さよならの朝に約束の花をかざろう

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2018さよならの朝に約束の花をかざろう

さよならの朝に約束の花をかざろう

★ 4.1 / 5.0ドラマファンタジーサイコロジカル
放送年2018年
フォーマット劇場版
話数1話
原作オリジナル
制作P.A.WORKS

イオルフの民は人間の地から遠く離れた場所に住み、毎日の出来事を「ヒビオル」と呼ばれる布に織り込んでいる。彼らは数百年生きながら若々しい外見を保つ。孤児のイオルフの少女マキアは、友人に囲まれたオアシスで生活しているが、どこか「孤独」を感じていた。しかし、イオルフの穏やかな生活は、メザルテ軍の侵略によって一瞬で破壊される。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

イオルフの民は人里離れた地で暮らし、日々の出来事を「ヒビオル」と呼ばれる布に織り込みながら数百年を生きる。容姿が変わらぬまま時を重ねる一族の少女マキアは、仲間に囲まれながらもどこか孤独を抱えていた。ある日、メザルテ軍の急襲によって平和な日常は一夜にして崩壊。混乱の中で人間の赤ん坊・エリアルを拾ったマキアは、その子を育てることを決意する。老いることのない母と、やがて自分を追い越して成長していく息子——時の流れに引き裂かれながらも続いていく、ひとつの愛の物語。

みどころ・魅力

① 「老いない母」が問いかける、愛することの意味

年をとらないマキアと、人として成長・老化していくエリアル。ふたりの時間軸のズレが積み重なるほど、「親子の愛とは何か」という問いが静かに重くなっていく。血のつながりを超えた感情の変遷を、説明台詞に頼らず映像と間で語る演出が心に刺さる。

② 岡田麿里が紡ぐ、感情の密度

脚本・原作を手がけた岡田麿里の集大成とも言われる一作。「アノハナ」「あの花」で見せた喪失と再生のテーマが、ファンタジー世界観に乗って壮大なスケールで展開される。泣かせにかかる手つきより、じわじわと積み上げた感情が最後に一気に解放される構成が秀逸。

③ P.A.WORKSの美術・作画が作り出す世界

イオルフの郷の柔らかな光と布、戦場の混乱、年月を経た街並みの変化——場面ごとに異なる色彩設計と緻密な背景美術が作品の時間軸を視覚的に支える。布を「織る」という行為がテーマと連動した象徴として機能しており、映像全体に統一された詩情がある。

キャスト・声優一覧

エリアル
エリアル
メイン
›
入野自由
マキア
マキア
メイン
›
石見舞菜香
メドメル
メドメル
サブ
›
久野美咲
ハイク
ハイク
サブ
›
岩崎諒太
バロウ
バロウ
サブ
›
平田広明
ダレル
ダレル
サブ
›
咲野俊介
ジャック
ジャック
サブ
›
水中雅章
ディタ
ディタ
サブ
›
日笠陽子
ミド
ミド
サブ
›
佐藤利奈
バイエラ王
バイエラ王
サブ
›
内田夕夜
ラシーヌ
ラシーヌ
サブ
›
沢城みゆき
ヘイゼル王子
ヘイゼル王子
サブ
›
河本啓佑

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スタッフ

監督岡田麿里
原案キャラデザ吉田明彦
キャラクターデザイン石井百合子
美術監督東地和生
EDリオノス「ウィアートル」

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

OP・ED

ED

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

岡田麿里の監督デビュー作と聞いて、「脚本家が監督やるとどうなるんだろう」という好奇心半分で見始めた。タイトルの長さに一瞬ひるんだのも正直なところで、「さよ朝」という略称が定着するくらいには長い。ポエジーすぎるタイトルで身構えていたのに、冒頭のイオルフの里の描写でその構えが崩れ始めた。布を織りながら日々を記録していく民族の描写に、ケルト神話っぽい質感があって。

最初に見たときは「泣ける系ファンタジー」というつもりで見ていたら、泣ける以前に「これは構造的に残酷な話だな」と気づいてから別の見方になった。2回目は泣かされる仕掛けが全部見えた状態で見て、それはそれで怖かった。

見送り続けることの話——愛は残るが、人は老いる

この作品を「母と子の絆」と一言で片付けると、たぶん本質を半分見落とす。マキアがエリアルを育てる話であることは間違いないけど、この映画が本当に描いているのは「自分だけが変わらないままでいる恐怖と孤独」だと思っている。

イオルフの民は数百年生きながら外見が変わらない。普通ならファンタジーの特権として描かれる設定だが、この映画では一貫してそれを「呪い」として扱っている。赤ん坊だったエリアルが少年になり、青年になり、壮年になっていく横で、マキアはずっと少女のまま。愛情は本物なのに、時間軸がずれていく。

岡田麿里が脚本を書いてきた作品——「あの花」でも「ここさけ」でも——には、「言えなかった感情が時間差で爆発する」構造が繰り返し出てくる。この映画でもそれは健在で、マキアとエリアルの間に積み上がっていく「言葉にならなかったもの」が終盤に一気に回収される。

個人的に刺さったのは、この映画が「老いることを肯定している」点だ。普通のファンタジーなら「老いない者への羨望」か「老いていく者への哀愁」のどちらかで語るところを、この作品は「老いながら誰かと時間を共有できること」に価値を置く。エリアルが老いていく姿を、マキアは悲劇として見ていない——少なくとも最後には。そこが他のファンタジーものとは根本的に違うと感じた部分だった。

沢城みゆきが演じるラシーヌが劇中で放つ台詞には、「見送り続ける者の疲弊」が滲んでいる。沢城さんの声は低く抑えたトーンのときほど重さが増す人で、ラシーヌという役のどこか達観した悲しさを、声の質感だけで表現していた。

特に刺さったシーン

入野自由が演じるエリアルの声が、少年から青年へと変わっていく流れの芝居が好きだ。中盤以降、エリアルがマキアとの距離を測りあぐねるようになる場面、台詞の間の取り方が変わる。少年のころの無邪気な呼びかけ方から、どこか遠慮がちになっていく。入野さんはああいう「心の迷いを声の微妙な揺れで表現する」演技が本当に巧くて、テキストだけでは拾えないものが声にある。

終盤の対面シーン、老いたエリアルとマキアが再会するくだりは、1回目より2回目のほうが重かった。何を言うかが分かった状態で見ると、むしろ「言わなかったこと」の量が見えてきて。映像の静けさと、岡田麿里の脚本特有の「直接言い切らない台詞回し」が合わさって、妙にずっしりとした後味が残る。

日笠陽子が演じるディタは出番は多くないけど、序盤のイオルフ崩壊シーンの声の切迫感が耳に残る。ああいう「パニックに近い感情を叫びすぎずに表現する」バランスは難しいはずで、さらっとやってのけているのが怖い。

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この作品が刺さる人・合わない人

刺さりやすい人

  • 「母性」とか「家族」という概念を、血縁と切り離して考えられる人
  • 岡田麿里脚本作が好きで、「あの花」「ここさけ」で泣いた経験がある人
  • ファンタジー設定よりも人間関係の機微で映画を見ている人
  • 劇場アニメの音響・音楽の質感を楽しめる人(浜口史郎の劇伴が静かにいい仕事をしている)

合わない可能性が高い人

  • 世界観の設定説明を丁寧に求める人——イオルフの民やメザルテ帝国の政治的背景は割と流される
  • 物語のテンポに起伏を求める人——前半は穏やかに時間が流れる構成で、盛り上がりは終盤に集中する
  • ファンタジーのアクション要素に期待している人——戦闘シーンより感情シーンの密度が圧倒的に高い
  • 感情的な結末より、論理的な結末を好む人

次に見るなら

おおかみこどもの雨と雪(2012年)
「人間ではない存在の子どもを育てる母親」という構造が近い。細田守版のさよ朝ともいえる位置にある作品で、育てることの喜びと手放すことの寂しさを、こちらは「母親視点」で一貫して描く。さよ朝と二本立てで見ると互いの輪郭が際立つ。

かぐや姫の物語(2013年)
「人間の時間に馴染めない者の孤独」というテーマで地続きの一本。こちらは高畑勲の作品で、絵のタッチも物語の空気も全然違うが、「生きることと時間の流れに抗えない哀しさ」を描く密度は近い。さよ朝より理知的で、感情が爆発するよりじわじわ沁みるタイプ。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011年、TVシリーズ)
岡田麿里の脚本作で、さよ朝と同じ「言えなかった感情が時間差で回収される」構造を持つ。キャラクター同士の微妙な距離感の描き方が好きなら、こちらも確実に刺さる。さよ朝より感情の振れ幅がわかりやすく、入門として機能する。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ×¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア×¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT×¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV×¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu×¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+

現時点では本作の配信サービスでの配信は確認されていません。視聴にはBlu-ray・DVDのレンタル・購入、またはTSUTAYAなどの実店舗レンタルをご利用ください。劇場公開から数年が経過した作品のため、定期的に配信情報をご確認いただくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 原作はありますか?小説や漫画が原作ですか?
A. 本作はアニメオリジナル作品です。脚本家・岡田麿里が原作・脚本を手がけており、映画公開に合わせてノベライズ版も刊行されています。
Q. 子どもと一緒に見られますか?
A. 戦闘シーンや感情的に重いテーマを含むため、小学校低学年以下には難しい内容です。中学生以上であれば、親子で感想を話し合える作品として十分楽しめます。
Q. 続編や関連作品はありますか?
A. 現時点で続編は制作されていません。関連作品として、映画公開時に制作されたコミカライズ版(月刊少年エース連載)があります。
Q. 岡田麿里監督の他の作品は?
A. 岡田麿里は本作が初監督作品です。脚本家としては「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などで知られています。

まとめ

現時点では本作の配信サービスでの配信は確認されていません。視聴にはBlu-ray・DVDのレンタル・購入、またはTSUTAYAなどの実店舗レンタルをご利用ください。劇場公開から数年が経過した作品のため、定期的に配信情報をご確認いただくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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