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FAKE
| 放送年 | 1998年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | J.C.STAFF |
ディーとリョウはニューヨークの警察官で、イギリスで休暇を過ごしていた。ディーはリョウに強い想いを寄せており、この機会に二人の関係を進展させたいと願っていた。一方、リョウは自分の気持ちに戸惑い、それを認めるべきか悩んでいた。しかし、突然の出来事によって彼らの休暇と関係は乱されることになる。
作品概要・あらすじ
あらすじ
ニューヨーク市警の刑事コンビ、ディー・マクリーンとリョウ・マクリーンはイギリスへの休暇旅行に出かける。ディーはパートナーであるリョウへの想いを募らせており、ふたりきりのこの旅行で関係を進めようと意気込んでいた。しかし、穏やかな休暇もつかの間、思わぬ事件が彼らを巻き込み、リョウ自身も自分の気持ちと向き合うことを余儀なくされていく。
みどころ・魅力
① じれったくも甘いふたりの距離感
積極的に迫るディーと、気持ちを認めきれないリョウの対比が絶妙なテンポで描かれる。コメディタッチのやりとりの中に確かな感情の揺れが宿っており、関係の変化を追う楽しさが全編を通じて味わえる。
② イギリスを舞台にしたオシャレな雰囲気
舞台をニューヨークからイギリスに移したことで、非日常感と開放感が加わっている。異国の街並みを背景にしたシーンが作品全体に華を添え、ロマンスとサスペンスの両方を引き立てる演出になっている。
③ ラブコメとミステリーが同居する構成
恋愛の進展を軸に置きながら、突発的な事件がストーリーに緊張感を加える構成が巧み。笑いあり、ドキドキありで、BL作品に慣れていない視聴者でも引き込まれやすい仕上がりになっている。
キャスト・声優一覧












スタッフ
| 監督 | 鈴木行 |
|---|---|
| 音楽 | 大野克夫 |
| OP | キックス「Everybody! Shake It, Buddy!」 |
| ED | 松本梨香「Starlight Heaven」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「FAKE」という名前は、BLオタクの間では空気みたいに存在している。知らないとは言いにくい、でも実際に見たことがあるかというと——正直、ずっと後回しにしていた作品だった。98年のOVA、60分一本勝負。松本沙友理が描いた漫画のアニメ化、と検索すれば出てくる情報ばかりが先行して、映像としての「FAKE」を体験したのはかなり遅い。
最初に見たとき、まず思ったのは「これが90年代BLの空気感か」という妙な感慨だった。ニューヨークPD勤務のディーとリョウがイギリスで休暇を過ごしているのに、なぜか巻き込まれるミステリー。そこにディーの一方的にも見える感情が絡んでくる構造。テンポは今の基準では緩い。でも2回目に見ると、その緩さが計算だったと気づく。あの「焦らし」がなければ、終盤の重さが出てこない。
「好きだ」と言えない男の話ではなく、「受け取れない」男の話
この作品のタイトル「FAKE」が何を指しているか、最初はぼんやりしている。偽りの感情?偽りの関係?見終わった後、じわじわ輪郭が出てくる。
ディー(関智一)はリョウへの気持ちを隠さない。むしろ積極的すぎるほど前に出る。普通のラブコメなら「思いを伝えられない主人公」の物語になるところを、FAKEは逆からアプローチしている。感情を持て余しているのはリョウ(飛田展男)のほうだ。ディーの気持ちは受け取れているはずなのに、受け取ることができない。それはなぜか、という話がこのOVAの骨格になっている。
リョウのキャラクターは、日系アメリカ人という設定が重要だと思っている。彼が自分の感情に対して持っているある種の「距離」は、文化的背景とも絡み合っていて、単純に「鈍感系」で片付けられない複雑さがある。イギリスという非日常の場所で、休暇という時間の外側に置かれて、はじめてその距離が揺らぎ始める——そういう構造だ。
面白いのは、このOVAが原作漫画のどの時点かというと、シリーズとしてはかなり後半のエピソードが選ばれている。つまり「FAKE」を単品で見た視聴者には、ディーとリョウの関係の積み重ねが見えない状態で始まる。それが逆に機能していて、二人の間にある「すでに何かがある感」をセリフではなく、飛田展男の演じるリョウの微妙な間で伝えてくる。声優の仕事として、ここは相当難易度が高かったはずで、それがさらっとこなされているのがこの作品の地味な強みだと思う。
BLというジャンルのテンプレートとして消費されがちな作品だけど、本質は「感情を受け取ることの難しさ」の話だと解釈している。そしてその難しさは、BLかどうかに関係なく、人間関係の普遍的な問題でもある。そこがこの作品が「古典」と呼ばれる理由だと思う。
特に刺さったシーン
ディーが本気でリョウに迫るシーン——関智一の声の使い方が、ここだけ明らかにトーンが変わる。普段のディーは「明るいアプローチキャラ」として声もやや軽めに出しているのに、ある一点で地声に近い低いトーンになる瞬間がある。そこで初めて、ディーの感情が冗談ではないと伝わってくる。セリフの内容ではなく声の質感で「本気だ」とわかる演技は、キャリアが長い声優にしかできない種類のものだ。関智一が374本のキャリアを持つ理由を、妙なところで実感した。
もう一つは、ビッキー(松本梨香)がディーたちに絡んでくる場面のテンポ感。コメディリリーフとして機能しながら、話の緊張感を壊さずに保っているバランスが巧い。松本梨香の声の強さが、あのキャラクターの「うるさいけど憎めない」感を一手で担っている。
そしてラスト近くのリョウの沈黙。飛田展男はセリフより間が上手い声優だと改めて思った。「何も言わない」ことで、リョウが内側で何かを認めていることを伝えてくる。明確な答えを出さないまま終わるこのOVAが、それでも「見た」という確かな感触を残す理由は、あの沈黙にあると思う。
読んで見たくなったら——『FAKE』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- BLジャンルの歴史的文脈に興味がある人——90年代BLがどういう空気感だったかを映像で体験したい人には格好の一本
- 関智一・飛田展男の声優仕事を掘り下げたい人
- 「明確な結末を出さない」終わり方が好きな人。すべてを言語化しない物語が刺さる人
- 原作漫画「FAKE」のファン——OVAは補完的な位置づけではなく、シリーズ後半エピソードの映像化なので、漫画を読んだ後に見るとより深い
- ミステリー×ラブコメの軽い掛け合いが好きな人
合わない人
- テンポの速い現代アニメに慣れている人——90年代OVAのゆっくりした間は、慣れないと「退屈」に感じる可能性がある
- BLジャンルに抵抗がある人——前提として二人の男性間の感情を扱う作品なので、合う合わないが明確に出る
- 原作漫画を知らずに単品で完結した物語を求める人——このOVAはシリーズの途中エピソードが元になっているため、前後関係がわからないと人間関係の深みが伝わりにくい
- 60分で起承転結を求める人——この作品は「結」をあえて曖昧にするので、ストレスを感じるかもしれない
次に見るなら
FAKEの「感情を受け取れない側の話」という構造が好きなら、純情ロマンチカもおすすめ。こちらはTVシリーズで、感情の扱い方はもっとコメディ寄り。FAKEより軽いトーンで見られるBLの入り口としても使える。
90年代OVAの空気感ごと楽しんだなら、爆れつハンターの時代の作画と声優キャストがどう機能しているかを感じる意味で、同時期の作品を掘るのも面白い。FAKEの関智一・飛田展男がどういうキャリアの中にいたかが見えてくる。
「非日常の場所での感情の揺れ」というテーマで見るなら、ヨルムンガンドが意外と近い感触を持っている。バディものとしての距離感の詰め方、という点でFAKEと通じるものがある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ | |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
『FAKE』はdアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Netflixで配信中です。主要な動画配信サービスで幅広く視聴できるため、すでに利用しているサービスからすぐに楽しめます。気になる方はぜひチェックしてみてください。
よくある質問
まとめ
『FAKE』はdアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Netflixで配信中です。主要な動画配信サービスで幅広く視聴できるため、すでに利用しているサービスからすぐに楽しめます。気になる方はぜひチェックしてみてください。
