事現場の霊障は死者の「無念」から来ていて、その無念が生まれた背景にはバブル経済が生み出した使い捨ての雇用構造がある。92年当時のリアルな東京が、そのまま怪異として可視化されている。耽美な絵柄の奥に、非常に冷たい社会批評がある。
昴流というキャラクターの核心は「善意の限界」だと思っている。誰に対しても誠実に向き合い、依頼者の痛みを本当に受け取ろうとする。それが彼の陰陽師としての力の源泉でもあるし、致命的な弱点でもある。傷ついた人間の呪いと怒りを受け続けることで、昴流自身がじわじわと消耗していく構造が、このOVAにすでに埋め込まれている。
子安武人が演じる桜塚星史郎との関係も、「善意の消耗」と切り離せない。星史郎は昴流に優しい。が、その優しさの底に何があるかは、このOVA単体では見えない。東京BABYLONの全体像を知った状態で見ると、92年OVAのすべてのやり取りが違う色をしている。これがXXXHolicやX/1999と地続きであることの意味で、このOVAはその長い物語の最初の一歩だ。昴流がなぜあの世界でああいう存在になったのか——そのルーツが、ここにある。
特に刺さったシーン
終盤、若い女性が兄の仇に呪いをかけようとするくだりで、昴流が彼女の怒りを真正面から受け止めるシーンがある。ここで山口勝平の演技が一段階変わる。「わかってあげようとしている人間」の声から「本当にわかってしまった人間」の声に切り替わる瞬間があって、思わず一時停止した。
怒りを持つ人間に「あなたの怒りは正しい」と言える人間は実際ほとんどいない。たいていは「でも呪いはだめ」という着地に急ぐ。昴流はそこで急がない。その「急がなさ」が山口勝平の間の取り方にそのまま出ていて、32年前の演技がこれだけ機能しているのかと感心した。
山寺宏一の山川は出番が短いが、ああいう「普通の人間」の声がOVAに地に足をつけさせている。飛田展男の刑事も同様で、超自然的な話の中に現実の摩擦を持ち込む役割を担っている。92年OVAはこういう「脇の人間の解像度」が高い作品が多い。それは今の作品が少しずつ失いかけているものだと思う。松本保典の犯人役も、おかしいとわかっていても同情の余地を残す絶妙な温度で、単純な悪役にしていない。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- XXXHolicやX/1999から入って「昴流のルーツを見たい」と思った人
- CLAMPの耽美さと社会性が同居する作風が好きな人
- 90年代OVAの「尺が短い分だけ密度が高い」フォーマットに慣れている人
- 子安武人の「優しい声が一番怖い」系の演技が好きな人
- 呪術・陰陽師ものの源流を辿りたい人
合わない人
- 一本で完結する話として見たい人(このOVAは「入口」なので消化不良感が残る)
- 派手なアクションやバトルを期待している人(雰囲気と謎解き・人間関係がメイン)
- 現代基準の作画クオリティを前提にしている人
- 東京BABYLON以降の物語(X/1999・XXXHolic)に興味がまったくない人
次に見るなら
X/1999(1996年劇場版)——東京BABYLONの「続き」に直結する作品。昴流と星史郎の物語の結末はここにある。劇場版は1時間半で一応の着地があり、東京BABYLONを見た後に見ると序盤だけで気持ちが持っていかれる。CLAMPの長い伏線回収の場所でもある。
XXXHolic(2006年TVシリーズ)——時系列的には後日談にあたるが、こちらから入った人も多い。「呪いと願いと等価交換」というテーマが一貫していて、昴流が再登場したときに何が起きているのかを知っていると、また別の層で楽しめる。CLAMPのマルチバース感を最も体感できる作品。
地獄少女(2005年)——「呪いの依頼を受ける」という構造で、現代の孤独と恨みを怪異として描く。東京BABYLONよりずっと暗いが、「依頼者の痛みを正面から受け取る」というトーンは近い。怪異を通して社会の歪みを描くという方向性が好きな人向け。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現時点で『東京BABYLON』の配信サービスへの配信は確認されていません。視聴にはDVDやBlu-rayなどの物理メディアを探すのが現実的な方法です。CLAMPファンや90年代OVAに興味がある方はぜひチェックしてみてください。
