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アリスとテレスのまぼろし工場
| 放送年 | 2023年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | MAPPA |
真宗は中学3年生。鉄鋼所の爆発で町のすべての出口が封鎖され、時間が停止した町に住んでいる。住民は変化を禁じられ、いつか日常が戻ることを望みながら息苦しい日々を過ごしている。ある日、謎めいたクラスメイト睦美が真宗を鋼鉄製の第5炉へと導く。
作品概要・あらすじ
あらすじ
中学3年生の真宗は、鉄鋼所の爆発事故によってすべての出口が封鎖され、時間が止まった閉鎖的な町で暮らしている。住民たちは変化を禁じられ、いつか元の日常が戻ることを信じながらも、息苦しい毎日を送っていた。ある日、謎めいたクラスメイトの睦美に導かれた真宗は、禁断の場所である鋼鉄製の第5炉へと足を踏み入れる。そこで二人が目撃したものは、町の秘密と深く結びついた存在だった。閉じた世界で芽生える感情と、変化を求める衝動が交錯する青春ファンタジー。みどころ・魅力
① 「変化が禁じられた世界」という独創的な設定
爆発事故で時間が凍りついた町という舞台設定が圧倒的に個性的。住民が変化を禁じられ、感情さえも抑圧される閉塞感は、思春期の息苦しさと重なり合う。現実にはありえない状況だからこそ浮かび上がる「今ここで生きること」の意味が、物語全体に緊張感を与えている。② 岡田麿里が描く、不器用でリアルな青春の感情
脚本・原作を手がけた岡田麿里は『あの花』『さよ朝』などで知られる感情描写の名手。本作でも、言葉にならない恋心や怒り、憧れといった中学生の内面が丁寧に掘り下げられる。抑圧された世界の中でひそかに燃え上がる感情の揺れが、見る者の胸を締め付ける。③ MAPPA制作による圧巻の映像美
『進撃の巨人』や『呪術廻戦』を手がけるMAPPAが制作。鉄と炎が支配する無機質な町の質感と、登場人物の繊細な表情描写が高水準で両立している。特に第5炉のシーンは幻想的な光と影の演出が際立ち、劇場スクリーンならではのスケール感を体験できる。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 岡田麿里 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 石井百合子 |
| 音楽 | 横山克 |
| 美術監督 | 東地和生 |
| 音響監督 | 明田川仁 |
| ED | 中島みゆき「心音 [しんおん]」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
岡田磨里の映画、ということは知っていた。知っていたのにずっと後回しにしていた。「なんか重そう」「どうせ泣かされる」「でも岡田磨里だから見ないと後悔する」というやつが頭の中でぐるぐるして、劇場公開中に見に行けなかった。Netflixに来てようやく腰を上げたクチだ。
見始めて最初の10分、「あ、これは岡田磨里だ」とはっきりわかった。説明不足の世界設定をそのままぶつけてくる感じ、登場人物がみんなどこかを向いたまま会話している感じ。整理されていない感情がそのままスクリーンに出てきている。好みが分かれるのはよくわかる。でも2回目を見て気づいたのは、この整理されなさ自体がテーマと直結していたということで、最初にわからなかった部分が全部意味を持って見えてきた。
変化を禁じられた町で、それでも「変わってしまう」感情の話
この映画を一言で説明しようとすると難しい。SFファンタジーと言えばそうだし、青春ラブストーリーと言えばそうだし、岡田磨里お得意の「煮え切らない男女関係」の話と言えばそれも正しい。ただ核心を一つ選ぶなら——「変わることを禁じられた空間で、人間はどこまで感情を封じ込めていられるか」という話だと思っている。
鉄鋼所の爆発で閉じた町。住民は変化を禁じられ、昨日と同じ今日を繰り返すことで「日常が戻る」のを待っている。ここで描かれる抑圧は、単純な管理社会の話ではない。自分たちで信じ込んでいる呪いだ。変わってしまったら何かが壊れる、壊れたくないから動かない。これは思春期の子供の内面と完璧に重なる。
中学生の真宗には、感情がある。睦美への気持ちがある。でもそれを動かすことが許されない。動かすことで自分の存在が変質してしまうかもしれない恐怖がある。岡田磨里が繰り返し描いてきたのはこの「感情の運動エネルギーを持て余した人間」で、本作ではそれに物理的な制約——閉じた町、時間の停止——をかぶせることで、比喩をそのまま映像にしたような構造になっている。
上田麗奈が演じる睦美は、この映画で最も「動いている」人物だ。感情を隠しながら動いていて、でも隠しきれていない。上田麗奈の声はもともとどこか押し殺した熱量を乗せるのがうまくて、睦美という役に異様に合っている。榎木淳弥の真宗は逆で、感情が表面に出てこない男の子をやらせると本当にうまい。「言えない」「動けない」を声だけで表現する。このふたりが画面に同時に映っているシーンは、台詞よりも沈黙の方が情報量が多い。
久野美咲が演じる五実というキャラクターは、作品の中でちょっと異質な立ち位置にいる。変化の象徴として機能していて、見た目と存在感のギャップが話が進むにつれて大きくなる。2回目に見ると、序盤の五実の登場シーンがまったく別の意味で見えてくる。
特に刺さったシーン
終盤の、感情が一気に爆発する場面。それまでずっと抑えてきたものが壊れる瞬間で、画面の演出も音響も一気に変わる。劇場で見ていたら相当きつかったと思う。Netflixで見ていても、思わず音量を下げたくなるような密度があった。
ただ個人的に一番刺さったのは、そこではなくもっと小さいシーンで、真宗と睦美がほとんど何も喋らずに並んでいるだけの場面だ。何かが起きるわけでもない。ただ隣にいる。それなのに「何かが起きそう」という緊張感がずっとある。榎木淳弥と上田麗奈の間の空気が、台詞を使わずに成立している。声優の仕事って結局こういうところだよなと思った。
あと音楽。サントラの使い方がかなり独特で、盛り上げるべきタイミングで盛り上げない選択をしている箇所がいくつかある。最初見たときは「あれっ」と思ったのだが、2回目では意図的な沈黙として機能しているのがわかった。感情を音楽で説明しない演出判断で、これが合わない人には合わないと思うし、合う人には刺さる。
読んで見たくなったら——『アリスとテレスのまぼろし工場』はNetflixで視聴できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 岡田磨里脚本・監督作品が好きな人(あの「煮え切らなさ」が好きなら間違いなく見るべき)
- 上田麗奈・榎木淳弥のファン(キャリアの中でもかなり挑戦的な役で、演技だけで元が取れる)
- 説明されない世界観を自分で読み解くのが好きな人
- 思春期特有の「言えない・動けない・でも止まれない」感情に覚えがある人
- SFの設定よりも人間関係のドロドロが目当ての人
合わない人
- 世界設定を丁寧に説明してほしい人(この映画はしない)
- キャラクターが整理された感情で動いてほしい人
- 「で、結局どういう話だったの」という感想に落ち着きたい人
- 後味すっきりのエンタメが見たいタイミングの人(後を引く映画なので、見る日を選ぶ)
次に見るなら
さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年)——岡田磨里が初監督を務めた長編アニメ。時間や別れという概念を軸に、感情を丁寧に積み重ねていく作品で、本作との共通点が多い。「まぼろし工場が合った」なら次はこれ。
かがみの孤城(2022年)——閉じた空間に集められた中学生たちが、それぞれ理由を抱えて過ごすという設定が近い。こちらは謎解きの構造がしっかりあるので、「まぼろし工場は設定が掴みにくかった」という人でも入りやすい。畠中祐が出演していてキャスト的にも縁がある。
心が叫びたがってるんだ。(2015年)——岡田磨里脚本。感情を封じ込めた主人公が、それでも何かを伝えようとする話で、「変化を禁じられた人間の内圧」というテーマが重なる。劇場版とTVアニメ版があり、どちらから入っても構わない。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ | |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『アリスとテレスのまぼろし工場』はNetflixで視聴できます。岡田麿里脚本×MAPPA制作という強力なタッグによる劇場アニメを、自宅の大画面でじっくり味わうことができます。Netflixのサブスクリプションがあれば追加料金なしで楽しめるため、気になっていた方はぜひこの機会に。
