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あばしり一家
| 放送年 | 1991年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 4話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Studio Pierrot |
阿波志里一族は最悪の犯罪組織である。パパ・阿波志里は、娘のククノスケを上品な淑女として育てるため、エリート寄宿学校に入学させることを決める。しかし、この学校は生徒を卒業させるつもりがない。狂った教職員たちが待ち受ける中、ククノスケは学園を生き残らねばならない。
作品概要・あらすじ
あらすじ
日本最凶の犯罪一家・阿波志里家のひとり娘、ククノスケ。荒くれ者ばかりの環境で育った彼女を、パパは「一人前のお嬢様」に仕立てあげようと、名門の全寄宿制学校へ送り込む。ところがこの学校、表向きはエリート校だが、その実態は正気を失った教職員たちが生徒を支配する恐怖の巣窟だった。卒業生をひとりも出さないという魔の学園で、ククノスケは一家直伝の根性と怪力を武器に、次々と牙をむく狂気の脅威へ真っ向から立ち向かっていく。みどころ・魅力
① 永井豪ワールド全開のギャグとバイオレンスの融合
本作は『デビルマン』『マジンガーZ』で知られる永井豪の漫画が原作。荒唐無稽な設定とぶっ飛んだキャラクターたちが繰り広げる激しいアクションと下品なまでのコメディが渾然一体となっており、1991年制作ながらそのパワーは色褪せない。独特のクセの強さがクセになる作品だ。② お嬢様を目指す最強の問題児・ククノスケの魅力
主人公ククノスケは、犯罪一家育ちの荒っぽさと「お嬢様になりたい」という純粋な願望を同時に持つ異色のヒロイン。礼儀を学ぼうとするほどに事態が混乱していくギャップが笑いを生み、どんな敵にも怯まない豪快な姿には思わず応援したくなる愛嬌がある。③ 狂気の教職員たちが支配する魔の学園という舞台
「生徒を卒業させない」という前代未聞のコンセプトを持つ学校が舞台。登場する教師・職員はひとりひとりが個性的な狂気を抱えており、次々と新たな脅威が現れる構成はまるで関門を突破していくゲームのようなテンポの良さを生み出している。キャスト・声優一覧






















スタッフ
| 監督 | 渡部高志 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 粟井重紀 |
| 音響監督 | 岩浪美和 |
| OP | 「”Yasashiku Nankanai!” by Tonguu Kyouko」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
永井豪、という名前を見て一瞬止まった。デビルマン、マジンガーZ——もちろん知っている。ただ「知識として知っている」と「リアルタイムで体験している」は全然違う。後追いで教科書的に学んだ世代として、このOVAも正直なところ「義務感」に近い動機で見始めた。
あばしり一家は1991年制作のOVAで、永井豪の同名漫画が原作。TVシリーズの外伝や補完ではなく、原作の世界観をそのまま動かした作品に近い。なので漫画未読で入ると物語の「乗り方」が独特に感じる場面もある。「昭和の漫画をOVAに変換した」という前提を持っておくと、少し入りやすい。
最初に見たとき、開幕30秒で察した。理屈より勢いで押し切るやつだ。2回目で気づいたのは、これが意外と父と娘の話をちゃんとやろうとしているということだった。
犯罪一家の父が娘に「品格」を求める——制度という権力の滑稽さを暴く話
この作品の核心は、構造として読むとかなり面白い場所にある。最悪の犯罪組織の頭・あばしりが「娘だけは上品な淑女に育てたい」という歪んだ愛情を持っていて、エリート寄宿学校に送り込む。ところがその学校は「生徒を卒業させない」仕組みを持っていた。
表面はバイオレンスコメディだが、見方によっては「管理された制度が個人を閉じ込める構造への反発」として読める。学校はもともと卒業するための場所のはずなのに、教職員が機能不全を起こしていて脱出不可能になっている。ここに犯罪一家という「社会のアウトサイダー」が挑む、というねじれた図式が生まれる。
永井豪の作品には一貫してこの「権力・制度への皮肉」がある。ハレンチ学園の学校批判、マジンガーZの「超兵器を持った人間の責任」問題。あばしり一家も荒唐無稽な笑いの皮をかぶりながら、「こんなシステムぶっ壊してしまえ」という観客の快感に応えることで成立している。
「娘に品格を」という父の願いがどこに着地するかより、その過程でシステムがいかに滑稽で脆いかを見せることにこの作品の快感がある。单なる笑いではなく、永井豪らしい「社会への乾いた皮肉」が機能している部分で、これが1991年のOVAとして今見ても引っかかりを残す理由だと思う。
特に刺さったシーン
千葉繁が演じるあばしり五エ門の声が、この作品を「音」として一番強く刻んでいる。あのしゃがれた、しかし妙に情感のある声質で父親としての凄みとおかしさを同時に乗せてくる。千葉繁はコメディ側の仕事で幅を利かせてきた人だけど、ここでは「笑えるのに怖い」という絶妙な綱渡りをやっていて、2回目で聞くとその演技のバランス感がよくわかる。
玄田哲章が演じる亜馬尻直次郎は対照的に「権威側の重さ」を体現していて、あの低音がシーンの圧力をそのまま作っている。千葉繁と玄田哲章の声がぶつかる場面は、この作品のテンション感の核になっていた。1991年にこの二人が同じ画面にいるというだけで、当時のアニメファンへのリーチが相当あったはずだ。
ククノスケが学校という異物の中に放り込まれていく序盤の流れは、コメディとして笑えるのに、同時に妙な居心地の悪さも来る。制度が「正常」として機能しているふりをしながら実は狂っているシーンの不条理感は、ギャグとして処理されているけど、見ているとなんとなく笑えない部分が残る。そこが個人的には一番刺さった。
読んで見たくなったら——『あばしり一家』はDMM TVで視聴できる(14日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 永井豪の漫画をひとつでも読んだことがある人(原作との変換を楽しめる)
- 80〜90年代のバイオレンスコメディOVAを後追いで発掘しているタイプ
- 「ストーリーの整合性より勢い」という視聴スタイルが自分の中にある人
- 千葉繁・玄田哲章の古い仕事を音として体験したい人
合わない人
- 設定や世界観の一貫性を重視する人
- ギャグとしての暴力描写に引っかかりがある人
- 昭和的な女性キャラクターの描き方が受け付けない人
- 「時代的な文脈抜きで評価できる作品」しか見たくない人
次に見るなら
同じ永井豪作品で「笑いと暴力と社会批判が混在する」文脈を深く掘りたいならキューティーハニー(1973年TVシリーズ)がある。変身ヒロインがシステムを破壊する快感はあばしり一家と共鳴する部分が多く、こちらはキャラクターとして入りやすい分、原作へのとっかかりにもなる。
時代を少し戻して永井豪の核心に触れたいならデビルマン(各種OVA版)に進むのが筋だと思う。荒唐無稽さの奥にある「人間と悪魔の境界」テーマは重いが、あばしり一家でこの作家に引っかかりを感じたなら次に行く場所はここだ。
同時代のOVAとして似た文脈を探すならプロジェクトA子(1986年OVA)が近い。学園を舞台にしたハチャメチャな構造と90年代OVA特有の勢い感は、あばしり一家と同じ「理屈より体感」のカテゴリにある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『あばしり一家』OVAはDMM TVで配信中です。永井豪ワールドならではの豪快なギャグとアクションが楽しめる1991年の作品を、気軽に視聴できます。往年のOVAブームを支えた一本として、ぜひチェックしてみてください。