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マスターモスキートン’99
| 放送年 | 1997年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 26話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Radix |
カトリック女学生の稲穂が、同級生から血を吸う吸血鬼モスキートンを発見する。彼女が杭を刺すと、彼女の血が遺骨に接触して彼は復活。モスキートンは彼女の奴隷にして歴史教師となる。稲穂は勇気と炎と共に、この変わった相棒と多くの冒険に出かける。稲穂の主な目標の一つは、伝説のオーパーツを探すことである。
作品概要・あらすじ
あらすじ
カトリック女学校に通う稲穂は、同級生の少年・モスキートンが実は吸血鬼だと気づき、勢いで杭を打ち込んでしまう。ところが稲穂の血が遺骨に触れたことでモスキートンは復活し、彼女の永遠の僕(しもべ)として転生。歴史教師として学校に潜り込んだ彼とともに、稲穂は伝説のオーパーツを求めて世界中を駆け巡る冒険活劇。
みどころ・魅力
① 最強吸血鬼が女子高生の下僕という逆転関係
強大な力を持つ吸血鬼モスキートンが、気の強い女子高生・稲穂に振り回され続けるというコメディの核がユニーク。ツッコミ役の稲穂とボケ役のモスキートンという掛け合いが毎話テンポよく展開し、アクション場面とのギャップが笑いを生む。
② オーパーツを巡るスピーディーな冒険活劇
各話・各エピソードで舞台が世界中を転々とし、古代遺物や怪異を絡めた謎解きと戦闘が展開される。1997年製作ながら勢いのあるアクション作画と荒唐無稽なノリが合わさり、テンポよく最後まで駆け抜ける。
③ 90年代OVA発の作品が持つ独特のエネルギー
前身となるOVA版の人気を受けてTVアニメ化された本作は、90年代特有のハイテンションな演出と濃いキャラクター造形が満載。懐かし系アニメとして現在見ても鮮度は高く、当時のアニメファンはもちろん、初見でも楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっている。
キャスト・声優一覧










スタッフ
| シリーズ構成 | 植竹須美男 |
|---|---|
| 原案キャラデザ | 岸田隆宏、沢田翔 |
| キャラクターデザイン | 黒田和也 |
| 音楽 | 手塚理 |
| 美術監督 | 勝又激 |
| 音響監督 | 三間雅文 |
| OP | Cyber Nation Network「The Power of Love」 |
| OP | サイバー・ネーション・ネットワーク「Good Vibration」 |
| ED | 今井由香「地図にない未来」 |
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
配信サービスをひと通り調べたら全滅だった。そんな作品がこの世にまだたくさん存在していて、マスターモスキートン’99はその一本だった。知り合いのオタクが「90年代の埋もれ名作フォルダ」と呼んでいるハードディスクを見せてくれたとき、この作品のサムネが引っかかった。「吸血鬼が女子高生の奴隷として歴史教師をやっている」という一文で即決した。
最初に見たときの印象は「思ったよりテンポが速い」だった。今井由香が演じるイナホが、とにかく容赦なくモスキートンを顎で使う。子安武人の声でしゃべる相手に対して、あの態度は笑えるし、そのバランスをちゃんとキープしたまま話が進む。2回目に見たとき気づいたのは、モスキートン自身の「かつて強者だった存在が今は使役されている」という哀愁が、ちゃんとコメディの下に仕込まれていることだった。笑えるんだけど、少し切ない。
吸血鬼を顎で使う女子高生と、それでも従い続ける吸血鬼の話
この作品を「吸血鬼コメディ」と一言で片付けてしまうとかなりもったいない。核心は主従関係の逆転、それも「強者が弱者に使役される」という構造の徹底ぶりにある。
モスキートンは設定上、数百年を生きた半吸血鬼だ。子安武人の声がそのまま「格のある存在」を体現していて、喋るだけで画面に重さが出る。なのにイナホの前では完全にへりくだる。血によって復活させてもらった代償として彼女の命令には逆らえない——その構造を、作品はギャグの軸として使いながら、同時に真顔のまま維持し続ける。笑えるけど、設定はちゃんと機能している、という90年代アニメ特有の誠実さがある。
イナホの目標はオーパーツの探索だ。歴史的に説明のつかない遺物を求めて冒険する、という骨格は一見「歴史謎解き冒険もの」のように見える。ただ実際には、歴史の生き証人であるモスキートンを手下として連れながら歴史の謎を追う、という構造の滑稽さがこの作品の空気を作っている。当事者を連れて証拠を探しに行く、みたいな。
コメディの脇を固めるキャストも効いていて、うえだゆうじが演じるホノオと根谷美智子が演じるユキのやりとりは、「炎と雪」という設定上の対立をそのまま掛け合いに変換したような密度がある。鶴ひろみが複数役をこなしているのも、当時の配役の妙というか、声優陣の守備範囲の広さがそのまま作品の体積になっていた時代の話だなと思う。
配信がどこにもない今、この作品にたどり着くのはかなりハードルが高い。だからこそ見た人間の間での「あれ知ってる?」という会話に独特の質感がある。埋もれているのはもったいないが、埋もれているまま知っている人だけに届いている、という状態もこの作品には似合っている気がしている。
特に刺さったシーン
序盤、モスキートンが本来の力を発揮しかけた瞬間に、イナホが平然と命令を上書きする場面がある。子安武人の声が「格の高い存在が本気を出そうとしている」状態で張り詰めていて、そこに今井由香のイナホが一切空気を読まずに割り込む。そのテンポのぶつかり方が笑えた。
ただもっと刺さったのは、そのあとのモスキートンの反応だ。怒るでも落ち込むでもなく、淡々と従う。子安武人の芝居がそこで一段落ちていて、「諦めているのか、それとも何かを感じているのか」を声の温度だけで出している。セリフじゃない部分の演技、というやつで、声優の仕事の解像度を上げてくれる種類のシーンだった。
2回目に見たとき、このシーンで初めて「このふたりはちゃんとバディになっていくんだろうな」と思えた。最初は笑えるギャグの構造として見ていたものが、関係性のスケッチとして機能していたことに気づく。一回目に引っかからなかった細部が、二回目に拾える——そういう見方ができる作品は、単純に作りが丁寧だということだと思う。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 90年代アニメのテンポ感や空気感が好きな人
- 子安武人・うえだゆうじ・根谷美智子など当時の声優陣が好きな人
- 「主従関係逆転コメディ」というジャンルを無条件で面白いと思える人
- 配信がなくても手段を探して見るオタク気質の人
- 一話完結の冒険エピソードを気楽に楽しめる人
合わない人
- シリアスな吸血鬼ものを期待して見る人(基本コメディです)
- 配信以外の手段で作品を見るのが難しい人(現状どこにもない)
- キャラクターの関係性に大きな変化や感情的なドラマを求める人
- 物語全体を貫く強い縦軸がないと乗れない人
次に見るなら
「コメディの下に関係性の積み重ねがある」という構造が好きなら魔法陣グルグルが合うと思う。90年代RPGパロディという違いはあるが、「頼りなさと本気の間を行き来するバディ」という軸は近い。コメディ作品として記憶されているが、終盤の温度は思ったより高い。
「歴史・謎解き・冒険」という骨格に惹かれた場合はふしぎの海のナディアがある。年代も近く(1990年)、謎の遺物を追って移動し続ける構造はマスターモスキートンとかなり近い。ただしナディアはシリアスさの比率が高いので、ギャップには注意。
「使役される側の格と、使役する側の無遠慮さ」というコメディラインが好きならエルフを狩るモノたちも試す価値がある。設定の奇抜さで敬遠されがちだが、ゲームオタクと異世界存在のすれ違いコメディとして見ると当時の空気感がよく出ている。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | — | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | — | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | — | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | — | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現在、マスターモスキートン’99は主要な動画配信サービスでの配信は確認されていません。視聴を希望する場合は、DVDなどのパッケージ媒体での入手をご検討ください。90年代アニメならではの熱量と笑いを楽しみたい方に、ぜひ手に取っていただきたい作品です。
