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アウトブレイク・カンパニー
| 放送年 | 2013年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | ライトノベル |
| 制作 | feel. |
薄い本の作家である父と、エロゲのイラストレーターである母を持つ狩野真一は、生粋のオタクだ。彼には特別な力はないが、「萌え」とその製品についての幅広い知識、鋭い洞察力、完璧な直感を持っている。ある日、彼はエルフが住み、ドラゴンが飛ぶ異世界へ転送されてしまう。
作品概要・あらすじ
あらすじ
同人作家の父とエロゲイラストレーターの母を持つ生粋のオタク・狩野真一は、就職活動中にある企業の求人に応募し、気づけば異世界に転送されていた。エルフや獣人、ドラゴンが存在するその世界「エルダント帝国」で、彼に与えられた使命は「萌え文化」の普及大使。最強の知識と偏愛を武器に、皇帝陛下や侍女のミュセル、帝国騎士団長のガウルとともに、異世界に日本のサブカルチャーを根付かせていく。みどころ・魅力
① 「オタク知識」が最強スキルになるシチュエーションコメディ
魔法も剣術も持たない主人公が、アニメ・漫画・ゲームへの圧倒的な造詣だけで異世界に立ち向かう設定が秀逸。萌えを語れば皇帝が沼にはまり、ドラゴンがコスプレに目覚める——オタクであることへの愛情とユーモアが全編にあふれている。② ラブコメとしての完成度の高さ
メインヒロインのハーフエルフ侍女・ミュセルとの関係を軸に、異文化交流の壁や身分差を絡めたロマンスが丁寧に描かれる。ギャグ一辺倒ではなく、登場人物それぞれの感情の動きがしっかり描写されており、話が進むにつれて自然と感情移入できる構成になっている。③ 文化侵略・外交・国家という社会的テーマの組み込み
表向きはコメディだが、「萌え文化の普及が実は帝国への文化的支配ではないか」という問いが物語の底流に流れている。笑いと一緒に、コンテンツ産業や文化外交の本質的な問いが提示される構造は、2013年放映ながら今も色あせない。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 及川啓 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 荒川稔久、荒川稔久 |
| 原作 | 榊一郎 |
| 原案キャラデザ | ゆーげん |
| キャラクターデザイン | 豆塚隆 |
| 音楽 | 井内啓二 |
| 美術監督 | 池之上由紀 |
| OP | 三森すずこ「ユニバーページ」 |
| ED | 渕上舞「私の宝石箱」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
アウトブレイク・カンパニー。タイトルだけ知っていて、ずっと後回しにしていた作品だ。「オタクが異世界に飛ばされて萌え文化を広める話」というあらすじを聞いて、正直なところ「どうせ俺TUEEEの変種でしょ」と思っていた。2013年当時のラノベ原作アニメに染みついた先入観というやつで、見始めるまでに半年くらいかかった。
で、実際に見たら、想像とぜんぜん違った。コメディとして普通に笑えるし、ハーフエルフのメイド・ミュセルとの関係が予想より丁寧に描かれていて、気づいたら続きを再生していた。2回目に見たとき、1話の段階で政府が何を考えているか示唆するセリフがすでに入っていることに気づいて、「あ、これちゃんと作ってある」と認識を改めた。笑わせながら、ちゃんと刺す構造になっている。
「萌え」は善意の顔をした侵略である——オタクが自分の好きなものを疑う話
この作品を単なる「異世界でオタク文化を広める楽しいコメディ」として見ると、終盤で少し困ることになる。それが作品として誠実だと思う点だ。
主人公・加納慎一(花江夏樹)がシュwルゼェリア王国に派遣されたのは、日本政府の意図によるものだ。アニメ、マンガ、ゲーム、フィギュア——オタクコンテンツの輸出は文化交流に見えるが、実態としては相手国の価値観を書き換え、親日感情を醸成し、経済的・政治的な影響力を拡大する「ソフトパワー」の運用に他ならない。作中ではこれを「文化侵略」と呼ぶキャラクターが出てくる。
慎一がこの構造に気づいたとき——自分がやってきたことが、純粋な文化への愛ではなく、誰かの政治的ツールとして機能していたと分かったとき——彼がどう行動するかが、この作品の核心だ。
オタクというのは基本的に「好きなものを広めたい」という衝動で動く生き物だ。それ自体に悪意はない。でも善意だからといって無害とは限らない、という話を、ラノベ原作の異世界コメディとして真顔でやっている。それが2013年にここまで整理されていたことに、2周目で改めて驚いた。
的場甚三郎(藤原啓治)が演じるエージェントのキャラクターが絶妙で、悪役に徹しないところが効いている。藤原啓治のあの低体温な声で喋られると、「こいつは悪意でこれをやっているわけじゃない」という説得力が出る。それが余計に怖い。悪意のある侵略より、善意の浸透のほうが長持ちする、という事実をじわじわ突きつけてくる。
特に刺さったシーン
慎一が王女・ペトラルカ(上坂すみれ)に初めてアニメを見せるシーン。上坂すみれの演技が面白くて、高圧的な王女キャラが画面に見入っていくときの声のトーン変化が段階的すぎる。プライドを保ちながら少しずつ崩れていくのを、セリフの間と声量の落とし方だけで表現していた。こういう芝居を「萌えコメディ」の文脈でやれる人は限られている。
もう一か所、ミュセルが「差別されることに慣れてしまっている」と気づく場面。ハーフエルフとして見下されることを自明視していた彼女が、慎一の「それはおかしい」という反応に戸惑うあの流れ。内田真礼のミュセルは、あのシーンで声を小さくするんじゃなくて、逆に少し固くなる演技をしていて、「戸惑い」の表現がうまいと思った。喜んでいいのか分からない、という状態がちゃんと声に出ていた。
ガリウス(三木眞一郎)は出番のたびにおいしいところを持っていく。325本以上の出演作があるキャリアが「頼もしい脇役」としての説得力に直結している、という好例だった。
読んで見たくなったら——『アウトブレイク・カンパニー』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 「好きなものを布教したい」という衝動に心当たりがあるオタク
- 異世界転移ものでも、ちゃんとした動機と構造が欲しい人
- コメディを笑いながら、後からじわじわ考えてしまう展開が好きな人
- 声優の演技の細部を聞くのが習慣になっている人(上坂すみれ・内田真礼のやりとりは聞き応えがある)
合わない人
- 「異世界で俺が最強」を純粋に楽しみたい人(この作品はそういう方向に行かない)
- 終盤の政治的な展開が「急に重くなった」と感じるタイプ(コメディと思って見ると面食らう)
- ハーレム構造が苦手な人(薄めだが、一応そういう面はある)
配信はdアニメストア、U-NEXT、DMM TVで見られる。レンタルで試したいならTSUTAYA DISCASが30日無料の対象になっている。
次に見るなら
異世界×オタク文化という構造が気に入ったなら、この素晴らしい世界に祝福を!が近い。こちらはもっとコメディ全振りで、政治的な重さはほぼない。テンション違いの比較として見るのも面白い。
「好きなものを広めようとしたら、それが誰かを傷つけることに気づく」という構造に引っかかった人には、SHIROBAKOが刺さると思う。アニメ制作の現場を描いた作品だが、「作ること」と「届けること」の齟齬について、よりリアルなレイヤーで掘り下げている。
声優陣を目当てに見るなら、上坂すみれが主演を張ったノーゲーム・ノーライフも同時期(2014年)の作品として比べてみると、演技の幅が分かって面白い。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『アウトブレイク・カンパニー』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TVの3サービスで配信中です。月額サブスクで視聴できるため、好きなタイミングで全話まとめて楽しめます。すでにいずれかのサービスに加入中であれば、追加料金なしですぐに視聴を始められます。
