サカサマのパテマ Beginning of the Day

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2012サカサマのパテマ Beginning of the Day

サカサマのパテマ Beginning of the Day

★ 3.5 / 5.0SF
放送年2012年
フォーマットスペシャル
話数4話
制作Purple Cow Studio Japan

地下の暗くて狭い世界。果てしないトンネルと坑道が広がり、人々は防護服を着て慎ましくも幸せな生活を送っている。地下社会の姫君パテマは、いつものように好奇心に駆られて探索へ出かける。予想を超えた世界で繰り広げられる、物語全体の最初の一日を描いたプロローグである。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

地下深くに広がる薄暗い世界。無数のトンネルと坑道に囲まれながら、住民たちは防護服をまとい慎ましく暮らしている。好奇心旺盛な地下社会の姫・パテマは、ある日いつものように探索へと繰り出すが、そこで想像をはるかに超えた光景に出会う。本作は映画『サカサマのパテマ』の物語が始まる”最初の一日”を描いたプロローグ的短編作品だ。

みどころ・魅力

① 映画本編につながるプロローグとしての完成度

本作は映画版『サカサマのパテマ』(2013年)の前日譚にあたる短編。地下世界の雰囲気や住人たちの生活様式、パテマの人物像を丁寧に描いており、映画を見る前の導入として、あるいは鑑賞後に世界観を深める作品として機能する。

② 地下世界の独特なビジュアルと空気感

狭く閉塞した坑道や薄暗い照明の中に広がる地下社会は、吉浦康裕監督の緻密な美術設計によってリアリティを持って描かれている。地上とは異なる独自の文明と生活感が短い尺の中に凝縮されており、SF的なセンス・オブ・ワンダーを味わえる。

③ パテマというキャラクターの魅力を凝縮した一本

「姫」という立場でありながら好奇心のままに行動するパテマの個性が、この短編でいきいきと描かれる。彼女がなぜあの場所へたどり着くのか、その原動力となる性格と感情を理解するうえで欠かせない一作だ。

キャスト・声優一覧

エイジ
エイジ
メイン
岡本信彦
ポルタ
ポルタ
メイン
大畑伸太郎
パテマ
パテマ
メイン
藤井ゆきよ

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スタッフ

監督吉浦康裕
原案キャラデザ茶山隆介
音楽大島ミチル
美術監督金子雄司

関連作品

アニメ

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

本編の『サカサマのパテマ』を劇場で見て、「これ、プロローグがあるんだ」と知ったのが最初のきっかけ。正直に言うと、本編への補完資料のつもりで再生したら、思ったより作品として独立していて少し面食らった。地下世界の息苦しい空気感——狭い坑道、防護服を着た人々、それでも好奇心を抑えられないパテマ——が、本編を知っているからこそより染みてくる。2回目に見たとき気づいたのは、この短編がいかに「始まりの1日」の重力を丁寧に設計しているかということ。派手さはない。ただ、何かが動き始める予感だけが漂っている。

地下で生まれた好奇心は、禁じられているからこそ止まらない

この作品の核心は、SF的な「逆さまの世界」という設定よりも、「禁止されている場所に引き寄せられる衝動」にある。パテマは姫という立場でありながら、立入禁止のエリアへと踏み込んでいく。それは反抗でも冒険心の発露でもなく、ただそこに何かがあると知っているから——という、もっと根源的な動機による行動だ。

地下社会という閉じた世界の設定が巧みなのは、「知らないこと」が単なる無知ではなく、意図的に管理された状態として描かれている点だ。人々は防護服を着て慎ましく暮らしている。それは安全のためかもしれないし、何かを隠すためかもしれない。このSPの段階ではまだ答えは出ない。でも、パテマが踏み込むたびに、その世界の輪郭が少しずつ明らかになっていく構造になっている。

藤井ゆきよの声が、ここで絶妙に機能している。無邪気でも向こう見ずでもなく、静かな意志を持った少女として聞こえる。「行ってはいけない」という禁止の重さを、声のトーンで受け止めながら、それでも進む。本編での岡本信彦演じるエイジとの関係を知っているなら、このSPのパテマがどれほど孤独な好奇心の中にいるかが、余計に刺さる。

プロローグ作品としての誠実さは、「本編を見たくなる情報量」を意図的に制御していることにある。全部見せない。全部説明しない。地下世界がどこにあるのか、外の世界が何なのかは、ここでは明かされない。それでいい。始まりの1日は、始まりの1日として完結している。

特に刺さったシーン

序盤、パテマが坑道を進んでいくシーンの音響設計が好きだ。足音、換気の音、遠くで水が滴る音。地下の空気の重さが、音だけで伝わってくる。藤井ゆきよの息遣いが抑えられていて、「怖いけど行く」という感情を台詞ではなく声質で表現しているのが上手い。

終盤、パテマが「禁止区域」の扉の前に立つ場面——正確なシーン名はあえて出さないが——ここで思わず画面との距離が縮まった。本編を見た人間には、この先に何があるかが薄々わかる。でもパテマは知らない。その非対称性が、静かに胸に刺さる。

吉田大八(安藤雅司)ではなく吉浦康裕監督らしいミニマルな演出で、感情を煽ることをしない。だからこそ、見ているほうが自分で感情を組み立てることになる。プロローグとして、それは正しい設計だと思う。

読んで見たくなったら——『サカサマのパテマ Beginning of the Day』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 本編『サカサマのパテマ』を見て、世界観をもっと知りたいと思った人
  • 派手なアクションより、静かな空気感と世界設計を楽しめる人
  • プロローグ・外伝的な作品を「補完」として楽しめる人
  • 藤井ゆきよの声に引っ張られる層

合わない人

  • 本編未視聴で単体作品として期待する人(文脈なしだと薄い)
  • 30分以内の短編に「完結した物語」を求める人
  • SFの設定よりキャラクターのドラマを求める人

次に見るなら

当然だが、まずサカサマのパテマ(2013年・劇場版)を見るべきだ。このSPはそのための助走であり、本編を見てからもう一度SPに戻ると、ディテールの意味が変わってくる。吉浦康裕の空間設計を信じているなら、劇場版は裏切らない。

閉じた世界から外へ踏み出すSFが好きならイヴの時間も合う。こちらも短編連作の積み重ねで世界観を構築するタイプで、情報の開示の仕方がサカサマのパテマと似ている。説明より体験を優先する演出方針が近い。

「地下・管理された社会・逸脱する主人公」という構造に引っかかったならナウシカ(原作漫画含む)が参照軸になる。スケールは全然違うが、禁じられた場所に引き寄せられる衝動の描き方は同じ系譜にある。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ×¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT×¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV×¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu×¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+
『サカサマのパテマ Beginning of the Day』はdアニメストアで視聴できます。映画本編の鑑賞前後どちらでも楽しめる短編ですので、dアニメストアのラインナップからあわせてチェックしてみてください。

よくある質問

Q. 映画『サカサマのパテマ』を見ていなくても楽しめますか?
A. はい、本作は映画の前日譚にあたる独立した短編です。単体でも地下世界の雰囲気とパテマのキャラクターを楽しめますが、映画と合わせて見るとより深く世界観を味わえます。
Q. 上映時間はどのくらいですか?
A. 本作はSP(スペシャル)作品で、映画本編よりも短い短編・プロローグ形式の作品です。手軽に視聴できるボリュームになっています。
Q. どこで視聴できますか?
A. dアニメストアで視聴できます。映画本編『サカサマのパテマ』もあわせて配信されているか確認のうえ、セットでの鑑賞もおすすめです。
Q. 監督は誰ですか?
A. 吉浦康裕監督の作品です。『イヴの時間』などでも知られる監督で、独特の世界観とSF的なテーマ設定が特徴です。映画本編と同じスタッフが手がけています。

まとめ

『サカサマのパテマ Beginning of the Day』はdアニメストアで視聴できます。映画本編の鑑賞前後どちらでも楽しめる短編ですので、dアニメストアのラインナップからあわせてチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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