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劇場版ハートの国のアリス~Wonderful Wonder World~
| 放送年 | 2011年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | ビジュアルノベル |
| 制作 | Asahi Production |
『不思議の国のアリス』を乙女ゲーム化した作品。美少年キャラクターとロマンスが追加された血生臭いパロディ。従来のアリスと異なり、本作のアリスは聡明で従順ではない。実は彼女は実用的で強く、暗く皮肉的な性格。伝統的な物語とは異なり、アリスは無理やり異世界へ連れ去られる。
作品概要・あらすじ
あらすじ
乙女ゲーム『ハートの国のアリス』を原作とした劇場版アニメ。ある日突然、白うさぎのピーターに異世界「ハートの国」へ連れ去られてしまったアリス。そこは拳銃を手にした美麗な住人たちが争い合う、危険と隣り合わせの不思議な世界だった。クロックタワーの城主ジュリアス、遊園地の支配者ノーランドなど、個性豊かなキャラクターたちとの交流を通じ、アリスは次第にこの世界の秘密と向き合っていく。みどころ・魅力
① 従来のアリス像を覆す、強くて皮肉屋なヒロイン
本作のアリスは、原作童話のような従順で夢見がちな少女ではない。現実的でしたたかな判断力を持ち、時に辛辣な言葉を返すダークさも備えている。そのギャップが乙女ゲーム原作ならではの魅力で、感情移入しやすい等身大のヒロイン像として支持を集めた。② 血と薔薇が交差するダークファンタジーの世界観
ティーパーティーや遊園地といったメルヘン的舞台を保ちつつ、銃撃戦や「住人の命の軽さ」といったシリアスな要素が同居する独特の世界観が特徴。可愛らしいビジュアルと物騒な設定の落差が、ほかの乙女ゲーム原作作品にはない緊張感をもたらしている。③ 個性豊かな攻略キャラクターたちとのロマンス
ゲーム原作らしく、ビジュアルと個性を持った美麗キャラクターが勢揃い。劇場版では物語をアリスとピーターの関係を軸に再構成し、スクリーン映えするシーンを凝縮。それぞれのキャラクターの見せ場が盛り込まれており、原作ファンも初見の視聴者も楽しめる構成になっている。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 大庭秀昭 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 原修一 |
| 美術監督 | 鈴木路恵 |
| 音響監督 | 西村朋紘 |
| OP | 久野「Wonderful Wonder World」 |
| ED | クインローズ「迷宮の万華鏡」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
配信がない。これに尽きる。2011年の劇場版で、今もどのサブスクにも置いていない。TSUTAYA DISCASで宅配レンタルするかAmazonでDVDを買うしかない。そういう作品はもう「見ようと思わないと一生見ない枠」だ。乙女ゲーム原作の劇場版、しかも2011年製。正直、手が伸びるまでに時間がかかった。
踏み切ったのは、釘宮理恵がアリスを演じているという一点が引っかかっていたから。釘宮ボイスのヒロインはどうしても「ツンデレ」の記号として処理されがちだが、このアリスは出発点が違う。暗くて皮肉屋で、しかし妙に現実的という設計。DVDを手配して再生してみると、確かにそういう質感だった。
「不思議の国のアリス」のパロディだと思って見始めると少し面食らう。ハートの国の住人たちは銃を持ち、血が流れ、「役割のない人間」は簡単に消えていく。そのダークな土台の上に、乙女ゲーム的なロマンスが乗っかる。組み合わせとしては奇妙だが、見ていくうちにこの世界観の引力に気づいてくる。2011年に劇場まで足を運んだファンがいた理由が、じわじわと腑に落ちてくる感覚。
誰にでも好かれる世界で、自分から選ぶことの重さ
ハートの国のアリスが他の乙女ゲーム映像化と一線を画しているのは、ヒロインが最初から「愛に対して懐疑的」という設定にある。アリスは何の説明もなく異世界に連れてこられ、なぜか周囲の住人全員に好かれる。普通の乙女ゲームならそこから少しずつ心を開いていくのが定番だが、このアリスは違う。
はっきり言うと、アリスには「愛したいが、愛せない」という傷がある。姉の恋人に恋をして、傷ついた過去。それ以来、誰かに本気で心を向けることにブレーキがかかっている。異世界に来ても、その態度は変わらない。好意をぶつけてくる住人たちに、彼女は正直に「あなたたちを好きになれるか分からない」と言う。この一言が、物語の重心だと思う。
乙女ゲームのヒロインは「なぜモテるか分からない受動的なキャラ」として批判されることが多い。アリスはその批判に事前に答えているような造形で、自分がなぜ動けないかを自覚している。だから彼女が誰かに向けて動き出す瞬間に、重みが生まれる。小西克幸演じるブラッド デュプレ——マフィアのボスという、どう見ても縁のない危険人物——との関係が、その葛藤の核心に据えられている。
石田彰のジョーカーがこの映画の空気をねじる。彼が現れるシーンは場がひんやりする。笑顔のまま不穏なことを言うタイプのキャラクターは石田彰の独壇場で、声だけで観客に緊張を走らせる。劇場のスピーカーを通して聞くと、その静けさがより際立つ。この役を誰が当てたのか、判断したプロデューサーは正しかったと思う。
テーマとして読むなら「選択の能動性」だ。愛されることが当たり前の環境に放り込まれながら、自分から誰かを選ぶことの難しさ。そして、それでも選ぶという決断。乙女ゲームの文法をなぞるだけでなく、アリス自身のドラマとしての厚みがある。単なるキャラ紹介映像に終わらなかった分、90分弱の尺を有効に使えている作品だと感じた。
特に刺さったシーン
釘宮理恵のアリスが、感情をこらえながら静かに言葉を発するシーンがある。釘宮ボイスはどうしても高めのツンデレ印象で語られがちだが、このアリスでは抑制の演技が際立つ。感情を抑えているからこそ、声が少しだけ揺れる瞬間がある。そこに気づくと、キャラクターの内面が一気に近くなる感覚があった。あの微細な揺れは、スピーカーが貧弱な環境だと飛ぶ。劇場音響で聴くべきトラックだったと思う。
福山潤のトゥイードル=ディーは序盤からコメディリリーフ的に出てくるが、終盤のある一言でキャラクターの「役割の重さ」が滲み出てくる場面がある。笑いと悲しさが紙一重のラインを声で表現するのが福山潤は上手い。ああいう瞬間があるから、乙女ゲーム原作の映像化は声優のキャスティングで成否が変わる、と改めて思う。
杉田智和が演じるキャラクターは、あの声で世界の不条理を語る場面で存在感が跳ね上がる。低音のある声が劇場の空間に広がるときの質感は、ヘッドホンで聴くのと体感が別物だ。この作品、今は配信がないのでDVDかレンタルでしか見られない。それが惜しいと感じたシーンのひとつだった。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。TSUTAYA DISCASの30日間無料トライアルでレンタル代ゼロで見れる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 乙女ゲーム原作アニメに免疫があり、キャラクターの濃さを楽しめる人
- 「不思議の国のアリス」の世界観が好きで、ダークアレンジに抵抗がない人
- 釘宮理恵・石田彰・福山潤・小西克幸の演技を目当てに見られる人
- 受け身でないヒロイン像が好きな人、自分の意志で動くヒロインを求めている人
- 2011年前後の劇場版アニメの作画・演出感に懐かしさを覚える人
合わない人
- 多数のイケメンがヒロインを取り囲む構造が生理的に無理な人
- ゲームの複数ルートを1本に圧縮した構成で説明不足を感じやすい人(原作知識がないと置いてかれる部分がある)
- 銃・暴力・人の死がさらっと描かれる演出が合わない人
- ストーリーのテンポを重視する人(乙女ゲーム原作特有の「関係性の積み上げ」に時間をかける構成のため)
次に見るなら
薄桜鬼 〜新選組奇譚〜——幕末を舞台にした乙女ゲーム原作で、こちらも世界観に血の匂いが漂う。複数の男性キャラとヒロインの関係性を描く構成はハートの国と近く、「乙女ゲーム原作×シリアスな時代背景」の組み合わせが好きなら自然に続けて見られる。
AMNESIA——2013年の乙女ゲーム原作アニメ。記憶を失ったヒロインが異なるルートで複数の関係性を経験する構成で、ゲームの多ルート構造をアニメにどう落とし込むかという観点で比較しながら見ると面白い。こちらも独特の世界観があり、最初は戸惑う入り口を持つ。
赤髪の白雪姫——ファンタジー世界で能動的に動くヒロインが好きな人向け。乙女ゲーム原作ではないが、「受け身でないヒロイン像」という点でアリスと通じるものがある。こちらは配信でも見やすく、ハートの国のアリスへの入口としても逆ルートとしても機能する。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現在、劇場版ハートの国のアリス~Wonderful Wonder World~は主要な定額配信サービスでの配信は確認されていません。視聴にはDVD・Blu-rayのレンタル・購入をご検討ください。配信状況は変わる場合がありますので、最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
