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このはな綺譚
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Lerche |
異世界と人間界の境にある温泉街の宿「ここはな亭」が舞台。多くの人々が訪れるこの温泉旅館で、女の姿をした狐の精たちが働いており、彼女たちの日常生活を描く物語である。
作品概要・あらすじ
あらすじ
異世界と人間界の境にある温泉街。その一角にたたずむ老舗温泉宿「ここはな亭」では、女性の姿をした狐の精たちが仲居として働いています。物語は、世間知らずで天然な新人仲居・柚(ゆず)がここはな亭に奉公にやってくるところから始まります。先輩仲居の皐月(さつき)に導かれながら、柚は接客の作法やおもてなしの心を少しずつ学んでいきます。個性豊かな仲居たちと、宿を訪れる不思議な客人たちとの出会いを通して描かれる、心温まる日常の物語です。
みどころ・魅力
① 心がほぐれる極上の癒し系日常
派手な事件は起こらず、仲居たちの何気ない毎日が丁寧に積み重ねられていきます。客人との小さな交流や、季節の移ろいを感じさせるエピソードの一つひとつが優しく、観終わったあとに温泉に浸かったような穏やかな余韻が残ります。日々の疲れを忘れたい人にぴったりの一作です。
② 和の情緒あふれる美しい映像美
温泉宿の落ち着いた佇まい、灯籠のともる温泉街、四季折々の自然描写など、和の世界観が隅々まで作り込まれています。淡く繊細な色彩と柔らかな光の表現が画面全体を包み込み、一枚絵のような美しさが物語の幻想的な雰囲気を一層引き立てています。
③ 個性豊かな狐の仲居たちの関係性
純粋でひたむきな柚、面倒見のよい皐月をはじめ、ここはな亭で働く仲居たちはそれぞれに個性的。彼女たちが互いを思いやり、支え合いながら成長していく姿が物語の中心です。少女たちの温かな絆や距離感の描写も丁寧で、キャラクターへの愛着が自然と深まっていきます。
キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 岡本英樹 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 吉岡たかを |
| キャラクターデザイン | 黒澤桂子 |
| 美術監督 | 横山淳史 |
| 音響監督 | 本山哲 |
| OP | ユーフォニアス「ココロニツボミ」 |
| ED | Konohana-tei Nakai no Kai [Satsuki「春ウララ、君ト咲キ誇ル」 |
| ED | なつめ「夏咲き恋花火」 |
| ED | さくら「茜空、君舞フ紅葉ノ散歩道」 |
| ED | ゆず「雪華煌めく家路にて」 |
| ED | ゆず「四時・草の縁」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
正直に言うと、最初はサムネの絵だけで選んだ。和風の温泉宿、狐耳の女の子たち、夕暮れの色味。疲れて帰ってきた夜に「これなら何も考えずに見られるだろう」くらいの軽い気持ちで再生ボタンを押した。で、案の定、何も起きない。事件も山場も、わかりやすい敵もいない。一話を見終えて「ああ、こういうやつね」と思った。そのまま寝た。
変だったのは翌日で、仕事の合間にふと、あの宿の廊下のきしむ音とか、提灯の灯りの揺れ方を思い出している自分がいた。気づいたら二話、三話と進めていて、結局ひと晩で残りを流し込むように見た。二周目で気づいたのは、この作品が「何も起きない」んじゃなくて、起きていることを大声で説明しないだけだ、ということ。第一印象を裏切られた、というより、こっちの見方が雑だっただけだった。
異界の宿で描かれる、「迎える側」のやさしさと寂しさ
この作品は癒し系日常ものとして紹介されることが多いし、実際そう見ても成立する。でも何周かして残ったのは、もっと手前の感触だった。ここはな亭は人間界と異界の境にある宿で、訪れる客は神さまだったり、もう生きていないものだったり、行き場をなくしたものだったりする。つまりここは、どこかへ向かう途中の人が、ほんの一晩だけ立ち寄る場所なんだ。狐の精である彼女たちは、その一晩を、ただ静かに整えてやる。
「もてなす」という行為を、この作品はやけに丁寧に解体してみせる。客が何を抱えてきたかを問い詰めない。事情を聞き出して解決してやろうともしない。ただ風呂を沸かし、膳を出し、布団を敷く。それだけのことが、結果として相手の心をほどいていく。見ているうちに、これは「迎える側」の話なんだと思うようになった。誰かを送り出すために、自分はずっとこの場所に留まり続ける。客は去っていくし、たいてい二度と戻ってこない。その前提を飲み込んだうえで、それでも今夜の一人をきちんと迎える——そこには、やさしさと同じ分量の寂しさが流れている。
八百比丘尼を演じる大原さやかの、低く凪いだ声がこの構造を支えている。何百年もここで誰かを見送り続けてきた存在の落ち着きが、彼女が一言喋るだけで画面に降りてくる。狐の子たちのまだ尖った感情と、その声の対比を見ていると、この宿が時間の流れ方そのものを描いた場所なんだと腑に落ちる。単なる「ほのぼの」では終わらない、別れを前提にした優しさの話だ。
特に刺さったシーン
序盤、新入りの子が客のために自分なりの判断で動いて、それが宿の流儀から外れてしまう話がある。叱られるのを覚悟して縮こまるんだけど、先輩たちの反応がいい。正解を押しつけるんじゃなくて、なぜそうするのかを背中で見せていく。あの「教える」と「叱る」のあいだの、ちょうどいい温度に思わず息を漏らした。
個人的にいちばん効いたのは、お菊が出てくる回りの空気だ。渡辺明乃の声が、軽口を叩いているのに芯のところで誰よりも宿を見ている、みたいな複雑さを出していて、画面の重心がぐっと下がる。あと加藤英美里の志乃、加隈亜衣の櫻、緒方恵美の椿——主要どころの声が揃うと、宿の中に本当に人間関係の年輪があるように感じられて、誰かが廊下ですれ違うだけのカットでも見入ってしまった。終盤のある別れの場面では、わかっていたのに普通に目元を拭った。説明しない作品ほど、こういうところで効いてくる。
読んで見たくなったら——『このはな綺譚』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 事件やバトルより、空気と間で語る作品が好きな人
- 和風・温泉宿・あやかしといったモチーフの細部を眺めていられる人
- 背景美術や色設計を「物語の一部」として味わいたい人
- 声優の抑えた芝居から行間を読み取るのが好きな人
合わない人
- 毎話はっきりした起承転結や引きがほしい人
- 明確な主役と目的、ゴールに向かって進む構成を求める人
- BGMにして流すつもりが、気づくと何も頭に残らないタイプの人
次に見るなら
境界の宿で誰かを迎える話が刺さったなら、かくりよの宿飯がいい。あやかし向けの宿という器は近いけれど、こちらは飯と人間関係の押し引きで前に進む分、もう少し物語の起伏がある。静と動の差を楽しめる。
「何も起きない時間」そのものを味わいたいならノラと皇女と野良猫ハート……ではなく、空気感で言えばたまゆら。風景と人の優しさだけで一本通すという意味で、このはな綺譚と地続きの心地よさがある。
あやかしと人の交わりと、別れの寂しさに惹かれたなら夏目友人帳。一話ごとに誰かと出会って見送る構造が、ここはな亭で感じたあの余韻をそのまま長く味わわせてくれる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ | |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
『このはな綺譚』は、dアニメストア、U-NEXT、DMM TV、Huluの4つの配信サービスで視聴できます。アニメ専門のdアニメストアをはじめ、複数のサービスに対応しているため、ご自身が利用中のサービスで気軽に楽しめます。癒しの日常系作品を探している方は、ぜひこれらの配信サービスでチェックしてみてください。
よくある質問
まとめ
『このはな綺譚』は、dアニメストア、U-NEXT、DMM TV、Huluの4つの配信サービスで視聴できます。アニメ専門のdアニメストアをはじめ、複数のサービスに対応しているため、ご自身が利用中のサービスで気軽に楽しめます。癒しの日常系作品を探している方は、ぜひこれらの配信サービスでチェックしてみてください。
