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月とライカと吸血姫
| 放送年 | 2021年 |
|---|---|
| フォーマット | TVアニメ |
| 話数 | 12話 |
| 原作 | ライトノベル |
| 制作 | Arvo Animation |
長い戦争後、世界が東西の超大国に分かれた架空世界。東の「ジルニトラ共和国連邦」と西の「アルナク連合王国」は宇宙開発で覇権を争う。1960年、東側の首相ゲルギエフが有人宇宙ミッションを目指す野心的な「メッチタ計画」を発表。両国は宇宙開発競争へと突入していく。
作品概要・あらすじ
あらすじ
長い戦争を経て東西の超大国が宇宙開発で覇権を争う、架空の1960年。東側のジルニトラ共和国連邦は、人類初の有人宇宙飛行を目指す「メッチタ計画」を進めていました。しかし未知の宇宙へ人間を送る前に、その安全性を確かめる被験体が必要とされます。白羽の矢が立ったのは、社会から忌み嫌われてきた吸血鬼の少女イリナ。彼女の監督役を任されたのは、候補生のレフ・レプスでした。当初は立場も種族も異なる二人ですが、「宇宙へ行きたい」という想いを通じて少しずつ心を通わせていきます。差別と偏見、国家の思惑が渦巻く中、宇宙という夢に挑む青春の物語が幕を開けます。みどころ・魅力
① 米ソ宇宙開発競争を映した重厚な架空史
東西冷戦と宇宙開発競争という現実の歴史を、吸血鬼が存在する架空世界に巧みに落とし込んでいます。国家の威信をかけた計画の裏で、被験体として扱われる命の重さが描かれ、ただのSFにとどまらない骨太な物語に仕上がっています。② レフとイリナ、種族を越えて通じ合う二人
人間の候補生レフと、差別されてきた吸血鬼イリナ。立場の違う二人が「宇宙へ行きたい」という共通の夢を通じて信頼を育んでいく過程が丁寧に描かれます。互いを支え合う関係性の変化が、本作最大の感動どころです。③ 夢と差別を見つめるテーマ性
イリナが受けてきた偏見や、利用される存在としての葛藤を真正面から描く一方で、空を見上げ宇宙を夢見る純粋な想いが物語を貫きます。重いテーマと希望が交差し、見終えた後に静かな余韻を残してくれる作品です。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 横山彰利 |
|---|---|
| シリーズ構成 | 牧野圭祐 |
| 原作 | 牧野圭祐 |
| 原案キャラデザ | かれい |
| キャラクターデザイン | 加藤裕美 |
| 音楽 | 光田康典 |
| 美術監督 | 金子雄司 |
| 音響監督 | 濱野高年 |
| OP | アリ・プロジェクト 「緋ノ月」 |
| ED | Chima「ありふれたいつか」 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
OP
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
正直に言うと、タイトルの並びで見た。「月とライカと吸血姫」。月、ライカ、吸血姫——名詞が三つ、リズムよく置かれているだけなのに、もう半分くらい世界観を渡された気がする。ライカという音から犬の名前を連想して、そこに吸血姫が乗っかってくる感じが妙に引っかかって、中身をろくに知らないまま再生した。最初は宇宙開発を背景にした硬めのSFかと身構えていたら、開いてみると思っていたよりずっと体温の低い、人と人の距離の話だった。冷戦をなぞった架空の東西対立、宇宙へ最初に行く者の選定。その大きな枠の中で、画面が一番丁寧に映すのは打ち上げのスペクタクルじゃなくて、訓練室の沈黙のほうだ。2回目に見たとき、最初に退屈だと感じた間(ま)が、全部あとで効いてくる伏線だったと気づいて、ちょっと唸った。
最初に空へ行く者は、たいてい名前を持たない
この作品を「宇宙開発レースを背景にしたラブコメSF」とだけ呼ぶと、たぶん芯を取り落とす。これは、英雄譚の一段下——記録に残らない側の話だ。有人飛行という栄光の手前には、必ず「先に試される者」がいる。失敗してもニュースにならず、成功しても歴史には別の名前が刻まれる枠。吸血姫であるイリナが置かれているのは、まさにその位置だ。人として数えられていないからこそ最初の実験台に選ばれる、という冷たい理屈。物語はそれを声高に告発しない。むしろ、当人たちが「そういうものだ」と受け入れているところから始まるのが、この作品の手触りを決めている。
面白いのは、訓練を担当する側の青年が、その理屈にゆっくり馴染めなくなっていく描き方だ。最初は任務として接していた相手が、ある日ふいに、ただの一人の人間に見えてしまう瞬間がある。国家の計画という巨大な歯車の中で、たった二人が「お前には名前がある」と確認し合うこと——この小さな抵抗が、打ち上げそのものより重い。差別される者の尊厳を、説教ではなく日常の手続きの積み重ねで描く。書類のサイン一つ、呼び名一つに、ちゃんと意味を持たせてくる。
だから終盤、空へ向かう場面が来たとき、私が見ていたのは「宇宙へ行けるか」じゃなくて「彼女が誰かに名前を呼ばれたまま行けるか」だった。歴史の表に残らない最初の一人を、せめてこの物語の中だけは記憶しておこう——そういう静かな決意で作られている気がする。消耗品として扱われた者を、人として送り出すこと。それがこの作品の核にある。
特に刺さったシーン
イリナを演じる林原めぐみの芝居が、とにかく効く。序盤、まだ相手に心を開いていない頃の、棘のある皮肉混じりの言い方。あれが中盤を境に、ほんの少しだけ柔らかくなる。声を荒げるわけじゃない。語尾の温度が0.5度上がる、くらいの変化なんだけど、長く声優の芝居を聴いてきた身としては、その繊細な調整に「ああ、ベテランだ」と背筋が伸びた。強がりの裏に隠した不安が、一拍置いた息継ぎに滲む瞬間がある。あそこで思わず画面を止めてしまった。
もう一つ挙げるなら、訓練を見守る青年側——日野聡の抑えた声が、感情を爆発させない分だけ刺さる場面。言いたいことを飲み込んでいるのが、声の揺れだけで伝わってくる。派手な見せ場ではなく、静かな部屋で交わされる短いやり取りに、この作品の良さが全部詰まっている。2回目だと、ここのBGMがほとんど鳴っていないことに気づいて、無音の使い方の上手さに改めて唸った。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 派手な展開より、沈黙や間(ま)で語る静かなドラマが好きな人
- 冷戦・宇宙開発レースのレトロな空気感にぐっとくる人
- 「報われない側」「記録に残らない側」の尊厳を描く物語に弱い人
- 林原めぐみの繊細な芝居をじっくり味わいたい人
合わない人
- 毎話わかりやすい盛り上がりや派手なアクションが欲しい人
- 恋愛の進展テンポが速いほうが好きな人
- SF設定のメカや科学描写を主役級に期待している人
次に見るなら
宇宙開発を働く人間の目線で描くという意味では、プラネテス。打ち上げの華やかさより、その裏で地道に働く人たちの汗とためらいを映す手つきが近い。大きな夢と、地に足のついた現実の温度差が好きな人に。
静かな感情の積み上げと、画面の美しさで泣かせにくるタイプが好きならヴァイオレット・エヴァーガーデン。言葉にできない想いを、しぐさと間で伝える呼吸がよく似ている。
もっとまっすぐ「宇宙を目指す人間」の物語が見たくなったら宇宙兄弟。夢と現実のあいだで足踏みする人たちを、長い時間をかけて見届けたい人におすすめ。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『月とライカと吸血姫』は、現時点で確定している配信サービスの情報がありません。視聴を検討される際は、公式サイトや各配信プラットフォームで最新の取り扱い状況をご確認いただくのが確実です。配信が再開・追加される場合もありますので、こまめにチェックしてみてください。
