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彼女と彼女の猫 -Everything Flows-
| 放送年 | 2016年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ(短編) |
| 話数 | 4話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | LIDENFILMS |
ずっと二人きりだった。「彼女」と猫のダルは一緒に成長し、切り離せない関係だ。大学3年生になったカノジョは、一年半一緒に暮らしていたルームメイトの智香が引っ越すことになり、部屋を保つために仕事を探さなければならない。毎日、ダルは猫の視点からカノジョの就職活動を見守り、飼い主の帰宅を待っている。
作品概要・あらすじ
あらすじ
「彼女」と猫のダルは、ずっと二人きりで寄り添いながら生きてきた。大学3年生になった彼女は、一年半を共に過ごしたルームメイトの智香が引っ越すことになり、今の部屋を維持するために就職活動へと踏み出す。猫のダルは飼い主の帰りを待ちながら、彼女の不安や小さな成長を静かに見守り続ける。何気ない日常と、少しずつ移ろっていく季節のなかで描かれる、ひとりと一匹の優しい時間の物語。みどころ・魅力
① 猫の視点で描かれる繊細な日常
ダルという猫の目を通して語られる構成が本作最大の特徴です。飼い主を見守るまなざしには温かさと切なさが同居し、人間ドラマとは異なる距離感で「彼女」の心情がそっと浮かび上がります。言葉にならない感情を丁寧にすくい取る演出が光ります。② 就職活動という普遍的な揺らぎ
大学3年生のリアルな悩み——進路、自立、人間関係の変化が等身大で描かれます。うまくいかない焦りや、ふとした瞬間の安らぎが繊細に積み重なり、観る人それぞれの記憶と静かに重なっていく、共感性の高い物語になっています。③ 移ろう季節と空気感の美しさ
タイトルの「Everything Flows」が示す通り、流れていく時間と季節の移ろいが映像全体を貫くテーマです。光や風、部屋の空気までも感じさせる繊細な作画と音響が、短編ならではの濃密な余韻を生み出しています。キャスト・声優一覧








スタッフ
| 監督 | 坂本一也 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 海島千本 |
| 音楽 | TO-MAS |
| 美術監督 | 田中孝典 |
| 音響監督 | 鶴岡陽太 |
| OP | 伊藤真澄「硝子の瞳」 |
| OP | みゆ「硝子の瞳」 |
| ED | クラムボン「ソナタ」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
新海誠と聞くと、どうしても光と空と、痛いくらいの距離の話を身構えてしまう。これはその助走になった一本——というより、後の全部の原型みたいな短編だ。10分ちょっとの話が静かに進むだけ。最初に見たときは「猫が飼い主を眺めてる、それだけの話か」と少し油断していた。実際それだけの話だった。ただ、それだけの話を、視点を猫に一個ずらしただけで、ここまで穏やかに重くできるのか、と妙に黙ってしまった。2回目に見たのは、就職という単語が嫌でも刺さる時期で、印象がまるで違った。1回目は猫ばかり見ていたのに、2回目は猫越しに人間のほうばかり見ていた。同じ尺、同じ音、こっちの立っている場所だけが変わっていた。
どうにもできない誰かを、ただ待っていることしかできない側の話
語り手は猫のダルだ。彼は彼女の就職活動を理解していない。書類が落ちたことも、智香が出ていくことも、家賃という概念も、たぶん最後までわかっていない。わかっているのは、最近この人が前より疲れて帰ってくる、ということだけ。そしてダルにできるのは、帰りを待つことと、帰ってきたその足元にいることだけだ。
ここがこの短編の芯だと思う。これは「猫がかわいい日常」の話ではなくて、「自分の力ではどうにもならない相手の人生を、隣で見ていることしかできない」関係の話だ。考えてみれば、人を本気で好きになると、最終的に手元に残る行為はそんなに多くない。代わりに面接を受けてやることはできないし、痛みを引き取ることもできない。できるのは、待つことと、そこにいること。親が子に対して、恋人が恋人に対して、結局やっていることの大半はそれだったりする。ダルはその「待つしかない愛」を、毛玉の体で代行している。
サブタイトルの〈Everything Flows〉——すべては流れていく、というのは無常の話に聞こえるけれど、この作品はそれを突き放しに使わない。智香は出ていき、季節は変わり、彼女もいつか猫より長い時間を生きる。流れていくことは止められない。だからこそ、今この狭い部屋で同じ空気を吸っていられる時間のほうが、後からじわっと尊く見えてくる。無常を嘆くのではなく、流れているからこそ今が一回きりだと静かに肯定する。新海誠がのちに長編でやることの種が、もうここで猫の背中に乗っている。
特に刺さったシーン
終盤、彼女がくたびれ切って帰ってくる夜の場面。うまくいかなかった一日だと、こちらにはもう全部わかる空気で、それでも彼女は何も言わずに猫を抱え上げる。花澤香菜の「ただいま」が、明るくも暗くもない、ただ平らに削れたトーンで落ちてくる。気丈に振る舞うでも泣き崩れるでもない、その平らさが一番効いた。本当に参っている人間は、案外こういう声を出す。
そこに浅沼晋太郎のダルのモノローグが重なる。猫は事情を知らないから、深刻ぶらない。ただ「今日はいつもより長く撫でてくる」みたいな手ざわりの観察だけを淡々と置いていく。この温度差が残酷で優しい。人間側がぎりぎりなのに、語りは終始のんびりしている。その距離が、こっちの涙腺の手前をちょうど押してくる。泣くほどではない、でも喉の奥が一回詰まる、あの感じだった。
読んで見たくなったら——『彼女と彼女の猫 -Everything Flows-』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 新海誠の長編より、初期の小品の手ざわりや余白が好きな人
- 猫や犬と暮らしていて「この子は自分のどこまで分かってるんだろう」と一度でも考えたことがある人
- 就活・引っ越し・誰かと離れる時期を、今くぐっている/くぐってきた人
- 大きな事件より、生活の細部でそっと泣ける人
合わない人
- はっきりした起承転結や、わかりやすい盛り上がりを物語に求める人
- 短い尺の「言い切らなさ」を、物足りないと感じてしまう人
- 猫の一人称ナレーションが、最後まで気恥ずかしく感じるタイプの人
次に見るなら
同じ「待つ側」の痛みを描くならほしのこえ。新海誠のごく初期の一本で、届かない距離をひたすら待ち続ける話だ。猫の代わりに携帯のメールが時間を運ぶ。この短編の沈黙が好きなら、まっすぐ刺さると思う。
静けさと生活のディテールで泣きたいなら言の葉の庭。雨と、誰かを待つ午前と、言葉にならない距離。長編なのに音数が少なくて、彼女と彼女の猫の延長線上にある手ざわりがある。
猫の視点そのものが効いたなら同居人はひざ、時々、頭のうえ。。一つの暮らしを人間側と猫側の両方から語り直す構成で、「この子は自分をどう見ているのか」という問いを、もっと長くやわらかく転がしてくれる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」は、dアニメストアとU-NEXTで配信されており、いずれのサービスでも視聴することができます。アニメ専門で月額が手頃なdアニメストア、見放題作品の幅広いU-NEXTと、それぞれ特徴が異なりますので、ご自身の視聴スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。気になった方は、ぜひ対応サービスでチェックしてみてください。
