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serial experiments lain
| 放送年 | 1998年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 13話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | Triangle Staff |
すべてが繋がっている。現実の世界と、人々、触覚、文化がある。一方、コンピュータ内の配線された世界には、映像、人格、仮想体験、独自の文化がある。同級生の自殺の翌日、14歳の少女・玲音は、死んだ少女からメールを受け取り、二つの世界がいかに密接に繋がっているかを発見する。
作品概要・あらすじ
あらすじ
1998年放送のSFアニメ。14歳の内気な少女・岩倉玲音は、クラスメイトの自殺の翌日、その死んだ少女からメールを受け取る。メッセージには「ワイヤード(ネットワーク空間)に神がいる」という言葉が。現実とワイヤードの境界が曖昧になるなか、玲音は自身の存在や意識、アイデンティティをめぐる深い謎に引き込まれていく。哲学的・難解な語り口で描く、90年代を代表する問題作。みどころ・魅力
① 現実とネットワークの境界が溶けていく独特の世界観
インターネットが普及し始めた1998年に「ワイヤード」という概念でネット空間と現実の融合を描いた先見性が際立つ。記号的な映像表現と断片的な語り口が視聴者に強烈な没入感を与え、何度観ても新たな解釈が生まれる重層的な構造になっている。② 主人公・玲音のアイデンティティ崩壊を追う心理描写
「自分とは何か」「意識はどこに宿るのか」という哲学的テーマを、少女の視点を通して体験させる構成が秀逸。回を重ねるごとに玲音の人格と現実認識が変容していく過程は、サイコロジカルホラーとしても高い緊張感を持つ。③ 中村隆太郎監督×安倍吉俊キャラデザによる実験的映像美
意図的な静止・繰り返し・ノイズなど従来のアニメ文法を逸脱した演出が特徴。BOA「Duvet」による英語オープニングも含め、音響・視覚両面での実験的アプローチが作品全体に独特の空気を醸成している。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 中村隆太郎 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 小中千昭 |
| 原案キャラデザ | 安倍吉俊 |
| キャラクターデザイン | 岸田隆宏 |
| 音楽 | 仲井戸麗市 |
| 美術監督 | 佐藤勝 |
| 音響監督 | 鶴岡陽太 |
| OP | Bôa「Duvet」 |
| ED | 中井戸 麗壱「遠い叫び」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
1998年放映当時、リアルタイムでは見ていない。見たのはずっと後で、「90年代の難解アニメの筆頭」みたいな文脈で名前を知って、そのうち、と思いながら放置していたやつだ。いざ見始めたら、1話から画面の雰囲気がおかしかった。色は暗い、カットは飛ぶ、台詞に脈絡がない。「これは雰囲気アニメかもしれない」と半ば諦めながら最後まで流した。正直、1周目は何も分からなかった。話が、ではなく、何を感じればいいのかが分からなかった。でも見終わって、不思議と嫌な気分じゃなかった。それがまた引っかかって、2周目を見た。そうしたら少しだけ輪郭が見えてきた気がした。「少し」だけ。
「自分」はネットワークの外側にいなければならないのか
serial experiments lainが描いているのは、ひとことで言えば「存在の所在地」の話だと思う。玲音という少女が、現実の世界とWired(ネットワーク空間)の間を行き来するうちに、自分が「どちら」にいるのかが曖昧になっていく。そのプロセスが、この作品の中心にある。
ここで面白いのは、lainがWiredを「現実より劣るもの」として描いていない点だ。多くのSF作品では、バーチャルな空間は「本物の世界の代替品」として位置づけられる。でもlainにおいて、Wiredは現実と並列に存在していて、場合によってはそちらの方が「根源的」ですらある。人の意識がネットワークに存在できるなら、身体がなくても「自分」は成立するのか。記憶と人格さえあれば、それは生きていることと等しいのか。
1998年という時代を考えると、インターネットはまだ「特別な人がアクセスする特別な場所」だった。でも作品の中でWiredは、まるで神経のように現実世界に張り巡らされていて、人々の無意識と繋がっている。今の感覚で見ると、その描写は予言というより観察に近い。SNSで「オンライン上の自分」が「リアルの自分」と別人格になっていく感覚、あるいは現実のコミュニティより匿名空間の方が居心地いい感覚——lainはそれを1998年時点で既に捉えていた。
清水香里が演じる玲音は、終盤になるにつれて声のトーンが変化していく。序盤の、どこか空洞なような静かな声が、Wiredと現実の境界が溶けるにつれて変質していく。「演技が上手い」という言い方では足りなくて、声そのものがキャラクターの存在の不安定さを体現している感じがある。2周目で初めてその変化に気づいて、少し背筋が冷えた。
特に刺さったシーン
序盤、死んだ同級生からメールが届くくだりの処理の仕方が好きだ。普通の作品なら「えっ、死んだはずなのに!」という驚きを前面に出すところを、lainはほとんど感情的な反応を挟まずに進んでいく。玲音が淡々とNAVIを操作して、メールを開く。そこに異常を異常として描かない冷静さがあって、それが逆に不気味だった。
もう一つ、中田譲治が演じるハウスホーファーが登場するシーン。あの声には独特の「向こう側から話しかけてくる感じ」があって、Wiredの奥にいる存在として説得力がある。中田譲治はああいう、人間かどうかよく分からない役が上手い。速水奨演じる英利の、どこか作りもののような滑らかさも含めて、キャスティングが作品の異質感と噛み合っている。
川澄綾子が演じる美香は出番こそ多くないが、彼女が「普通の家族」の代表として機能している分、玲音の変容との対比がくっきりする。普通の声が普通に機能している、その「普通さ」が後半のノイズになっていく。
読んで見たくなったら——『serial experiments lain』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「分からなかったけど気になる」が好きな人。答えを渡してくれない作品を楽しめる人向け
- 90年代の独特の映像文法、フィルムグレインや静止カット、極端な間が気にならない人
- インターネット黎明期の雰囲気に郷愁か興味がある人
- 存在論とか意識とか、そういうテーマが好きな人
- 複数回見ることを苦にしない人(1周目は霧の中を歩く感じになる)
合わない人
- ストーリーの起承転結を求める人。この作品に「解決」はほとんど来ない
- 作画の流動的な品質が気になる人(90年代TVアニメとして見れるかどうか)
- キャラクターへの感情移入を軸に見たい人。玲音は感情の窓口として機能しにくい
- 1話で掴みがないと切る人。3話くらいまでは「何も起きていない」と感じる可能性が高い
次に見るなら
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX——「自分」とは記憶か身体かという問いを、lainより整理された形で見たい人向け。こちらはアクションと哲学が両立していて、lainより格段に「見やすい」。ただ問いかけの根っこは近い。
妄想代理人——今敏監督作。現実と虚構の境界が溶けていく構造がlainと共鳴する。こちらは群像劇なのでキャラクターへの感情移入がしやすく、lainで置いていかれた感のある人が次に見るには入りやすい。
Texhnolyze——lainと同じく、答えを与えない系の筆頭。暗く遅く、最初の数話はほとんど台詞もない。lainを最後まで見られたなら、たぶん耐えられる。耐えた先に何かある作品。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
『serial experiments lain』はdアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中のため、いずれかのサービスに加入していればすぐに視聴できます。各サービスの無料トライアルを利用すれば初回は無料で全話まとめて観ることも可能です。1998年の放送ながら今なお色褪せない問題作を、ぜひこの機会に体験してみてください。
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まとめ
『serial experiments lain』はdアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中のため、いずれかのサービスに加入していればすぐに視聴できます。各サービスの無料トライアルを利用すれば初回は無料で全話まとめて観ることも可能です。1998年の放送ながら今なお色褪せない問題作を、ぜひこの機会に体験してみてください。
