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屍者の帝国
| 放送年 | 2015年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | その他 |
| 制作 | WIT STUDIO |
19世紀のヨーロッパを舞台に、ジョン・ワトソンが政府にスカウトされ秘密諜報員になる。しかし彼の世界では、産業発展のために「フランケンシュタイン」と呼ばれる、死体に偽りの魂を入れて労働力として使役する存在が蔓延していた。ワトソンはこの非人道的な体制に立ち向かうことになる。
作品概要・あらすじ
あらすじ
19世紀末、死者の肉体に疑似的な魂を書き込み、労働力として使役する「屍者」技術が世界を支えていた。医学生ジョン・H・ワトソンは、自らの手で親友フライデーを屍者に変えてしまった負い目から、死者に本物の魂を宿す方法をひそかに研究していた。やがてその技術を察知した英国政府に諜報員としてスカウトされ、すべての始まりとされる「ヴィクターの手記」を追って、アフガニスタンから日本、ヨーロッパへと危険な旅に身を投じていく。生と死の境界を巡る、壮大な冒険が幕を開ける。みどころ・魅力
① WIT STUDIOが描く重厚な19世紀スチームパンク世界
夭折の天才作家・伊藤計劃の遺作を円城塔が完成させた原作を、『進撃の巨人』のWIT STUDIOが映像化。霧深いロンドンや荒涼とした戦場、緻密に作り込まれた機械描写が、死と科学が隣り合わせの世界観を圧倒的なスケールで立ち上げます。② 歴史と文学の登場人物が交差する贅沢な群像劇
ワトソンをはじめ、フランケンシュタイン、カラマーゾフ、英国諜報界の重鎮など、史実と名作文学から引いたキャラクターが入り乱れて物語を彩ります。元ネタを知るほど発見が増える、知的な遊び心に満ちた配役が魅力です。③ 「魂とは何か」を問う哲学的テーマ
死体を動かす疑似的な魂と、人が本来持つ魂はどう違うのか。命とは、意識とは何か——アクションや冒険の興奮の奥に、答えの出ない問いが静かに横たわります。観終わったあとも長く考えさせられる、骨太なSFドラマです。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 牧原亮太郎 |
|---|---|
| 原作 | 伊藤計劃、円城塔 |
| 原案キャラデザ | redjuice |
| キャラクターデザイン | 千葉崇明 |
| 美術監督 | 竹田悠介 |
| ED | エゴイスト「Door」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
最初は「Project Itohの三本のうち、唯一伊藤計劃が書き上げる前に亡くなったやつ」という、わりと後ろ向きな理由で見始めた。虐殺器官とハーモニーは本人が完成させて、これだけ円城塔が引き継いで仕上げている。だから正直、つぎはぎの居心地の悪さを覚悟していた。ところが冒頭、雪の積もった医学校で、主人公が死んだ親友を「もう一度動かそう」としている場面で、その身構えはどうでもよくなった。死者を労働力に変える技術が当たり前になった世界——その設定の説明をほとんど省いて、いきなり喪失の手触りから入ってくる。テンションが上がるというより、静かに肩を掴まれる感じだった。スクリーンの暗さと、WIT STUDIOの作画の密度がそれを後押ししていて、ああこれは劇場で浴びるべきやつだ、と早々に観念した。
死んだ親友をもう一度しゃべらせたい——その執着が、魂の定義に呑まれていく話
屍者の帝国は、よく「スチームパンクのゾンビ活劇」みたいに紹介される。動く死体が出てきて、銃を撃って、文学キャラのパスティーシュが暴れる。確かにそういう画は全部入っている。けれどこの作品の芯にあるのは、もっと小さくて、もっとみっともない衝動だと思う。死んだ友達に、もう一度しゃべってほしい。ただそれだけだ。
主人公が連れ歩くフライデーは、生前の親友の死体に偽りの魂を入れたものだ。命令を書き込めば動くけれど、言葉は返さない。21グラム——魂の重さとされる数字が、この物語ではずっと亡霊のように付きまとう。意識とは何か、その21グラムは情報に還元できるのか、できないのか。屍者を増やしていった先で人類が手にしようとしているものは、結局「死んだ誰かをもう一度取り戻す技術」に他ならない。
おもしろいのは、これを単なる「死者蘇生はエゴだ」という説教で終わらせないところだ。物語は、魂を言葉=記録の問題として扱う。人を人たらしめているのは肉体でも電気信号でもなく、語られ、書き留められ、誰かに読まれること——そういう「物語としての魂」の手触りを、終盤の壮大すぎて少し置いていかれる展開ごと差し出してくる。正直、一度では理屈を全部は追えなかった。でも追えないまま、喪失の感触だけははっきり残った。それでいい気がした。これは哲学の答案じゃなくて、取り戻せないものを抱えた人間の、長い言い訳なのだから。
特に刺さったシーン
刺さったのは派手な戦闘より、声の芝居だった。細谷佳正のワトソンは最後まで声を張らない。死者に淡々と命令を読み上げる、その抑揚の殺し方がうまくて、感情を抑え込んでいる人間の不器用さがそのまま声に乗る。中盤で現れる花澤香菜のハダリー・リリスは、人形めいた無垢さと、こちらを試すような底の見えなさを同じトーンで行き来していて、彼女が画面にいるだけで空気が一度冷える。三木眞一郎が演じるカラマーゾフの、知性と狂気が地続きになった喋り口も忘れがたいし、大塚明夫のマイクロフトが低い声でひとこと釘を刺すたび、物語の重心がぐっと下がる。桑島法子のマニーペニーは、浮き足立った話のなかで数少ない地に足のついた現実として効いている。
そして終盤、ワトソンが——返事が来ないとわかっている相手に——フライデーへ言葉をかけるあの一連で、こらえていたものが崩れた。音響の効いた劇場だと、台詞のあいだの沈黙がやけに長くて、その無音がいちばん雄弁だった。
読んで見たくなったら——『屍者の帝国』はABEMAで視聴できる(無料プランあり)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- SFの装いで「意識とは・魂とは」を延々考えていたい人
- 設定を全部説明されるより、わからない部分を抱えたまま雰囲気に浸れる人
- WIT STUDIOの作画と、声優の抑えた芝居を劇場の音響で浴びたい人
- 19世紀末ヨーロッパ+スチームパンクの美術が好きな人
合わない人
- 物語のロジックがきれいに着地しないと気が済まない人
- テンポよく駆け抜けるアクション活劇を期待している人
- 予備知識ゼロで、終盤の畳みかけについていくのがしんどいタイプの人
次に見るなら
同じProject Itohの虐殺器官。屍者の帝国を入口にしたなら次はこれだ。言葉が人の心と暴力をどう動かすかを、もっと鋭く、もっと救いなく描く。伊藤計劃本人が書き切った筆致の違いも味わえる。
意識と社会の話をさらに突き詰めたいならハーモニー。人類が健康と善良さを管理しきった世界で、「意識を持つこと」そのものを問う。三部作のなかでいちばん静かで、いちばん怖い。
魂や“ゴースト”の在処というテーマでつながるのが攻殻機動隊。屍者の21グラムに惹かれたなら、電脳化した身体に宿る魂の話は地続きに感じられるはずだ。大塚明夫の声を聴き比べる楽しみもある。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ | |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『屍者の帝国』は、ABEMA、dアニメストア、U-NEXT、DMM TVの4つの配信サービスで視聴できます。複数のサービスで配信されているため、すでに契約中のサービスがあればすぐに楽しめます。これから視聴を始める方も、見放題作品の充実度や月額料金を比べて、自分に合ったサービスを選ぶとよいでしょう。
