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今日、恋をはじめます
| 放送年 | 2010年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 2話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | J.C.STAFF |
つばきは毎朝妹の髪を可愛くセットするのが好きだが、自分には似合わないと思っている。高校入学式の日、成績トップになれず壇上に立てなかったつばきは、最悪で無礼な1年生トップ、京太の隣に座る。彼の言動がきっかけで、つばきは自分を変えることを決意する。
作品概要・あらすじ
あらすじ
毎朝妹の髪を丁寧にセットするのが日課の橘つばきは、入学式当日に学年トップを逃し、壇上に立てなかった悔しさを胸に抱えていた。式の最中、隣に座ったのは1年生首席・京太――無礼で傍若無人な態度の彼に、つばきは真っ向から衝突する。ところがその言動が思わぬ形でつばきの心に刺さり、「自分を変えよう」と決意するきっかけになってしまう。ずっと自分には似合わないと封印していた「おしゃれ」を解放することで、ふたりの関係は少しずつ動き始める。
みどころ・魅力
① 地味女子が「自分を解放する」瞬間のカタルシス
つばきのキャラクターは「妹のために技術を磨きながら、自分には使わない」という抑圧が核心にある。京太との衝突を経て封印を解くシーンは、少女漫画的な変身譚の王道でありながら、自己肯定感の回復という普遍的テーマとして胸に刺さる。
② 口は悪いが本質を突く京太のキャラクター造形
ヒーローポジションの京太は単なる高スペック男子ではなく、つばきの本質を見抜いて言葉をぶつけてくる。その無神経さと的確さが同居した造形が、読者(視聴者)をヤキモキさせながら引きつける本作最大のフックになっている。
③ 髪とおしゃれを軸にしたビジュアル演出
ヘアアレンジが物語の象徴として機能しており、つばきの心情変化がビジュアルに直結して伝わる設計になっている。OVAの尺ながらキャラクターデザインと作画でその変化を丁寧に描いており、短編ながら満足感のある仕上がりとなっている。
キャスト・声優一覧










スタッフ
| 監督 | 山内重保 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 羽山淳一 |
| 音楽 | 優 杉本 |
| 美術監督 | 竹田悠介 |
| OP | フレンチ・キス「If」 |
| ED | 伊藤かなえ「いじわるな恋」 |
| ED | 伊藤かなえ「未来記念日」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「今日、恋をはじめます」と聞いて最初に頭に浮かんだのは、実写映画のポスターだった。松坂桃李が出てたやつ。見ていない。少女漫画原作の実写化、という文字列が自動的に「自分向けではない」フォルダに放り込んでいた。OVAがあると知ったのはだいぶ後のことで、2010年というタイミングで出ていたのか、と思いながら再生ボタンを押した。
最初の数分で、こういう作品だとわかる。派手さはない。特定の視聴者層に向けて丁寧に作られた、少女漫画の文脈で完結している作品。悪い意味ではなく、むしろそのわかりやすさが誠実だと思った。2回目に見たとき気づいたのは、つばきの「自分には似合わない」という自己認識の描き方が、思ったよりも解像度が高いということ。誰かを可愛くするのが得意で、自分にはその余裕がない——そういう非対称性の描き方に、少女漫画の地力を感じた。
「自分を後回しにする女の子」が、誰かのせいで変わるという話
この作品が描いているのは、恋愛ではなく「自己認識の更新」だと思う。つばきは妹の髪を毎朝セットする。それが好きで、それが得意で、でも自分にはしない。「似合わない」ではなく「自分には必要ない」という感覚——これは少女漫画の主人公類型として珍しくはないが、この作品はその動機をわりと真面目に掘り下げている。
京汰という存在が機能するのは、彼が「つばきを可愛いと思った」からではなく、彼の無礼で自己中心的な言動が、つばきの「自分を後回しにする」パターンを強制的に可視化させるからだ。鏡として機能するキャラクターとしての京汰。浪川大輔の演技がここで効いていて、無礼さに嫌味がない。傲慢なのに憎めない、という絶妙な温度を声で作れる人は意外と少ない。
伊藤かな恵が演じるつばきは、内省的な台詞を多く抱えている。「自分には似合わない」という言葉を繰り返すキャラクターを、自己憐憫に見せずに演じるのは難しい。感情の抑制と、ちょうどいい柔らかさのバランスが、このキャラクターが「痛い」ではなく「わかる」に着地している理由だと思う。
OVAという尺の制約の中で、この作品は恋愛の「結果」より「きっかけ」を描くことに集中している。変わることを決意するまでの話。その選択は正しかったのか、その後どうなったのか——そこはほぼ描かれない。補完を原作漫画に委ねる構造で、OVAとしては正直な作りだと思う。
特に刺さったシーン
入学式当日、成績トップを逃して壇上に立てなかったつばきが、京汰の隣に座らざるを得なくなるくだり。このシーンで、伊藤かな恵の声のトーンが微妙に変わる瞬間がある。悔しさと諦めと、なんとなく「まあそうだよな」という投げやりさが混ざった感じ。ここで思わず一時停止した。
京汰が放つ言葉はわりとひどい。でも浪川大輔の声でフィルターがかかると、傷つけようとして言っているのか無自覚なのかが曖昧になる。その曖昧さが、つばきが「腹が立つのに気になる」という状態に陥る説得力を作っている。声の演技だけでキャラクターの解釈を一段階複雑にしている、という意味でこのシーンは記憶に残る。
矢作紗友里演じる妹・さくらのキャラクターも、短い出番の中でちゃんと存在感がある。つばきとの関係性の非対称性——世話をする側とされる側——が、会話の間だけで伝わってくるのは脚本と演技の両方が機能しているからだと思う。
読んで見たくなったら——『今日、恋をはじめます』はDMM TVで視聴できる(14日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 少女漫画の「変わることを決意する瞬間」の描写が好きな人
- 浪川大輔・伊藤かな恵の演技を目当てに短尺OVAを掘る人
- 原作漫画を読んでいて、アニメ化された映像で声を確認したい人
- 派手な展開より、キャラクターの内側の変化を丁寧に追う作品が好きな人
合わない人
- OVAを「完結した物語」として見たい人(この作品は導入で終わる)
- 主人公が受け身でもどかしい展開が苦手な人
- 少女漫画的な「強引な男キャラ」の文法に乗れない人
- 2010年前後の作画テイストが気になる人
次に見るなら
「自分を変えることを決意する女の子」という入口が好きなら、ちはやふるが近い体験を与えてくれる。競技かるたというニッチな世界を舞台に、主人公の自己発見と成長が丁寧に描かれていて、少女漫画の地力と向き合う誠実さという点で共通するものがある。
OVAという形式で少女漫画原作の「雰囲気」を楽しみたいなら、君に届けのシリーズがおすすめ。自己評価の低い主人公が他者との関係の中で少しずつ変わっていく構造が似ていて、こちらはTVシリーズでしっかり尺を取って描かれているため、OVAで物足りなかった部分の補完になる。
浪川大輔の演技がこの作品で気になったなら、NANAを掘ってみると面白い。少女漫画の文法の中で、声優の解釈がキャラクターの印象を大きく左右するという体験が、また別の角度でできる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ | |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『今日、恋をはじめます』はDMM TVで視聴できます。王道の少女漫画ラブコメをOVAで手軽に楽しみたい方に向いている作品です。DMM TVのラインナップから探してみてください。
