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イエスタデイをうたって
| 放送年 | 2020年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | Doga Kobo |
新宿郊外の私鉄沿線の小さな町を舞台に、困難と混乱の中で最善を尽くしそうとする4人の男女の物語。ささいな誤解が大きなトラブルに発展し、彼らの様々な感情が絡み合う。過去を49%振り返り、未来を51%見つめながら生きる日常の物語。愛と人間性の物語。
作品概要・あらすじ
あらすじ
大学卒業後、コンビニでアルバイトを続ける冴えない青年・荒井奏。彼は学生時代に思いを寄せていた先輩・篠原を忘れられずにいる。そんな日々の中、カラスを肩に乗せた不思議な少女・榀子と出会い、徐々に惹かれていく。そして篠原が再び奏の前に現れたことで、4人の男女の感情は少しずつ揺れ動いていく。過去と未来の狭間で、それぞれが自分の気持ちに正直になろうとする、新宿郊外の小さな町を舞台にした静かな恋の物語。
みどころ・魅力
① 動かない日常の中に滲む、リアルな感情の揺れ
大きな事件は起きないのに、ページをめくる手が止まらない――そんな原作の空気感をアニメが忠実に再現している。「なんとなく踏み出せない」人間の弱さを丁寧に描き、観ているうちにどこか自分と重なる感覚を覚える作品だ。
② 4人それぞれの視点で描かれる、すれ違いの構造美
誰かを好きな人が、別の誰かに好かれている。その連鎖が絡み合う群像劇としての精度が高く、各キャラクターの言動に「なぜそうするのか」が腑に落ちる脚本が秀逸。どのキャラクターに感情移入するかで、まったく違う物語に見える。
③ 音楽と映像が作り出す、独特の余韻
OPテーマをはじめ、劇伴が台詞よりも雄弁に感情を語る場面が多い。背景美術も含め、平凡な路地や駅が情緒豊かに切り取られており、エンドロール後もしばらく画面の余韻が消えない。じっくり浸るように観たい作品だ。
キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 藤原佳幸 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 藤原佳幸 |
| キャラクターデザイン | 谷口淳一郎 |
| 美術監督 | 宇佐美哲也 |
| 音響監督 | 土屋雅紀 |
| ED | ヨアネス「籠の中に鳥」 |
| ED | さゆり「葵橋」 |
| ED | アゲハスプリングス フィーチャリング タナバタ「イエスタディをうたって」 |
関連作品
アニメ
書籍
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
「大人っぽいやつ」という情報だけで積んでいた時期が長かった。新宿郊外の私鉄沿線、カラスを連れた女の子、なんとなく薄曇りの画面。タイトルに「イエスタデイ」が入っている時点で、過去に引っ張られる話だというのは察しがつく。実際1話を見て、ああ、これは急いで見る作品じゃないな、と思った。台詞のテンポが普通のラブコメより数段遅くて、最初は少し退屈に感じるかもしれない。でも2周目に気づくのは、その間合いこそがこの作品の全部だということだ。登場人物が何かを言いかけて、やめる。その「やめた」部分に物語のほぼ全部が詰まっている。
「好き」より先に「ごめん」が来る人たちの話
よくある言い方をすれば「不器用な恋愛群像劇」になる。でもそれだと半分も説明できていない。この作品が本当に描いているのは、過去の誰かへの負い目を抱えたまま、それでも前に進もうとする人間の、その進み方の不格好さだと思う。
主人公の榀子(花澤香菜)は、亡くした人への気持ちを整理できないまま、別の誰かに好かれている。花澤さんがこの役をやる意味、というのがある。柔らかい声質なのに、感情を閉じているキャラクターを演じるときの独特の「壁の感じ」——声は届いているのに、芯のところで触れさせてくれない、あの距離感。榀子というキャラクターの造形そのものが、花澤香菜の声で初めて完成している、というくらい適役だった。
「過去を49%振り返り、未来を51%見つめながら生きる」という言葉がある。1%だけ前を向いている、という話だ。それが妙にリアルで、この作品を大人向けたらしめている核心だと思う。感情の整理がついてから動く人間なんていない。ついていないまま、それでも時間は過ぎていく。登場人物が全員、そういう状態で動いている。
脇に回る杏子(坂本真綾)がまた厄介で、坂本さんが声をあてると「こちら側の都合で単純悪にはできない人物」に仕上がってしまう。物語の邪魔をしているように見えて、実は誰より正直に欲しいものを言っている。終盤になるほど、誰が正しくて誰が間違っているのか、判断がどんどん難しくなる。それが意図的な設計だとわかるのが2周目で、最初に「モヤモヤした」と感じた部分が、全部意図的に置かれた石だったと気づく。
この作品は「恋愛成就の話」ではない。誰かが誰かと結ばれる話でもない。ここが合わない人には致命的に合わないし、刺さる人には刺さり方が深い。
特に刺さったシーン
花江夏樹演じる早川浪が、誰かに素直に気持ちを伝えようとする中盤のシーン。花江さんの芝居は普段、どこかひょうひょうとした軽さがあるのに、このシリーズでは全編そのトーンを抑えている。それが効いていて、珍しく重心を落とした芝居をしているな、と思っていたら、終盤でその抑制が一気に崩れる瞬間がある。ああここで使うのか、と思った。
もう一つは喜多村英梨演じるチカが、自分の気持ちを自覚してしまうあたりのくだり。喜多村さんはテンションの高い役が多い印象があるが、このキャラクターでは若さゆえの強引さと、それが通じないときの静かな顔を使い分けていて、2回目に見ると「あのとき既にわかってたんだな」という演技がそこかしこに仕込まれている。初見では見落とすやつだ。
全体を通して音楽の使い方が良くて、静かなシーンをあえてほぼ無音で通す場面が何度かある。台詞ではなく間で語る作品なので、音楽が鳴っていない瞬間ほど何かが起きている。
読んで見たくなったら——『イエスタデイをうたって』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
こういう人に刺さる:
- 恋愛において「なぜ動かないのか」より「動けない理由」の方に興味がある人
- 結論より過程を味わうのが好きで、明確なハッピーエンドを必ずしも求めない人
- 花澤香菜・坂本真綾のこういうトーンの芝居が好きな人(ほぼ確実に当たりを引く)
- 昭和〜平成初期の空気感のある、生活感のある街の絵が好きな人
- 2週目・3週目に発見があるタイプのアニメを好む人
合わない人:
- テンポの遅さにストレスを感じるタイプ(1話で脱落しても不思議ではない)
- 登場人物全員に共感できないとつらい人(全員どこかしら難がある)
- すっきりした結末を期待して見ると、消化不良で終わる可能性がある
- 恋愛アニメとして見始めると想定と全然違う、という感想になりやすい
次に見るなら
四月は君の嘘——過去に縛られた人間が、誰かとの出会いで少しずつ前を向いていく構造が近い。こちらは音楽が前面に出る分、感情の揺さぶり方がより直接的。静かな余韻より、ちゃんと泣きたいときはこっちが向いている。
波よ聞いてくれ——舞台が大人の職場で、登場人物が全員どこか拗らせている点が共通する。テンポは全然違って向こうはかなり早口でコメディ寄りだが、「自分の気持ちに正直になれない人たちの話」という芯は似ている。気分転換的に見るならこちら。
さよならを教えて(原作漫画)——アニメ化はされていないが、同じ「ままならない恋愛と時間」を描く作品として。イエスタデイをうたっての原作・冬目景の作風が刺さったなら、他の作品も掘ってみる価値がある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
『イエスタデイをうたって』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中です。いずれのサービスも月額プランや無料期間を活用して視聴できます。全13話とコンパクトにまとまっているので、週末にじっくり一気見するのにもおすすめです。
よくある質問
まとめ
『イエスタデイをうたって』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中です。いずれのサービスも月額プランや無料期間を活用して視聴できます。全13話とコンパクトにまとまっているので、週末にじっくり一気見するのにもおすすめです。


