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風立ちぬ
| 放送年 | 2013年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Studio Ghibli |
次郎は視力の低さから飛行士になれませんが、憧れのイタリア航空機開発者カプローニのような飛行機を設計・製造するために、東京帝国大学の航空工学科に進学します。上京した1923年、関東大震災が発生し、彼はメイドの少女を救います。
作品概要・あらすじ
あらすじ
幼い頃から飛行機に夢をもつ堀越次郎は、視力の問題でパイロットになる夢を断念しながらも、イタリアの天才設計士カプローニに憧れ、東京帝国大学の航空工学科へ進学する。上京の途中、1923年の関東大震災に遭遇し、偶然出会った少女・菜穂子を助ける。その後、航空機メーカーに就職した次郎は設計士として才能を開花させ、再会した菜穂子と純粋な愛を育んでいく。美しいものを作りたいというひたむきな情熱と、時代の残酷さのはざまに生きた青年の物語。みどころ・魅力
① 夢と現実の間で揺れる、リアルな「創造者」の苦悩
美しい飛行機を作りたいという純粋な夢が、やがて兵器として使われるという矛盾。主人公・次郎は戦争の是非を超えて「設計することへの情熱」に正直に生きる。その姿は理想を追う全ての人間に刺さる、宮崎駿の半自伝的な魂の叫びともいえる作品。② 菜穂子との儚くも美しいラブストーリー
震災という極限状況での出会いから始まる、次郎と菜穂子の恋。結核という病を抱えながらも前向きに生きる菜穂子の姿と、彼女を想い続ける次郎の不器用な愛情表現が胸を打つ。スタジオジブリ作品随一のロマンチックな純愛として高く評価されている。③ 昭和初期の空気感を再現した圧倒的なビジュアルと音響
関東大震災の描写、大正〜昭和の街並み、飛行機が滑走するシーンの躍動感など、細部まで作り込まれた映像美が見る者を圧倒する。久石譲による音楽と、荒井由実の主題歌「ひこうき雲」が物語の余韻をさらに深める。キャスト・声優一覧























スタッフ
| 監督 | 宮崎駿 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 近藤勝也 |
| 音楽 | 久石譲 |
| 美術監督 | 武重洋二 |
| 音響監督 | 笠松広司 |
| ED | 松任谷由実「ひこうき雲」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
公開当時、「ジブリが零戦の話を作った」という文脈で先に知って、正直身構えた。宮崎駿が戦争賛美をするはずはないと頭ではわかっていても、あらすじだけ読むと「天才設計士の青春ロマン」という衣をまとった何かヤバいものが来るんじゃないかという感覚があった。
で、実際に見たら——拍子抜けするほど静かだった。爆発もしないし敵も出てこない。戦争そのものはほとんど画面に映らない。ただ、飛行機を愛した男の一生が、夢の重さと引き換えに何を失っていったか、それだけを淡々と描いていた。
2回目に見たとき、最初に感じた「静けさ」が実は「重さの凪」だったと気づいた。表面は穏やかなのに、画面の端々に不穏な予感が滲み出ている。関東大震災の描写、煤だらけの街、結核で痩せていく菜穂子。宮崎駿はずっと同じ場所から語っていたのに、1回目の自分はそれを受け取れていなかった。
「美しいものを作りたかった」では済まない、創造と加担の話
この映画が描いていることを一言で言うなら、「夢を持つことの罪」だと思っている。ただしそれは説教ではなく、宮崎駿が自分自身に向けた問いとして機能しているから重い。
堀越二郎は純粋に飛行機が好きだ。美しい曲線、軽さと強度の両立、空を飛ぶ夢。彼の情熱は嘘じゃない。でもその手が作り上げたものが、最終的にどう使われたかという事実から、この映画は目を逸らさない。零戦は美しかったし、若者の命を乗せて飛んで、その多くが戻らなかった。
二郎はそのことを知っている。知りながら作り続ける。夢の外側に何があるかを見ながら、それでも設計図を引くことをやめられない。ここが単純な「夢に生きた人物の美談」にならない部分で、見る側を居心地悪くさせるところでもある。
菜穂子との関係もその文脈で読むと少し違う景色が見える。二郎が彼女と過ごす時間は、唯一「設計士」でない時間だ。でも彼は山から連れ戻して、病を悪化させるとわかっていながら一緒にいることを選ぶ。愛情と利己性が混ざったまま整理されない。ここで「二郎は悪い男だ」と断罪するのも違うし、「愛ゆえだ」と美化するのも何か嘘になる。
ジブリの中では明らかに異色の作品だけど、異色さの理由がそこにある。善悪で片付けられない人間を、善悪で片付けずに描いた。それは宮崎駿のフィルモグラフィーを振り返っても、かなり珍しい態度だと思う。
特に刺さったシーン
風の中での再会シーンが、何度見ても返り討ちに遭う。二郎と菜穂子が草原(あるいは夢の中)で出会う場面の、あの過剰なほど風の音が鳴っていて、でも台詞は最小限という設計。久石譲の音楽がここで出張ってくるわけでもなく、自然音と人の声だけで画面を満たしている。この選択が妙に効く。
菜穂子を演じた瀧本美織の声が、きちんと「病んでいる人間の声」をしているのも印象に残った。健康的なアニメ声ではなく、少し枯れたような、消えかけているような質感。序盤と終盤で声の重さが違うのを、2回目で初めて意識した。
もうひとつ、地味に何度も頭に戻ってくるのが設計室の描写。二郎が没頭して図面を引いている時間の、あの集中した空気感。作画の手数が多いわけでもないのに、人間が何かに憑かれている時間の密度がちゃんと伝わってくる。こういう「作る人間を描く」シーンに宮崎駿は本気で向き合っているなと思う。映画館のスクリーンで見ると、その沈黙の質量がより重かった。
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この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「作ること」に何らかの形で関わっている人。デザイン、エンジニアリング、文章、何でも。二郎の情熱の描かれ方は職種を問わずに刺さる。
- 宮崎アニメに「わかりやすい善悪」を求めていない人。
- 静かな映画が好きな人。台詞よりも空気を読む鑑賞スタイルの人。
- 昭和前期の日本史をある程度知っている人。知識があるほど背景の重さが増す。
合わない人
- ジブリに「元気が出る冒険活劇」を期待している人。トトロとナウシカのノリとは全く別物。
- 零戦・戦争に関わる作品自体が無理な人。劇中での扱いは慎重だが、テーマとして切り離せない。
- 主人公に感情移入できないと楽しめないタイプの人。二郎は共感しにくい人物として描かれている。
- 「で、結局どういう映画なの」とスッキリした答えを求める人には相当しんどいと思う。
次に見るなら
この世界の片隅に(2016年・片渕須直監督)——戦時下の日常を生きる人間を、善悪の外側から描いた点が近い。風立ちぬが「作る側」の話なら、こちらは「生きる側」の話。静かな映画が続いても大丈夫な人に迷わず勧める。
紅の豚(1992年・宮崎駿監督)——同じ宮崎駿が「飛行機と戦争と男の矜持」を描いた作品。風立ちぬより軽くてユーモアがあるぶん入りやすいが、根底にある虚無感は共鳴する部分がある。飛行機描写の密度はこちらも本物。
ハウルの動く城(2004年・宮崎駿監督)——「戦争を描きながら戦争映画にしない」というアプローチで見ると、風立ちぬと同じ問いを違う角度から立てている。ソフィーとハウルの関係も、菜穂子と二郎と同様に「うまくいかない愛」の変奏だと思っている。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『風立ちぬ』はU-NEXTおよびDMM TVにて現在配信中です。どちらのサービスも月額プランに加入することで視聴でき、他の人気アニメ・映画と合わせて楽しめます。宮崎駿の集大成ともいえる本作を、ぜひ自宅のスクリーンでじっくり堪能してみてください。
