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ICE – アイス –
| 放送年 | 2007年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 3話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | PPM |
西暦2010年、環境の急激な変化と正体不明の汚染物質により、男性は急速に死滅した。人口は史上最低まで減少し、女性だけが生き残った。彼女たちは自然に侵食された世界の片隅に身を寄せて生活している。絶滅を受け入れ気ままに生きる者、そして滅亡に抗おうとする者たちがいた。
作品概要・あらすじ
あらすじ
西暦2010年、正体不明の汚染物質と急激な環境変化によって男性が絶滅し、地球上には女性だけが生き残った。自然に侵食されていく荒廃した世界の片隅で、絶滅を受け入れ自由に生きることを選んだ者たちと、人類の滅亡に抗い続ける者たちが存在する。相反する意志を持つ女性たちの生き様を描いた、ポスト・アポカリプス・アクションOVA。みどころ・魅力
① 男性不在の世界で描かれる女性たちの対立と葛藤
人類の終焉という極限状況のなかで、「滅びを受け入れる」か「生き延びようとする」かという根本的な問いをめぐり、女性たちの思想と意志がぶつかり合う。希望と絶望のはざまで揺れる人間ドラマが重厚に展開される。② 自然に飲み込まれた廃墟世界の圧倒的ビジュアル
都市や文明が植物や自然に侵食された退廃的な世界観は、独特の美しさと荒涼感を同時に持つ。2007年のOVAとして作り込まれた映像表現が、荒廃した地球のリアルな質感を生み出している。③ 緊張感あふれるアクションシーン
SF設定と女性同士の対立を背景に、スタイリッシュかつ緊迫感あるアクションが展開される。ポスト・アポカリプス世界の閉塞感を突き破るような戦闘描写は、ジャンル好きにも満足感を与える仕上がりとなっている。キャスト・声優一覧













スタッフ
| 監督 | 小林誠 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 大西雅也 |
| 音響監督 | 鶴岡陽太 |
| OP | AKB48「Aisareru to iu koto for ICE」 |
| ED | AKB48「Aisareru to iu koto」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「女しか出てこないやつ、見た気がする」という記憶だけを頼りに再生した。男が絶滅した世界、2010年という近未来設定、OVA。そこまでは覚えていたのに、序盤の戦闘シーンが始まったあたりで「あれ、こんな話だったっけ」が来た。
本作はテレビシリーズの外伝でも続編でもない、この世界観のためだけに作られた独立OVA作品だ。だからシリーズ未視聴でも問題ないが、逆に言うと前提知識ゼロで世界観に放り込まれる。1話目の数十分は「この世界がどういう状態なのか」を読み解くことに費やすことになる。
2回目を見て初めて、このドライなトーンが意図的だとわかった。絶望的な設定なのに誰も大げさに嘆かない。女性だけになった世界で、生き残った人間たちがすでに「その事実に慣れている」ところから物語が始まる。その静かさが、最初は淡泊に見えて、後から効いてくる。
滅亡を「受け入れた側」と「抗った側」、どちらが正しかったかは描かれない
この作品の核心はタイトルにある「氷」の二重性だと思っている。世界が凍りついていくこと——男性の死滅、人口減少、文明の後退——と、それに対して感情を凍らせて生きていくこと。どちらも「ICE」で、作中の登場人物はその両方を生きている。
あらすじにある「絶滅を受け入れ気ままに生きる者」と「滅亡に抗おうとする者」という対立構造は、単純な善悪に落とし込まれない。受け入れた側が怠惰なのではなく、抗う側が正義なのでもない。2007年という時代に、この問いをSFとアクションの形式で出したことは、今見返すとなかなか刺さる。
皆川純子が演じるヒトミというキャラクターに、その葛藤が集約されている。皆川純子は凛とした声で「諦めていないが騒がない」人物を造形するのが巧いと思っていて、ヒトミはまさにその系譜にある。怒鳴らない、泣かない、でも止まらない——というトーンが、作品全体の温度感を決定づけている。
そして石田彰がジュリア役として出演していることが、この作品の「奇妙な静けさ」をひとつ説明していると感じた。女しかいない世界で、石田彰の声が鳴る。その違和感は意図的だったと信じたい。あの声の持つ冷たい理性の響きが、ジュリアというキャラクターの「滅亡を前にしても揺れない人間」という印象を作っている。
単なるポストアポカリプスのアクションOVAとして見ると物足りなく感じるかもしれないが、「その後どう生きるかを描いた話」として見ると、2回目以降の密度が上がる。
特に刺さったシーン
終盤、対立していた陣営の人間が同じ空間に立つ場面がある。アクションOVAとしての決着ではなく、「それぞれが選んだ答えを、相手の前で黙って認める」という種類の静けさで終わるあの流れ。どちらかが正解だとは言わない。ただ立っている。
そこで喜多村英梨の演じるキャラクターの声が変わった瞬間があって、2回目に見たとき初めてそこに気づいた。感情を出すシーンではない、むしろ逆の場面で、それまでと微妙に違う呼吸の入れ方をしていた。喜多村英梨はこういう「感情の手前」をやるとき信頼できる声優だと改めて思った。
作画については2007年OVAとしての水準を保っていて、特に戦闘シーンの動きは今見ても崩れていない。背景に映り込む「かつて文明があった痕跡」の描き込みが地味に丁寧で、そこを拾いながら見ると世界観の理解が変わる。
読んで見たくなったら——『ICE – アイス -』はAmazonプライムビデオで視聴できる(30日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「男が出てこないSF」に対してフラットに向き合えるオタク
- 説明過多でないSF世界観を自分で読み解くのが好きな人
- 石田彰・皆川純子・喜多村英梨のキャストだけで見る理由になる人
- 2000年代後半OVAの独特のテクスチャーに郷愁がある人
- ポストアポカリプスを「生存活劇」ではなく「倫理の話」として見たい人
合わない人
- アクションOVAとしてのカタルシスを期待すると肩透かしを食らう
- 世界観の説明が丁寧じゃないと離脱する人(序盤の置き去り感は本物)
- キャラクターに感情移入して追うタイプには、このドライさは合わない
- 「なぜ男が死んだのか」という謎が解明されることを期待している人
次に見るなら
女性だけが生き残った終末世界という設定に刺さったなら、少女終末旅行は必ず見てほしい。荒廃した都市を二人の少女が移動し続けるだけの話で、「滅亡を受け入れた側」の極北がここにある。ICEよりさらに静かで、見終わったあとの余韻が長い。
世界観よりも「女性キャラクターが銃を持って走る」アクションの質を評価したなら、NOIRが近い。2001年のビーパパス作品で、記憶を失った少女と凄腕の殺し屋が組む話。BGMの使い方と静止した時間の描き方が独特で、ICEと同系統のドライさがある。
もう少し物語の密度が欲しいならCanaanを。2009年放送、TYPE-MOONの西村キヌが原案のSFアクション。女性二人の関係性を軸に、組織の陰謀と超能力者の戦闘が絡む。ICEよりキャラクターへの感情移入がしやすい構造になっている。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ | |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『ICE – アイス -』は、AmazonプライムビデオおよびHuluで現在視聴できます。どちらのサービスも追加料金なしで対象作品を楽しめますので、加入済みの方はすぐに視聴を始められます。独特の世界観が気になった方は、ぜひこの機会にチェックしてみてください。