※本ページはアフィリエイト広告を含みます。

ガッデム
| 放送年 | 1990年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 2話 |
| 原作 | 漫画 |
天才的だが事故癖のあるラリードライバー・轟ゲンが、大手自動車会社からスポンサー契約を申し出られる。その契約と共にサファリラリーケニア選手権への参加機会を得るが、その道は険しく強敵ばかり。1988~1990年に「ビッグコミックスペリオール」に連載された新谷かおるの漫画を原作とした自動車レースアニメ。
作品概要・あらすじ
あらすじ
天才的な技術を持ちながらも”事故癖”というアキレス腱を抱えるラリードライバー・轟ゲン。ある日、大手自動車メーカーからスポンサー契約を打診され、その条件としてサファリラリーケニア選手権への参戦機会を手にする。世界の強豪たちが集うアフリカの過酷なフィールドを舞台に、ゲンは持ち前の走りで限界に挑む。新谷かおるが「ビッグコミックスペリオール」に1988年から連載した同名漫画を原作とした、骨太な自動車レースOVA。みどころ・魅力
① 荒削りなヒーロー像が生む緊張感
主人公・轟ゲンは「天才だが事故を起こす」という矛盾を抱えたキャラクターであり、完全無欠のヒーローとは一線を画す。スポンサーや周囲の期待と自分の本能的な走りの狭間で葛藤する姿が、単純な勝利譚にはない人間ドラマとしての厚みを与えている。② サファリラリーの過酷さをリアルに描いた世界観
舞台となるサファリラリーケニアは、岩場・砂埃・動物といったアフリカの大自然そのものが障害になる世界屈指の過酷なレース。コース整備された近代サーキットとは異なるワイルドな走行描写が、90年代OVAならではの密度感ある映像で再現されている。③ 新谷かおる原作が持つ硬派なスポーツ漫画の空気感
「クレオパトラD.C.」「エリア88」で知られる新谷かおるの原作ゆえ、メカ描写と人物造形の両方に説得力がある。モータースポーツの専門用語や車両の挙動をきちんと描きながら、ライバルとの駆け引きや組織の思惑もからめたドラマ構成は、往年のスポーツ漫画ファンにも刺さる仕上がりだ。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 古瀬登 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 古瀬登 |
| 音楽 | 菅井えり |
| 美術監督 | 田原優子 |
| 音響監督 | 岩浪美和 |
| ED | Kudou Shigenori & Fukuda Shinichi「黄金のデュオ」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
山寺宏一と玄田哲章が同じキャストに並んでいるのを見て、「これは見ておかないとまずい」と思った。それが正直な動機だ。本作はテレビシリーズの外伝でも補完作品でもなく、「ビッグコミックスペリオール」連載の新谷かおる漫画をOVA単体で映像化したもので、原作未読でも入れる作りになっている。ただし1990年という時代のOVAなので、初見はある程度の覚悟が要る。映像の古さは当然として、テンポや説明の省き方が現代のアニメとは明らかに違う。それでも蓋を開けてみると、サファリラリーの砂埃と熱気が画面から滲み出てきて、気づいたら前のめりで見ていた。2回目に見たとき、レース中のカメラワークの細かさに改めて気づいた。当時のアニメーターがモータースポーツの何を描こうとしていたか、その意志が絵の端々から伝わってくる。
才能があって「御しにくい」人間が、それでも走り続ける話
サファリラリーという舞台設定は単なる背景ではない。アフリカの大地、予測不能なコース状況、そして「天才だが事故癖がある」という主人公・轟源の資質は、この過酷なラリーとあまりにも相性がいい。舞台を選んだ時点で、作品の核心が見えている。
企業スポンサーがつくという構図はスポーツものにありがちだが、ガッデムが描こうとしているのはその先だ。スポンサーは「勝てる選手」を求めている。だが轟は「勝てる選手」というカテゴリに収まらない。才能はある、でも制御が難しい。そういう人間をどう扱うか、という摩擦が物語の底を流れ続けている。これは単なるスポーツ根性ものではなく、組織と個人の論理がぶつかる話でもある。
山寺宏一が演じる轟源には、熱血の威勢のよさと、どこか自己破壊的な匂いが同居している。山寺の声は役の幅が広いことで知られているが、この役では若さと荒々しさを前に出しながら、その奥に緊張の疲弊感を忍ばせている。単なる前向き主人公に終わらせていない点が、繰り返し見るたびに見えてくる。
対するライバルたち——玄田哲章が声を担当するラウール・ウズベック・シンは、その名前の重さそのままに、圧のある存在感を放つ。玄田の声は「大きさ」ではなく「密度」があって、聞いただけで相手が格上であることがわかる。こういう役は玄田哲章でないとできない、と毎回思わされる。
1990年というOVAの全盛期、テレビシリーズより自由な実験場だったこのフォーマットで、この作品は爽快な勝利よりも「どう走るか」の過程に重きを置いた。結末よりも、轟がコース上で何を選択するかの瞬間瞬間が作品の核になっている。そこが今でも残っている理由だと思う。
特に刺さったシーン
中盤、轟が他チームとの接触で車体にダメージを受けながらもペースを落とさない場面がある。ここで山寺宏一の声が低くなるのがわかる。叫ぶのではなく、むしろ静かに集中している声。そこに機械的な軋み音と砂を踏む音だけが重なる。気づいたら息を止めて見ていた。
中尾隆聖が演じるロヴ・ロウが絡む場面も独特の存在感がある。中尾隆聖はフリーザ役で広く知られているが、この役では違う種類の圧迫感を出していて、同じ声優だとわかっていても別の人間に聞こえる。あの幅の使い方はこの時代のキャスティングが持っていた強みだった。
篠原恵美が声を担当する新藤雪は、レース場面とは別の空気をもたらすキャラクターで、テンションが高い場面の合間に挟まることで物語に緩急が生まれている。篠原の声は「柔らかさの中に意志の強さがある」という印象が当時からあって、この役でもそれが機能している。三木眞一郎のエリックも、序盤から一定の距離感で轟を見ている視点として機能していて、主人公を外側から照らす役割をさりげなく担っている。
読んで見たくなったら——『ガッデム』はU-NEXTで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 新谷かおる作品を一通り追っているファン(『エリア88』以外も読んでいる人)
- 山寺宏一・玄田哲章・中尾隆聖の声優仕事を幅広く聴いてきた人
- サファリラリーやモータースポーツに実際の知識・興味がある人
- 1980〜90年代OVA文化そのものが好きで、映像の質感込みで楽しめる人
- 「才能はあるが制御が難しい主人公」という類型に引かれる人
合わない人
- 現代的な作画クオリティを求める人(1990年OVAの制約はどうしようもない)
- スポーツアニメに明確な「成長の物語」の文法を求める人
- レース描写よりもキャラクター同士の感情的な絡みをメインに見たい人
- 新谷かおる作品を全く知らない状態で見ると、作家性への文脈がないぶん刺さりにくい可能性がある
次に見るなら
同じ新谷かおる原作で、孤独な戦いを続ける主人公を描いたエリア88(OVA版・1985〜86年)は並べて見る価値がある。ガッデムと同じ「才能があるが自分を壊しかねない男」の系譜で、新谷作品のなかでこの主人公類型がどれだけ繰り返されているかを確認しに行くような見方ができる。
モータースポーツアニメとして同時代の空気を比べたいならF エフ(1988年TVシリーズ)が近い。同じバブル期の自動車題材で、TVとOVAでの表現の差を比較すると当時のメディアごとの作り方の違いが見えてくる。
1990年代OVAの「大人向け」の質感が気に入ったならバブルガムクライシス(1987〜91年OVAシリーズ)につなげてみてほしい。ジャンルは全く違うが、あの時代のOVAがなぜコアファンに今も語り継がれているかの理由が、ガッデムと共通している部分がある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『ガッデム』はU-NEXTおよびDMM TVで視聴できます。1990年制作のOVAながら、サファリラリーという独特の舞台設定と骨太なドラマは今見ても十分な見応えがあります。新谷かおる原作のモータースポーツアニメに興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
