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鉄拳 BLOOD VENGEANCE
| 放送年 | 2011年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | ゲーム |
高校生の凌暁雨はG社のアンナ・ウィリアムズに勧誘され、京都大学に転入して学生・神雷也の情報を集める。一方、三島財閥の現当主・風間仁はアリサ・ボスコノビッチを同じ任務のため大学に送る。本当の目的を知らない暁雨とアリサは親友になるが、やがて彼女たちの立場は対立する。
作品概要・あらすじ
あらすじ
G社のエージェント、アンナ・ウィリアムズから勧誘を受けた女子高生・凌暁雨(シャオユウ)は、ある人物の情報収集を命じられ京都の大学へと転入する。同じ頃、三島財閥の風間仁もアリサ・ボスコノビッチを同じ目的で潜入させていた。互いの素性を知らないまま親友となった暁雨とアリサだったが、任務の真実が明かされたとき、二人は敵対する運命に引き込まれていく。そしてその背後には、不死の秘密を巡る三島家の因縁が隠されていた。
みどころ・魅力
① フルCGで描かれる圧巻のアクションシーン
人気格闘ゲーム『鉄拳』シリーズのキャラクターたちがフルCGアニメーションで激突する。ゲームならではのコンボやダイナミックな動きが忠実に再現されており、シリーズファンはもちろん、アクション映画ファンにも満足のいく映像体験を提供している。
② 暁雨とアリサ、二人のヒロインの友情と対立
互いの任務を知らずに築かれた友情が、真実の発覚によって試される。等身大の感情を持つ二人のキャラクターが物語の中心にいることで、派手なバトルだけでなく人間ドラマとしての側面もしっかりと描かれている点が本作の大きな魅力だ。
③ 三島家の因縁と「不死」を巡る壮大なスケール
三島平八・三島一八・風間仁という三世代にわたる三島家の宿命が、本作でも重要なキーとなる。不死の力という神話的テーマが加わることで、バトルアクションを超えた壮大なスケールの物語が展開される。シリーズの世界観を深く知るファンほど楽しめる構造になっている。
キャスト・声優一覧























スタッフ
| 音楽 | 崎元仁 |
|---|
感想・評価
最初に見たとき——「格ゲーの映画」という先入観が、序盤5分で消えた
正直に言う。格ゲー原作のアニメ映画に対して構えていた。「キャラクターが戦うだけの90分」という読みをしていたし、その読みが外れたことに少し狼狽えた。2011年当時の劇場公開で見た人間はそれなりの度胸があったと思う。今では配信が一切なく、手に入れるにはAmazonでDVDを買うしかない。そういう作品になっている。
最初に見たとき引っかかったのは、メインの視点キャラクターが三島家でも鉄拳の看板キャラでもなく、高校生スパイの凌暁雨とアリサという2人の少女だったことだ。格ゲー映画として見始めたら、いつのまにか「互いの素性を知らないまま親友になる2人」の話を見ていた。そのすり替えは、悪くない種類の裏切りだった。
「友情」を成立させるために、お互いが嘘をついていなければならなかった
この映画の構造は、シンプルで残酷だ。暁雨はG社のスパイとして神谷真に近づき、アリサは三島財閥のエージェントとして同じ任務を別角度から遂行する。2人は「任務のために」同じ標的に近づいた結果、偶然に友人になる。そしてその友情は、お互いが本当のことを言えない状況の上にだけ成立している。
これは単純な「スパイものの裏切り」ではないと思っていて、もう少し意地悪な話として読める。暁雨もアリサも、「本当の自分」を隠した状態でしか友人になれなかった。だとしたら、あの友情は偽物だったのか。そこが、この映画が格ゲー原作作品の中では珍しく、感情の引っかかりを残す理由だと思う。
坂本真綾がアリサを演じているのは、今思うとかなり効いている。機械であるアリサが「感情らしきもの」を手探りで表現するとき、坂本真綾の声の質感——抑制された中に滲む温度——が、そのぎこちなさをリアルにする。「感情を持つようプログラムされているのか、本当に感じているのか」という問いが、声の演技の中にそのまま宿っている。
対して宮野真守の神谷真は、物語の中で長いこと「情報の対象」として扱われる。秘密を持つキャラクターを、宮野真守は「何かを知っている人間の静けさ」として表現していて、終盤でその静けさが崩れる瞬間の落差が効いた。こういう役の使い方が上手い。
格ゲー映画として見に来た観客が、終盤の三島家の因縁——石塚運昇演じる三島平八の登場——で「あ、そっちの話でもあった」と気づく構成は、2層構造としてよく機能している。友情の話と、三島家の業の話が、終盤で交差する。どちらかだけでは成立しなかった。
特に刺さったシーン
終盤、アリサが戦闘モードに切り替わるシーンで、暁雨の表情がある。台詞はほとんどない。「友人だと思っていた相手が、最初から何者かだった」という情報を顔だけで処理する数秒間。ここで余計な台詞を入れなかった判断は正しかった。
石塚運昇の三島平八は、登場時間はそれほど長くないが、声だけで場の空気が変わる。あの低域の圧力は再現できない種類のものだ。2019年に亡くなっているので、今では遺された仕事として聞くことになる。映画館の音響で聞いた人間が羨ましいと思う瞬間がある。
置鮎龍太郎のリー・チャオランは、どこか飄々とした余裕があって、物語の緊張感の中でちょうどいい異物感を出している。置鮎龍太郎がこういう「涼しい顔をしている男」を演じると、本当にサマになる。渡辺明乃のアンナも含め、脇を固める声優陣のキャスティングの解像度が高い映画だった。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 鉄拳シリーズを多少知っている(三島家の因縁をうっすら把握している)人
- 坂本真綾・宮野真守のファンで、声優演技目的で見られる人
- 「女の子2人の友情と裏切り」という構造が好きな人
- アクション作画を映画館クオリティで見たい人(この映画、動く)
- 配信を待たずDVDを買える人(現状それしかない)
合わない人
- 鉄拳キャラが全員バトルロイヤルをする映画を期待している人
- 格ゲー原作に対して「ゲームと別物」を許容できない人
- 90分の尺で三島家の因縁を全部解決してほしい人
- 配信で気軽に見たい人(選択肢がない)
次に見るなら
APPLESEED(2004年)もCGアニメ映画として同時代の作品で、アクションと人間(あるいは人間でないもの)の感情を絡める構造が近い。フルCGの質感が気にならないならそのまま入れる。
ストリートファイターII THE ANIMATED MOVIE(1994年)は格ゲー原作劇場版の「先輩」として見ておく価値がある。こちらはキャラクターを戦わせることに全振りしていて、BLOOD VENGEANCEとの設計思想の違いが面白い比較になる。
楽園追放 -Expelled from Paradise-(2014年)は、機械と感情というテーマ面でアリサの話に食いついた人間に刺さる。こちらも劇場版フルCGで、スケールの使い方が似ている。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現時点では、『鉄拳 BLOOD VENGEANCE』は国内の主要な定額制動画配信サービスでの配信は確認されていません。視聴を検討される場合は、DVDやBlu-rayなどのパッケージ購入、または都度課金のレンタルサービスをご利用いただくのが確実です。鉄拳シリーズのファンであれば手元に置いておく価値のある一作です。