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ブルーサーマル
| 放送年 | 2022年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Telecom Animation Film |
長崎から「キラキラした恋がしたい!」という願いを持ってやってきた田巻つる。高校時代はバレーボールのことしか考えていなかったが、大学のサークル選びで航空部の試験中にグライダーをぶつけてしまい、弁償することになる。キャンパスライフに幻滅しかけた彼女だったが、やがて新しい世界が広がっていく。
作品概要・あらすじ
あらすじ
長崎から「キラキラした恋がしたい!」と夢を抱いて上京した大学1年生・田巻つる。ある日、航空部の入部試験に居合わせたことで偶然グライダーを破損してしまい、弁償のために部に強制入部させられる。右も左もわからないまま大空と向き合ううちに、つるはグライダーの魅力と可能性に引き込まれていく。青春と空、そして人との絆を描いた胸熱なスポーツ青春劇。みどころ・魅力
① 大空を翔けるグライダーの圧倒的な映像美
エンジンなしで風だけを頼りに飛ぶグライダーの浮遊感が、丁寧なアニメーション表現で描かれる。上昇気流に乗る瞬間のスリルや、雲の上から見下ろす雄大な景色は劇場版ならではのスケールで体感できる。② ひょんなことから始まる異色の青春成長譚
恋愛目当てで大学生活をスタートしたつるが、予期せぬ出会いをきっかけに本気でグライダーに向き合っていく過程は王道でありながら爽快感がある。スポーツに打ち込む喜びと葛藤がリアルに描かれている。③ キャラクター同士の掛け合いと熱い人間ドラマ
個性豊かな航空部のメンバーや先輩との関係性が丁寧に描かれ、単なるスポーツアニメにとどまらない厚みがある。つるの成長を見守る周囲の人物たちの存在が、物語に温かみと深みを与えている。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 橘正紀 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 谷野美穂 |
| 美術監督 | 山子泰弘 |
| 音響監督 | 山口貴之 |
| ED | SHE’S「Blue Thermal」 |
感想・評価
最初に見たとき——グライダー、という時点でもう負けを認めた
正直に言うと、「グライダーの話」と聞いた瞬間に見る気になった。スポーツアニメの題材としてグライダーを選ぶのは、かなり変わった賭けだと思う。速さを競うわけでも、得点が入るわけでも、わかりやすい身体能力の見せ場があるわけでもない。熱気流(サーマル)に乗って高度を稼ぐ、その繊細さをどうアニメにするのかが最初の疑問だった。
見始めると、主人公・田巻つるの動機がいかにも「大学入りたて」で良かった。恋がしたくて長崎から出てきた、というのはちょっと間が抜けているようで、でも嘘がない。グライダーをぶつけて弁償という入口のドタバタは、航空部という閉じた世界に無関係な人間を引きずり込む装置として機能している。2回目に見たとき、序盤の彼女の目線の動きがずっと「空ではなく地上」にあるのに気づいて、それだけで演出の丁寧さが伝わってきた。
空に出ると、地上の「なりたい自分」が剥がれ落ちる話
ブルーサーマルを「スポーツ青春もの」と分類するのは間違っていないが、それだとこの作品の芯を外す気がする。つるが最初に持っていた「キラキラした恋」への憧れは、いわば外側から貼り付けた自己イメージだ。大学デビューの幻想、自分がどう見られたいかという意識、それが航空部という場所で少しずつ意味を失っていく。
グライダーが面白い舞台装置なのは、空中では「いい感じに見せる」ための余地がほぼないからだ。操縦桿を握ったとき、他人の視線も、恋愛の打算も、一時的に消える。上昇気流を見つけられるかどうか、機体の感覚を読めるかどうか——それだけになる瞬間が、つるにとって最初に「本当にやりたいこと」と向き合う契機になっている。
島﨑信長が演じる倉持は、こういう文脈で機能するキャラクターとして絶妙に設計されている。「できる先輩」として画面に存在しながら、つるが空に向かう動機の中心になりきらない。恋愛が動機のすべてにならないよう、脚本が意図的に距離を保っている印象がある。島﨑の芝居も、そのニュアンスを押し付けにならない温度感で処理していて、後半になってから1回目と2回目で受け取り方がかなり変わる。
高橋李依の望田薫は、作中でつると対照的な立ち位置に置かれている。すでに「自分がここで何をしたいか」を持っている人間として。高橋の声は普段の当たりの強さよりも落ち着いた芝居を選んでいて、それが薫というキャラクターの「すでに着地している感じ」を出している。つるとの対比が、この作品のテーマを二項対立なしに見せているあたりが上手い。
空を飛ぶことが「逃げ場」でも「代償行動」でも「夢」でもなく、ただ「そこで考えさせてくれる場所」として描かれているのが、この映画のいちばん誠実な部分だと思っている。
特に刺さったシーン
終盤、つるが単独飛行で上昇気流をつかみにいく場面が最もきつく刺さった。映画館の音響で、グライダー特有のシューという風切り音と機体のきしみが体の左右から来るような混合になっていて、あの静けさの中で画面が広くなる感覚は劇場でしか体験できないタイプの演出だった。スクリーンのサイズと音の包囲感が「空の広さ」に直結していた。
小野大輔の朝比奈は、声の重心を意図的に低く安定させていて、出てくるたびに場面が少し締まる。飛行に関する言葉を発するときと、地上での会話のときで音域の使い方が微妙にずれているように聞こえて、2回目でそこを確認したら意図的だとわかった。小野大輔はこういう「言葉数が少ないのに情報量がある」役をやらせると本当に隙がない。
小松未可子の矢野ちづるは、コメディリリーフ的なポジションに見えて、実はつるの「地上での自分」を映す鏡として機能している場面がある。そこでの掛け合いのテンポが心地よくて、重くなりすぎる前に息を抜かせてくれる存在として効いていた。
読んで見たくなったら——『ブルーサーマル』はU-NEXTで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「なんとなく大学に入って、なんとなくサークルを選んだ」経験がある人
- スポーツそのものより「競技を通じて変わる人間」を見たい人
- グライダー・飛行機・空全般に少しでも関心がある人
- 声優の芝居の細部をつまみたい人(キャストが全員仕事している)
- 劇場の音響で体感型の演出を経験したい人
合わない人
- 大会・試合・勝敗の緊迫感を主軸にしたスポーツアニメを期待している人
- 恋愛ラインが明確に動くことを期待している人
- テンポが速い展開を好む人(じわじわと積み上げるタイプの映画)
- グライダーという競技に親しみのない状態でも引き込まれるかどうか、やや人を選ぶ
次に見るなら
ろんぐらいだぁす!は自転車、ブルーサーマルはグライダーと題材は違うが、「まったく縁のなかった競技に引き込まれる女子大生」という入口の構造がほぼ同じ。競技を通じた人間関係の積み重ねが好きなら相性がいい。
エヴェレスト 神々の山嶺は劇場アニメとして「登る・昇る」行為そのものを映像にした作品で、「なぜそこに向かうのか」という動機の掘り下げ方がブルーサーマルと同じ温度感にある。静かで重い映画が好きなら。
サマーウォーズとは一見遠いが、「地方から出てきた主人公が初めて大きなコミュニティに接触する」という体験の描き方が近い。家族や仲間の描き方に「大学の部活」的な群像感を感じる人は試してみる価値がある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『ブルーサーマル』はU-NEXTおよびHuluで配信中です。どちらのサービスにも対応しているため、すでに加入中の方はすぐに視聴を開始できます。大空を舞台にした爽快な青春ストーリーを、ぜひ大画面でお楽しみください。
