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ASIENCE 髪は女の命
| 放送年 | 2007年 |
|---|---|
| フォーマット | スペシャル |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
カオ株式会社のアシエンスシャンプーの企画アニメーション作品『Asience: Hairy Tale』がProduction I.Gにより制作されました。60秒のこのアニメーション映画は、クエンティン・タランティーノの大ヒット作『キル・ビル』第1巻のアニメーション部分を担当して国際的な名声を得た中沢和則が監督を務めています。中沢はキャラクターデザインとアニメーション監督も担当しました。
作品概要・あらすじ
あらすじ
花王のシャンプーブランド「アシエンス」のプロモーション用に制作された60秒の短編アニメーション。Production I.Gが制作を担当し、映画『キル・ビル』Vol.1のアニメパートで国際的な評価を得た中沢和則が監督・キャラクターデザイン・アニメーション監督を務めた。「髪は女の命」というテーマのもと、女性の美しさと髪の神秘を幻想的な映像美で描き出す企画作品。みどころ・魅力
① 『キル・ビル』アニメパートの監督が手がけた映像美
タランティーノ作品でその名を世界に知らしめた中沢和則が監督を務める。独特の線の力強さと動きのダイナミズムは60秒という短い尺のなかにも凝縮されており、コマーシャル作品の枠を超えたアート性の高い映像体験を提供する。② Production I.Gの本気のクオリティ
企業PR用アニメながら、Production I.Gが制作を担当することで劇場作品にも引けを取らない作画クオリティを実現。短編であることを逆手に取り、1フレームごとに丁寧に作り込まれた映像が「髪」という素材のビジュアルポテンシャルを最大限に引き出している。③ 「髪」をテーマにした幻想的な世界観
「髪は女の命」という日本古来の美意識をアニメーション表現で昇華した作品。女性の黒髪が持つ神秘性・流動性・生命感を視覚的に表現しており、ブランドコンセプトとアート性が高次元で融合した稀有なPR作品として評価されている。スタッフ
| 監督 | 中澤一登 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 中澤一登 |
| 音楽 | 池頼広 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
アジエンス、といって真っ先に浮かぶのはドラッグストアの棚だった。あのシャンプーがアニメになったと聞いて、正直「企業案件でしょ」と軽く流すつもりだった。ところがProduction I.Gと、監督が中沢和則、という二点で手が止まった。中沢といえばキル・ビル第1巻のアニメパート——クエンティン・タランティーノが「これを入れなければ映画を作らなかった」と言わせた、あのシーンを作った人間だ。シャンプーの企画映像に、その監督が本気で関わったらどうなるのか。そういう純粋な興味で60秒を再生した。
見終わって最初の感想は「シャンプーCMにここまでやるか」だった。2回目に見たとき、今度は「広告映像」という文脈を意識的に外して観察した。そうすると全然違うものが見えてくる。これが面白い作品の条件だと思っている。
60秒の中に閉じ込められた、髪が動く「だけ」の時間
この作品が選んだのは「説明しない」という方法だった。ストーリーはほぼない。登場するのは女性と、その髪だけ。それで60秒が成立している。
「髪は女の命」というタイトルは、表面だけ読むと古めかしい美容観に聞こえる。でもこの作品が描こうとしているのは、もっと抽象的な何かだ。女性が自分の髪を扱うときの、あの時間の密度——洗って、流して、乾かす、一連の動作の中にある「他の何にも代替できない自分だけの時間」。シャンプーというプロダクトを売ろうとしているのに、映像が語ろうとしているのは商品ではなく、その時間の質なのだ。
中沢和則がキル・ビルで描いたのは、暴力と日本的な美の同居だった。血の赤と様式美が混在するあのパートを作った人間が、今度は「女性の髪」という極めて静謐な対象に向き合っている。だからといって甘くなっていない。むしろ緊張感がある。髪の一本一本の動きに嘘をつかせない、という意地のようなものが全体から滲み出ている。
商業アニメーションにおける「本気」の定義は文脈によって変わる。60秒のプロモーション映像にも、2時間の劇場作品にも、それぞれの「本気」がある。この作品が示しているのは、広告という制約の中でも、アニメーターの誠実さが画面に出てしまうという事実だ。誠実さとは技術の話ではなく、対象への態度の話で——この作品の「対象」は、女性の髪というきわめて具体的なものだった。だからこそ、普遍的な何かが生まれた。
特に刺さったシーン
髪が水中を漂うように広がる、序盤のあのカットが忘れられない。数秒のカットだが、ここにProduction I.Gが本気を投入したのがわかる。アニメーションにおける「髪の毛の表現」は技術的な難易度が高い。本数、動き、光の受け方、重力に従う速度、それら全部が複合して初めてリアルに見える。
CMアニメだからとCGコンポジットで処理することも可能だったはずなのに、あのカットにはそれをやっていない感触がある。手描きアニメーションが持つ固有の「揺らぎ」が残っている。最初に見たとき「綺麗だな」で終わったが、2回目に「これは機械には出せない揺らぎだ」と気づいた。その発見があったから、60秒の映像に3回目を再生させられた。
3回見返す作品というのは、普通の2時間映画でもそうはない。それがシャンプーの企画映像だというのが、この作品の変なところであり、面白いところだ。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- Production I.Gのアニメーション品質を追いかけているオタク
- 中沢和則の名前でキル・ビルのあのシーンを即座に思い出せる人
- 「商業アニメ」と「純粋なアニメーション表現」の境界線に興味がある人
- 髪の毛の描写にこだわりを持つタイプの人間(心当たりがあるなら見ておいた方がいい)
- 60秒という制約の中に何かを詰め込む行為自体に面白さを感じる人
合わない人
- ストーリー・キャラクター・感情の起伏を求めている人
- 「で、この作品の何が面白いの」という問いに自分で答えを出せない人
- 広告映像というレッテルを貼った瞬間に見方が固定されてしまう人
次に見るなら
この作品を通じてProduction I.Gのアニメーションに興味が出たなら、まずBLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年)を見てほしい。45分という短い尺に、スタジオの技術的な本気が詰め込まれた作品で、「短さの中の密度」という点でASIENCEと同じ感覚がある。作画の質感に対するこだわりが、全編で一貫している。
中沢和則つながりでキル・ビル Vol.1(2003年)の劇中アニメパートも改めて確認してほしい。O-REN ISHIIの過去を描くあのシーケンスを、ASIENCEを見た後で見直すと、線の引き方・女性の動かし方に共通の「手」が見えてくる。同じ監督が、全く異なる文脈でどう機能するかを比較する体験は、それ自体が面白い。
「短編・実験的アニメーション」の文脈で探すなら迷い猫オーバーラン!ではなく(全然違う)——各スタジオが文化祭的に作る技術デモ短編を追いかけてみるといい。ASIENCEはその走りのような位置にある作品で、「誰かの本気が広告に紛れ込んだ」系の映像をもっと見たい人に、その文脈が合う。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現時点では、本作を視聴できる公式配信サービスは確認されていません。花王のプロモーション用として制作された短編作品のため、公式サイトや関連動画プラットフォームでの公開状況を直接ご確認ください。映像の一部は中沢和則監督やProduction I.G関連の特集記事で紹介されていることがあります。