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ゴルゴ13〜QUEEN BEE〜
| 放送年 | 1998年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Tezuka Productions |
ゴルゴ13は、プロの暗殺者として南米の反政府勢力「クイーン・ビー」の指導者を暗殺する任務を受ける。大統領候補者の命を救うためだ。しかし、クイーン・ビーは普通の過激派ではない。幼少期に世界を奪われ、動物のように生きてきたが、精神は砕かれていない。
作品概要・あらすじ
あらすじ
伝説のスナイパー・ゴルゴ13は、南米の反政府武装組織「クイーン・ビー」の指導者を暗殺するという極秘任務を受ける。標的を排除することで、ある大統領候補者の命を守るためだ。しかし「クイーン・ビー」と呼ばれるその女性は、幼少期に全てを奪われ、密林の中で獣のように生き抜いてきた特異な存在。並みの過激派とは一線を画すその強靭な精神と、国際的な思惑が絡む複雑な背景が、ゴルゴの任務を困難なものにしていく。みどころ・魅力
① 静寂と緊張感が支配するゴルゴ13の美学
言葉を極限まで削ぎ落としたゴルゴの行動描写は、1998年制作のOVAながら圧倒的な緊張感を維持している。狙撃シーンの精度・間・構図のこだわりは、さいとう・たかをの原作が持つ「無駄のないハードボイルド」をアニメで体感させてくれる唯一無二の質感だ。② 単なる悪役ではない「クイーン・ビー」の造形
幼少期から文明社会と切り離された環境で生き抜いてきたクイーン・ビーは、単純な憎悪で動く敵ではない。その生い立ちと思想には一定の説得力があり、善悪二項対立に収まらない複雑な人物像が物語に深みを与えている。ゴルゴとの対峙は、技術と意志のぶつかり合いでもある。③ 国際政治・陰謀を絡めた大人向けスパイサスペンス
南米の政情不安、大統領選挙、背後で動く国際的な利害関係者——1本のOVAながらスケールの大きな政治スリラーとして完結している。ゴルゴシリーズの醍醐味である「依頼の構造を読み解く面白さ」が凝縮されており、シリーズ未経験者の入門作としても機能する。キャスト・声優一覧








スタッフ
| 監督 | 出﨑統 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 杉野昭夫、内田裕 |
| 音楽 | 芳野藤丸 |
| 美術監督 | 市原美恵子 |
| 音響監督 | 山田知明 |
| ED | 藤丸 芳野と小野 瞳「Turquoise Blue」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
ゴルゴ13という存在は知っていても、映像作品として真剣に見たことがなかった。「さいとう・たかを先生の漫画でしょ」という感じで長年避けていたのだが、1998年のこのOVAがU-NEXTにあるのを見つけて、試しに再生してみたのが最初だ。
冒頭から漂う90年代後半の劇場クオリティの空気感——南米の湿度まで感じさせるような描き込み——と、玄田哲章の声がゴルゴに乗った瞬間、「あ、これは別物だ」と思った。渋すぎる。手が出せないレベルで渋い。2回目に見たとき気づいたのは、ゴルゴがほとんどしゃべらないのに画面の重心がすべて彼に向かっているという構造の妙で、1回目はそれをただ「格好いい」と処理して流してしまっていた。
文明に守られなかった人間が、文明の道具(銃)に撃たれる話
このOVAを単なる「暗殺モノ」として見ると、何かが引っかかったまま終わる。依頼を受けて、対象を狙って、撃つ。それだけなら話は単純だ。ところがクイーン・ビーというキャラクターの造形が、その単純さに楔を打ち込んでくる。
幼少期に世界を奪われ、ジャングルの中で動物のように生きてきた女性が、やがて武装勢力のカリスマになる。彼女は「社会」から弾き出されて育ったにもかかわらず、社会に対して「奪い返す」という方向へ向かった。精神が砕かれていない、とあらすじには書かれているが、見ているとむしろ彼女の方が「まともな怒り」を持った人間に見えてくる瞬間がある。
そこにゴルゴが来る。彼は大統領候補を守るために、つまり既存の政治秩序を維持するために、クイーン・ビーを狙う。これを「正義の暗殺」と呼べるかどうか、作品はあえて問わない。ゴルゴ自身は何も語らないし、依頼の倫理を検討する素振りすら見せない。仕事だから撃つ。それだけだ。
でもその「それだけ」の冷徹さが、クイーン・ビーの人生の重さと並んだとき、妙な感触を残す。彼女は不条理な暴力によって形成された存在で、ゴルゴは依頼という名の秩序によって動く存在だ。どちらも銃を持つ。でも意味がまったく違う。そのズレを60分ほどの尺に詰め込んで、説明せずに終わらせるのがこのOVAのやり方で、それが「見た後に何かが残る」感じの正体だと思う。
90年代の劇画原作OVAに思想的な深みを求めるのは過剰解釈かもしれないが、求めたくなる作りをしているのは確かだ。
特に刺さったシーン
クイーン・ビーが初めて画面に登場する場面の引きの強さは、2回見ても緊張する。勝生真沙子の声が乗ったとき、「あ、このキャラクターは負けない」と直感的に思ってしまう声の質がある。セリフの内容より先に、声の質感で人物の芯の強さが伝わってくる演技で、これは脚本じゃなくてキャスティングの勝利だと感じた部分だ。
終盤、対峙の緊張が最高点に達する場面での玄田哲章の「間」も忘れがたい。ゴルゴはほとんどしゃべらないが、わずかな台詞の前に置かれる0.何秒かの間が、キャラクターの思考の重さを全部引き受けている。セリフより間が語る、という構造を声優が体現していて、思わず巻き戻して聴き直した。
中尾隆聖が演じるトーマス・ウォルサムのキャラクターは、「政治的な取引に慣れた人間」の薄気味悪さを嫌みなく出していて、ゴルゴとクイーン・ビーという二つの強度の間に挟まった「普通の悪意」として機能している。あのキャスティングは正解だったと思う。
読んで見たくなったら——『ゴルゴ13〜QUEEN BEE〜』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 玄田哲章の声だけで飯が食えるタイプ
- 説明過多な作品より「余白で語る」演出が好きな人
- 90年代の劇画原作OVA特有の質感(セル画・重厚な空気感)に耐性がある人
- ゴルゴ13の漫画を読んだことがある、または読もうとしている人(このOVAは原作の空気感をよく伝えている)
- 「勧善懲悪でない結末」を楽しめる人
合わない人
- 主人公が感情を出さないと感情移入できない人
- 60分で起承転結をきれいに畳んでほしい人(このOVAは余韻で終わる)
- 暴力描写・政治的な暗殺をテーマとした作品が苦手な人
- 最新の作画クオリティを基準に見る人(1998年のOVAとして見る必要がある)
次に見るなら
ブラック・ラグーン——南米・東南アジアを舞台にした裏社会描写と、倫理の外で生きるキャラクターたちの話。ゴルゴ13ほど台詞を削ぎ落としてはいないが、「暴力を生業にする人間の日常」という空気感は近い。レヴィとゴルゴ13は同じ系譜の住人だと思う。
MONSTER(浦沢直樹原作のアニメ版)——ヨーロッパを舞台にした「追う者と追われる者」の話で、ゴルゴ13と同様に主人公が感情を抑制して行動するタイプの作品。「善悪の判定ができない状況で人はどう動くか」というテーマが重なる。
ジョーカー・ゲーム——スパイ・暗殺という題材を、派手なアクションではなく「知性と抑制」で描いた作品。ゴルゴの「余計なことを言わない格好よさ」に引かれたなら、同じ方向の美学がある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『ゴルゴ13〜QUEEN BEE〜』は現在、dアニメストア・U-NEXT・Huluの3サービスで視聴できます。どのサービスもスマートフォンやテレビから手軽に視聴できるため、加入中のサービスからすぐに楽しめます。ハードボイルドな世界観を存分に味わいたい方は、ぜひチェックしてみてください。