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ムタフカズ -MUTAFUKAZ-
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | その他 |
| 制作 | Studio 4°C |
ダークミート・シティに住む無一文のアンジェリーノは、美しき謎の女性が引き起こしたスクーター事故に巻き込まれる。その後、彼の人生は悪夢へと変わる。街中で怪物のような姿が徘徊しているのを目撃し始めるのだ。アンジェリーノは正気を失っているのか、それとも静かに宇宙人の侵略が起きているのか―
作品概要・あらすじ
あらすじ
舞台は退廃的な都市・ダークミート・シティ。行き当たりばったりの生活を送るアンジェリーノは、謎の美女が引き起こしたバイク事故をきっかけに、街に潜む異形の存在を目撃するようになる。幻覚なのか、それとも現実なのか——真実を追ううちに、彼は自分自身の出生と、静かに進行していた宇宙人による侵略計画の核心へと引き込まれていく。
みどころ・魅力
① フランスと日本が融合した唯一無二のビジュアル
フランスのコミック作家Guillaume “Run” Renardの原作を、日本のアニメスタジオWILD BUNCHと東映アニメーションが共同制作。グラフィティアート的なカラーリングと日本的なアニメーション技法が混ざり合った、世界でもほぼ類を見ないスタイルで映像化されている。
② コメディと陰謀論SFが共存するジャンルレスな物語
底辺の日常を描くドタバタコメディとして始まりながら、徐々に宇宙人侵略という壮大なスケールへと転換する構成が特徴。笑いと緊張感が共存し、予測不能な展開が最後まで飽きさせない。
③ 日本語吹替版で豪華声優陣が参加
日本語版ではアンジェリーノ役に落合福嗣、ワデム役に木村昴が起用され、個性的なキャラクターに命を吹き込んでいる。原語のフランス語版と聴き比べることで、それぞれの解釈の違いを楽しむことも本作ならではの鑑賞スタイルといえる。
キャスト・声優一覧










スタッフ
| 監督 | 西見祥示郎、Guillaume Renard |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 西見祥示郎 |
| 美術監督 | 木村真二 |
| ED | Carlos Milan Rosa & Niko Noki「デ・ラ・カジェ・ムタフカ」 |
| ED | ウィリー(三嶋章之介)「The King of DMC 〜theme〜」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「フランス発のアニメ」という情報だけで、どこか身構えてしまっていた。欧米産のアニメーション、しかも日本配給。こういうものはだいたい「あっちのセンスで日本アニメっぽいものを作ってみました」という仕上がりをしていて、どこかちぐはぐな感触が残る。そんな先入観を抱えながら劇場に入った。
スクリーンに広がったのは、想像とは別の何かだった。絵柄が独特すぎる。主人公アンジェリーノの頭部は炎であり、街は廃墟と煤けた光に満ちている。これはジャンルとしての「アニメ」というより、動くグラフィックノベルだった。最初の10分で「あ、これは合う合わないが真っ二つに割れるやつだ」と悟った。そして自分は割れた「合う」側にいた。
「見えてしまった者」の孤独——正気と狂気の境界線が持つ意味
この映画の本質は、宇宙人の侵略でも、ダークミート・シティの治安でもない。「自分だけに見えているものを、周囲に信じてもらえない状態で生きる」という体験を、エンターテインメントの皮を被せて描いた作品だと思っている。
アンジェリーノは街中で怪物を目撃する。誰も気にしていない。日常が続いている。彼だけが「変なもの」を見ている。これは精神医学的な文脈で言えば解離や幻覚の描写として読めるし、陰謀論的文脈で読めば「真実を知った者の孤立」にもなる。どちらの解釈を選ぶかは観客に委ねられているが、どちらに転んでも「見えてしまった者は苦しい」という核は変わらない。
フランス産のこの作品がとりわけ面白いのは、その「孤立した認識」を悲劇としてではなく、荒廃したユーモアの中に埋め込んでいる点だ。アンジェリーノはある種の底辺層として描かれ、彼が何かに気づいても「また変なこと言ってる」で処理される。これは社会的な弱者が「声を上げても聞いてもらえない」という構造の暗喩でもあり、それをオカルト侵略SFというオブラートに包んでいる。バンド・デシネ文化圏の作家が日本アニメの文法を使うと、こういうダブルバインドな読み方ができる作品になるんだなと、妙に感心した。
上坂すみれが声を当てるルナというキャラクターは、そのテーマの中で重要な位置を占める。彼女の演技は終始どこか余所余所しく、人間的な体温が薄い。その「距離感」が、物語が進むにつれて別の意味を帯びてくる。上坂すみれという声優が元々持っている独特の「機械的な知性」みたいなニュアンスが、ここでは正確に機能していた。声と役の相性という意味では、かなり精度の高いキャスティングだと思う。
単なるアクション映画でも、単なるSFコメディでもない。「見えてしまった者が、正気であることを証明するためにどれだけのものを失うか」——この映画はその問いを、派手な映像と乾いた笑いの中に隠している。
特に刺さったシーン
序盤、アンジェリーノが初めて怪物的な何かを目撃して混乱するシーンがある。映像的には激しい演出が続くのだが、周囲の人々の反応は完全に「無」だ。バスが走り、人が歩き、世界が続いている。その温度差が妙にリアルで、笑えるような笑えないような不快感があった。劇場の音響でそれを体験すると、サラウンドの使い方が巧みで、アンジェリーノの「一人だけ違う音を聞いている感」が増幅される。映像的には派手なのに、どこか密室恐怖に近い感触。ああいう場面はスクリーンのサイズと音圧があってこそ成立する。
もう一つは、ルナが絡む中盤の場面。上坂すみれの声が急に「人間っぽさのない滑らかさ」に振れる瞬間があって、それまでの会話との落差が小さいようで大きい。気づいてから振り返ると、最初から「そうだったのか」という仕掛けが随所にあって、もう一度劇場で観た人間だけが得られる体験だと思う。今は劇場でしか見られないこの時期に、その発見ができるかどうかが分かれ目になる。
読んで見たくなったら——『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- フランスのバンド・デシネ(グラフィックノベル)文化に触れたことがある人
- アキラ・鉄コン筋クリートのような「廃墟都市×青年」系が好きな人
- 「意識がある者だけに見えるものがある」系の語り口に惹かれる人
- 声優の「演技の匙加減」を細かく追う習慣がある人
- 主流の絵柄ではなく癖のある画面を積極的に好む人
合わない人
- 日本アニメ標準のキャラデザを期待している人(かなり異なる)
- 整合性のある設定とスッキリした謎解きを求めている人
- コメディとシリアスの振れ幅が大きい作品が苦手な人
- 尺の短さに対してキャラクターの掘り下げを強く求めるタイプの視聴者
次に見るなら
鉄コン筋クリート——廃墟と化した都市で生きる少年たちの話。世界の「見え方」が人によって違うことへの執着という点で、ムタフカズと地続きの感触がある。松本大洋原作、マイケル・アリアス監督。映像密度がとにかく濃く、見た後しばらく頭に残る。
マインドゲーム——湯浅政明監督の初長編。「普通ではありえない体験をした男の話」という骨格は同じだが、こちらはひたすら生への衝動に満ちている。絵柄の癖という点ではムタフカズ以上かもしれない。見た後の「なんか変なものを見てしまった」感が近い。
AKIRA——1988年の大友克洋作品。ダークミート・シティのモデルになったであろう退廃的な都市と、体制から見えないところで進む陰謀というテーマは完全に共鳴する。こちらを先に見ていなければ、ムタフカズの「先祖返り」として機能する一本。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』は、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluで配信中です。複数のサービスで視聴できるため、すでに加入しているサービスからすぐに楽しめます。独自のビジュアルスタイルと予測不能なストーリーは、ぜひ一度体験してみてください。
よくある質問
まとめ
『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』は、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Huluで配信中です。複数のサービスで視聴できるため、すでに加入しているサービスからすぐに楽しめます。独自のビジュアルスタイルと予測不能なストーリーは、ぜひ一度体験してみてください。
