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おもひでぽろぽろ
| 放送年 | 1991年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Studio Ghibli |
岡島武子は大都市の大企業で働く典型的なOLである。義兄の故郷である山形県の田舎で休暇を過ごすことになり、その旅は小学5年生の時の思い出を呼び起こす。山形滞在中、農業に従事し、親切な親戚や村人に囲まれながら幸福感を感じ、さらに多くの思い出がよみがえる。彼らのおもてなしが懐かしい記憶をもたらす。
作品概要・あらすじ
あらすじ
岡島タエ子は東京で働く27歳のOL。これまで「田舎」を持たなかった彼女は、姉の夫の親戚が暮らす山形へ、紅花摘みの手伝いを兼ねた休暇に出かけます。その道中、ふいによみがえるのは小学5年生だった自分の思い出。淡い初恋やわがままだった日々、家族とのやりとりが、現在のタエ子に寄り添うように交互に描かれていきます。農作業に汗を流し、温かな親戚や村人と触れ合ううちに、彼女は少しずつ「本当の自分」と向き合い始めます。懐かしい記憶が、これからの生き方をそっと照らし出していく物語です。
みどころ・魅力
① 二つの時間軸が織りなす繊細な心理描写
高畑勲監督が、27歳の「現在」と小学5年生の「思い出」を巧みに交差させて描きます。過去の記憶が現在の選択にそっと影響していく構成は、観る人それぞれの記憶までも呼び起こします。誰の心にもある懐かしさを丁寧にすくい上げた語り口が大きな魅力です。
② 山形の自然と紅花摘みの美しい情景
舞台となる山形の農村風景や、夜明けの紅花畑の描写は息をのむ美しさです。農作業の手触りや土の匂いまで伝わってくるようなリアリティがあり、働くことの尊さや自然とともにある暮らしの豊かさが、画面いっぱいに広がります。
③ 大人になった今だからこそ響く普遍性
子供時代の「あるある」な失敗や思春期の戸惑いが、ユーモアを交えて描かれます。同時に、進路や生き方に迷う大人の姿も重なり、世代を問わず自分の人生を振り返りたくなる一作です。
キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 高畑勲 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 近藤喜文 |
| 音楽 | 星勝 |
| 美術監督 | 男鹿和雄 |
| 音響監督 | 浅梨なおこ |
| OP | Muzsikás「Teremtés」 |
| ED | 都はるみ「愛は花、君はその種子; Love Is a Flower, You Are the Seed」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
正直に言うと、ずっと見ていなかった。ジブリは一通り押さえているつもりでいて、棚卸ししてみたら穴がいくつかあって、その筆頭がこれだった。配信を片っ端から探しても、どこにも置いていない。あるのは宅配レンタルのディスクだけ。逆に意地になって、ディスクを取り寄せてようやく再生ボタンを押した。最初は「田舎で休暇を過ごすOLの話」くらいの軽い気持ちで、たぶん30分で眠くなるんだろうと踏んでいた。眠くならなかった。それどころか、27歳の岡島タエコが小学5年生の自分を引きずったまま山形へ向かう、その妙な二重構造に、開始10分で背筋を伸ばして座り直していた。期待していなかったぶん、不意打ちみたいに効いた一本だった。
27歳のタエコが、小学5年生の自分を連れて旅をする話
この作品は単なる田舎ノスタルジーの話ではなくて、「あのときの自分が、いまだに精算されずに残っている」という話だと思っている。タエコは都会で働く、わりとどこにでもいるOLだ。大きな野心があるわけでもなく、かといって今の暮らしに完全に満足しているわけでもない。その彼女が山形へ向かう列車のなかで、なぜか小学5年生の記憶が次々とよみがえってくる。割り算の分数がどうしても理解できなかったこと。家族で初めて口にした南国の果物が、想像していた味と全然違ってがっかりしたこと。どれも世界がひっくり返るような大事件ではない。むしろ、思い出すほどでもない些細なことばかりだ。
でもその「些細なこと」を、高畑勲は一切ごまかさずに、等身大のまま並べていく。普通の人間の、なんでもない記憶。それを劇映画として2時間かけて描ききるという選択が、まずもって尋常じゃない。そして物語が進むうちにわかってくる。タエコは過去を懐かしんでいるんじゃなくて、あのとき着替えそびれた自分の皮を、いまだに脱げずにいるのだ。「なりたかった自分」と「なってしまった自分」のあいだで、ずっと宙づりになっている。だから10歳のタエコが、27歳のタエコの旅にずっと付いてくる。あれは幽霊でも回想でもなく、未完了のまま放置された感情そのものなんだと思う。見終わってしばらく経ってから、自分にも精算しそびれた10歳がいることに気づかされて、それが地味に長く尾を引いた。
特に刺さったシーン
刺さったのは派手な場面じゃない。小学校時代の教室のやりとりだ。子供たちの会話が、とにかく嘘くさくない。台詞の被せ方、間の悪さ、変なところで盛り上がって変なところでシラけるあの感じ。大人が「子供らしさ」を想像で作るとどうしても角が取れてしまうのに、ここにはちゃんと、こっちが見ていて気まずくなるくらいの生々しさがある。クラスメイトの谷ツネ子を演じた飯塚雅弓の声がまた良くて、作りすぎていない、本当にそのへんにいる女の子の声なのだ。後年たくさんの作品に出ていく人だけれど、ここでの飾らない芯の通り方は、振り返るとちょっと特別に聞こえる。あと、序盤の食卓まわりの一幕で、家族の期待と現実がそっとズレる瞬間があって、思わず「あー、これこれ」と声が出た。誰もが一度は通った、小さな失望の手触り。そこを笑いにも泣きにも振らず、ただ淡々と置いていく胆力に、二度目を見たくなった。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。TSUTAYA DISCASの30日間無料トライアルでレンタル代ゼロで見れる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 派手な事件が起きなくても、人の感情の機微だけで2時間もつタイプの人
- 子供のころの「なんでもない記憶」を、ふとした拍子に思い出して立ち止まることがある人
- 高畑勲の、生活の手触りを徹底して描く演出が好きな人
- 都会と田舎、どちらの暮らしにも完全には乗りきれていない感覚を持っている人
合わない人
- 物語に明確な起承転結やドラマチックな山場を求める人
- テンポの速い展開が好きで、静かな間が続くと退屈してしまう人
- ノスタルジーや回想ベースの作品が苦手な人
次に見るなら
静かな余韻が好きなら海がきこえるへ。こちらも地方と若さ、過ぎ去った時間を扱っていて、おもひでぽろぽろの「精算しそびれた感情」と地続きの手触りがある。少し背伸びした年代の記憶を覗きたいなら耳をすませばもいい。なりたい自分と現実の距離、という意味でテーマが重なる。もっと深く、生活と記憶の重みに踏み込みたいならこの世界の片隅にを。なんでもない日々を丁寧に積み上げていく姿勢が、高畑勲のそれと響き合っている。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | — | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
本作は、定額制の配信サービスでの取り扱いは確認できませんでした。視聴を希望される場合は、公式情報や各サービスの最新の配信状況をご確認いただくのが確実です。配信ラインナップは時期によって変わることもありますので、こまめにチェックしてみてください。
よくある質問
まとめ
本作は、定額制の配信サービスでの取り扱いは確認できませんでした。視聴を希望される場合は、公式情報や各サービスの最新の配信状況をご確認いただくのが確実です。配信ラインナップは時期によって変わることもありますので、こまめにチェックしてみてください。
