キズナイーバー

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2016キズナイーバー

キズナイーバー

★ 3.6 / 5.0ドラマラブコメSF
放送年2016年
フォーマットTVアニメ
話数12話
原作オリジナル
制作TRIGGER

本文 架空の日本の都市・菫守市は埋め立て地に建設されたが、年月とともに人口が減少している。ある日、園崎がクラスメイトの勝平に「キズナイバーに選ばれた」と告げる。傷を共有できるキズナシステムにより、勝平は人生と性格が全く異なるクラスメイトたちと繋がれることになる。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

舞台は埋め立て地に建設された架空の都市・菫守市。痛みを感じない体質を持つ少年・阿形勝平はある日、謎めいた少女・園崎法子から「キズナイバーに選ばれた」と告げられる。キズナシステムとは、複数の人間が傷や痛みを共有できる実験的な仕組み。勝平は性格も境遇も全く異なるクラスメイト6人と強制的に繋がれ、互いの痛みを分かち合いながら、バラバラな7人が少しずつ心を通わせていく青春群像劇。

みどころ・魅力

① 「痛みを共有する」という斬新な設定が生む人間ドラマ

身体的な痛みを強制的に分かち合うキズナシステムは、単なるSF設定にとどまらない。他者の傷みを文字通り体感することで、それまで壁を作っていたキャラクターたちが互いの本音や弱さに触れていく過程が丁寧に描かれており、人と人が繋がることの意味を問いかける構成になっている。

② TRIGGER×岡田麿里が生み出す激情の青春ラブコメ

アニメスタジオTRIGGERの鮮烈な映像美と、脚本家・岡田麿里の得意とする感情爆発型の人間関係が融合した作品。一筋縄ではいかない恋愛模様と、こじれた友情が交差する展開は、観ていて胸が締め付けられるシーンも多く、感情を揺さぶる演出が随所に光る。

③ 個性豊かな7人のキャラクターと成長の軌跡

チャラい男、優等生、ヤンキー、陰キャ、アイドル志望など、一見交わらないはずの7人が同じ痛みを共有することで変化していく様子が見どころ。最初はギスギスしていた関係が少しずつほぐれ、それぞれが自分の弱さと向き合う成長物語としても楽しめる。

キャスト・声優一覧

阿形勝平
阿形勝平
メイン
梶裕貴
園崎法子
園崎法子
メイン
山村響
高城千鳥
高城千鳥
メイン
寺崎裕香
天河 一
天河 一
メイン
前野智昭
新山仁子
新山仁子
メイン
久野美咲
由多次人
由多次人
メイン
島﨑信長
牧穂乃香
牧穂乃香
メイン
佐藤利奈
日染芳春
日染芳春
メイン
西山宏太朗
山田一直
山田一直
サブ
諏訪部順一
漆原睦
漆原睦
サブ
園崎未恵
あすか
あすか
遠藤璃菜
瑠々
瑠々
仲谷明香

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スタッフ

監督小林寛
シリーズ構成岡田麿里
原案キャラデザ三輪士郎
キャラクターデザイン米山舞
音楽林ゆうき
美術監督野村正信
音響監督亀山俊樹
OPブンブンサテライツ 「LAY YOUR HANDS ON ME」
ED三月のパンタシア「はじまりの速度」

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

OP・ED

OP

ED

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

岡田麿里と聞いて手を伸ばした。それだけだった。「痛みを共有する」という設定の説明を読んだとき、正直「またSF的ガジェットで人間関係を強制的にドラマ化するやつか」という斜め構えで再生ボタンを押した記憶がある。2016年当時のTRIGGER作品としては、キルラキルの熱量を期待している人種と、岡田麿里の情念劇を求めている人種が同じ椅子に座らされた不思議な構図があって、自分はどちらかというと後者の立場で見ていた。

最初の数話は「キャラクターが多い」という印象が強く、それぞれの「痛み体験」がやや説明的に感じた。ところが2周目に入ると、序盤のシーンの意味が全部ひっくり返る感覚があった。登場人物たちが「痛みを感じない/感じられない」ことへの解像度が、1周目と別物になる。見直して初めてわかる構成が、ちゃんと仕込まれていた。

「痛みを分け合えば仲良くなれる」という嘘と、それでも人が求める繋がりの話

キズナイーバーの核心は、システムの話ではない。「傷を物理的に共有させれば世界平和が実現する」という発想それ自体が、どれだけ暴力的な楽観主義であるかを、作品は静かに解体していく。

岡田麿里の脚本が毎回やることは、「感情の外部化」だ。言葉にできない、言葉にしたくない内側のものを、何らかの装置を使って強引に可視化させる。あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。では死者の幽霊がその装置だったし、心が叫びたがってるんだ。では呪いがそれだった。キズナイーバーでは「傷の共有」がその役割を担う。

ポイントは、装置が機能することで問題が解決するかというと、そうはならないことだ。痛みを共有しても、なぜその痛みが生まれたのかという文脈は共有されない。主人公の勝平が「痛みを感じにくい」体質であることは、身体的な異常ではなく、感情的な麻痺の比喩として機能している。梶裕貴が演じるこの役は、声に感情の振れ幅が意図的に少なく、その「平坦さ」が物語が進むにつれて崩れていく過程がよくわかる。序盤と終盤で同じ台詞の重さが全然違う。

諏訪部順一が演じる山田一直のキャラクターは、「傷を隠すために攻撃性を纏う」という岡田麿里作品の典型的なタイプで、ある意味でわかりやすい。ただ、その「わかりやすさ」が本人にとって武器であり呪いでもある点を、諏訪部順一の低音と独特の間の使い方がリアルに伝えていた。

「痛みを分け合えば繋がれる」という発想が純粋に間違っているわけではない。ただそれが「正しい繋がりを保証しない」という事実を、この作品は12話かけて丁寧に描く。繋がることと、理解することは別の話だ。システムが強制的に接続させても、そこに生まれるのは必ずしも共感ではなく、摩擦であり、誤解であり、時に暴力にもなる。それでも、人はその摩擦の中で何かを掴もうとする。そのどうしようもない性質への、苦い愛情がこの作品の根っこにある。

特に刺さったシーン

中盤、キズナイーバーたちが互いの「七つの苦悩」を暴き合うような展開に入るあたりで、島﨑信長が演じる由多次人の「本音」が漏れ出すシーンがある。あのキャラクターは序盤ずっと飄々としていて、感情の核心をあえて見せない振る舞いをしているのだが、その仮面が割れる瞬間の島﨑信長の声の変化が妙に刺さった。特別な絶叫があるわけではない。ほんのわずかな掠れ方、抑揚の崩れ方で「あ、この人も傷ついてる」とわかる芝居だった。

佐藤利奈が演じる牧穂乃香の、「私はずっとここにいたのに」という感情の爆発もよく覚えている。過去の繋がりと現在の断絶が交差する終盤の展開で、あの台詞の手前の間の長さが計算されていた。言葉の前の静寂が、長年抑えてきた時間そのものだった。

作画面では、TRIGGER特有の動きの気持ちよさが感情的なシーンで逆に引き算されていて、静止に近い画面で感情が溢れる演出が何箇所かあった。派手さで殴ってくる作品ではなく、止まった瞬間に何かが決壊する、という見せ方がこの作品の温度感に合っていた。

読んで見たくなったら——『キズナイーバー』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 岡田麿里脚本が好きで、痛みを通じた人間ドラマに耐性がある人
  • 「繋がりたいのに繋がれない」という感覚を10代〜20代に抱えた経験がある人
  • TRIGGERの映像表現が好きで、かつ純粋なアクション物でなくても問題ない人
  • 声優の細かい演技の変化を拾いながら見るタイプ
  • 12話完結で綺麗に終わる作品を求めている人

合わない人

  • キャラクターが最初から好感を持てないと続けられない人(序盤は全員どこかイタい)
  • SF設定のロジックが気になるタイプ(キズナシステムの理屈は深掘りしない)
  • TRIGGERにアクションの熱量を期待している人
  • 人間関係のこじれを丁寧に見せられることが苦手な人

次に見るなら

感情の外部化装置を使って人間ドラマを描くという構造が好きなら、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。は外せない。岡田麿里の「言えなかった言葉が爆発する」脚本の完成形のひとつで、キズナイーバーと同じ痛みの温度がある。幽霊という装置の使い方が、キズナシステムと対をなすような感覚で見ると面白い。

集団の中での孤立と繋がりを描くドラマとして、心が叫びたがってるんだ。も同じ文脈で楽しめる。こちらも岡田麿里脚本で、「言葉を封じられた少女」という設定が、キズナイーバーとテーマ的に共鳴する。青春の痛みを綺麗に昇華させすぎない正直さが両作品に共通している。

TRIGGERの映像表現をもっと見たいなら、プロメアが一択だが、あちらは岡田麿里ではなく中島かずきの脚本でまったく別の熱量なので、キズナイーバーの情念劇とは切り分けて考えたほうがいい。「同スタジオの別温度」として楽しむ一本。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ×¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu×¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+

『キズナイーバー』はdアニメストア・U-NEXT・DMM TVの3サービスで配信中のため、すぐに視聴を始めることができる。各サービスで無料トライアルを実施していることも多く、まだ登録していない方はこの機会に試してみるのがおすすめ。全12話とコンパクトにまとまっているので、週末一気見にもちょうどよい作品だ。

よくある質問

Q. キズナイーバーは全何話ですか?
A. 全12話です。2016年春アニメとして放送されました。コンパクトな話数にまとまっており、週末などに一気見しやすい作品です。
Q. どこで視聴できますか?
A. dアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中です。各サービスの無料期間を利用すれば、お得に視聴できる場合があります。
Q. 制作スタジオはどこですか?
A. アニメスタジオTRIGGER制作で、脚本は『あの花』『心が叫びたがってるんだ。』で知られる岡田麿里が担当しています。感情的なドラマと鮮やかな映像が特徴です。
Q. 恋愛要素は強いですか?
A. 恋愛要素はありますが、複数キャラクターの感情が交差する群像劇スタイルです。ラブコメというよりも、恋愛を含む青春ドラマという方が近く、感情の機微を丁寧に描いた作品です。

まとめ

『キズナイーバー』はdアニメストア・U-NEXT・DMM TVの3サービスで配信中のため、すぐに視聴を始めることができる。各サービスで無料トライアルを実施していることも多く、まだ登録していない方はこの機会に試してみるのがおすすめ。全12話とコンパクトにまとまっているので、週末一気見にもちょうどよい作品だ。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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